分裂から天下統一へ〈シリーズ日本中世史 4〉 (岩波新書)

著者 : 村井章介
  • 岩波書店 (2016年7月21日発売)
3.89
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  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315827

作品紹介

大名どうしの争いが続く「分裂」の時代は、信長、秀吉、家康ら「天下人」の登場とともに「統一」へと転じた。その流れのなかで生じた、銀の増産、鉄砲伝来、そして朝鮮侵略という「日本史上のエポック」は、どれも世界史的な文脈においてこそ、その本質をとらえうる。大きな枠組みから「日本」を問い直す、いま必読の一書。

分裂から天下統一へ〈シリーズ日本中世史 4〉 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • シリーズ日本中世史の最終巻で室町から江戸初期までの統一過程を扱う。前の3巻と違い、朝鮮出兵の影響等にページを費やしていることから分かるように国際的な視点がかなり盛り込まれている。平安、鎌倉、南北朝は繋がっている印象が強かったが、社会が異なるフェーズに移ったように感じた。

  • 20170913読了

  • 戦国時代をアジアという視点からみる一書。鉄砲、キリスト教、銀、といった要素から戦国時代を位置づけるのは非常に面白かった。戦国時代というとどうしても戦国大名同士が天下統一のために戦うというドラマでイメージされがちだけど、そうではないという視点が印象的である。

  • 何気に読んだ本が、今年最高の歴史の本でした
    考え方の一部に、相容れないものこそありますが
    室町時代を俯瞰して、貴重な視点を提示してくれました

  • 戦国時代から織豊政権、江戸時代へと天下が統一される過程が叙述される。視点がアジアの中の日本になっている点がオモシロイ。
    秀吉の朝鮮出兵って、やっぱりとんでもないことだったんだと教えられる。これによって破壊されたアジアの秩序がいかに回復され、新しい枠組みが誕生したのかをみる。

  • <目次>
    第1章  戦国~自立する地域
    第2章  銀と鉄砲とキリスト教
    第3章  天下統一から世界制覇へ
    第4章  十六世紀末の「大東亜戦争」
    第5章  江戸開府と国際関係の再建

    <内容>
    岩波新書の日本中世史の最終巻。戦国~安土桃山~江戸開府期までが描かれるが、世界史的視点が中心。朝鮮侵略を16世紀末の「大東亜戦争」と見たり、秀吉とヌルハチの動きを同じように見る辺りが、私には新鮮でした(近年は当たり前なのかもしれませんが…)。銀の算出が世界に与えた影響は甚大で、その動きを加速させたのが、朝鮮伝来の「灰吹法」だったのは、授業でももっと強調すべきことなのかしれません。江戸時代の前半の流れも世界史的な眼が中心で、「鎖国」というよりも、中央集権国家の「統制経済(貿易)」(ただし長崎のみ。他の3つの窓は管理している藩の状況からして、必然)だったという言い方に納得できました。

  • 戦国時代、安土桃山時代、江戸時代初期という日本史の中でもよく知られた時代が対象だが、戦国大名間の戦の勝敗や覇権争いは最小限しか触れず、蝦夷や琉球といった日本の辺境であり外国との境界域での動きや、朝鮮・中国・ポルトガルといった当時の日本にとっての外国との関係に注目し、時の権力者・為政者の世界観といったものに迫っている点で、ユニークかつ大変面白かった。

  • 元来なじみ深かったこともあるだろうが、統治、軍事、産業、貿易をめぐって、ぐいぐいと引き込まれた。特に天草、島原の乱を通して、キリスト教の威力を感じ、海禁(鎖国)に踏み切り、宗門人別改が実施されたことは、宗教の力を甘く見てはいけないと学んだ。このことは一向一揆にも感じる。

  • シリーズ日本中世史の最終巻であり、岩波の日本史シリーズの掉尾を飾る一冊。村井先生らしく中世から近世へと向かうこの時代を世界史の中に位置付けるという方向性が全面に押し出された1冊となっている。蝦夷地や琉球への言及も豊富なのはもちろん、秀吉の朝鮮出兵にもかなりの紙幅が割かれていて、日本史ではどちらかというと秀吉の誇大妄想として簡単に片付けられてしまう戦争を東アジア国際秩序再編成の大きな契機として描かれる。

    「以上のように、鉄砲伝来や朝鮮侵略といった「日本史上のエポック」は、世界史的な文脈における巨大な変動の一部として捉えることで、はじめて全体像が見えてくる。その結果として生み出された江戸時代=近世は、アジアにもヨーロッパにも似姿を見いだすことができない独特の軍事国家でありつつ、「武威」で裏打ちされた平和を永く維持し、近代化への準備を整えていった。その近世をくつがえした明治維新が巨大な変革であったことはいうまでもないが、それ以降の欧米をゆるぎない規範とする近代化や、「天壌無窮の神国」をふりかざして欧米に対抗しようとした天皇制・軍国主義が、近世からの連続としてあらわれたことも事実である。」(219-220)

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