南海トラフ地震 (岩波新書 新赤版1587)

  • 岩波書店 (2016年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004315872

みんなの感想まとめ

地震のメカニズムや防災対策について、基礎から丁寧に解説されている本書は、特に南海トラフ地震に焦点を当てています。著者は地震学の第一人者であり、専門的な内容を一般の読者にも理解しやすく伝える工夫がされて...

感想・レビュー・書評

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  •  南海トラフ地震を基礎から解説する書籍。東日本大震災との対比や富士山噴火との関連性など、興味深い話が多かった。地震予測の見方や震災対策など、様々な知識を得ることができて良かった。

  • 著者、山岡耕春さん、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    山岡 耕春(やまおか こうしゅん、1958年9月30日 - )は、日本の地震学・火山学者。専門は固体地球惑星物理学。地震や地震予知の専門家として著名。東京大学地震研究所教授などを経て、名古屋大学大学院環境学研究科長・教授。地震予知連絡会会長。元日本地震学会会長。 内閣総理大臣表彰受賞。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    南海トラフ地震。それは、日本列島の宿命ともいえる地震だ。マグニチュード8~9クラス。今後30年以内の発生確率が約70パーセント。日本の経済と社会の中枢を直撃する巨大地震は、ひとたび起これば未曽有の大災害をもたらす可能性がある。いつ来るのか。何が起きるのか。どう備えるのか。第一人者が語る。

    ---引用終了


    昨日(2024年8月8日)、南海トラフ地震に関して、動きがありました。


    以下、引用です。

    ---引用開始

    宮崎県で最大震度6弱を観測した8日の地震発生をきっかけに初めて南海トラフ巨大地震の臨時情報が発表された。

    南海トラフ地震の評価検討会会長の平田直・東京大名誉教授は南海トラフ地震について「普段よりも数倍(発生する)確率が高くなっている」と述べた。

    ---引用終了


    いずれにせよ、本書で指摘されているように、今後30年以内の発生確率が約70パーセントの地震です。
    しっかりと備えておきたいところです。

  • 1 地震本には、飽きたという人にも読んで欲しい一冊です。著者の山岡氏は、地震や火山現象研究の第一人者です。私が、本書を良いと思ったのは、“地震の仕組み・構造等は勿論、私達の行動基準を分かりやすく説明”している点です。大学教授の本の多くは、他文献の引用や一般人には理解困難な理屈論を書いています。それとは一線を画しています。
    2 さて、南海トラフは、東海地方から西日本太平洋側の海底の地形の名称です。南海トラフ地震とは、この駿河湾から四国沖まで延びる南海トラフで発生する巨大地震の事です。
    3 地震の仕組み等の科学的な内容は、本書に譲るとして、私達への具体的な示唆と私のコメントを少し書きます。
    ①いつ地震が起きてもよい様に事前対策をする ⇒ 避難場所の確認、自力で生き延びる為の水と食料備蓄、スマホの充電器、等。
    ②浸水深さが30cmになると、人が流される危険性がある、2mになると、木造住宅が被害を受ける目安 ⇒ 私は知りませんでした。
    ③観光シーズンで渋滞している時に地震が起きたら、車を捨ててすぐに高台に避難 ⇒ 第一に生命という事でしょう。私はドライブが趣味なので留意します。
    4 最後に、私の感想です。
    ①私は、阪神大震災発生時に車で早出出勤の途上でした。車体が大きく揺れ、追突されたと思うほどの衝撃だったと今でも忘れません。その後、神戸周辺の悲惨な映像を見て、言葉が出ませんでした。それを教訓にして、時々災害本をよんだり、防災品棚卸しをしています。
    ②日本列島周辺では、マグニチュード2以上の地震が1日平均550個発生しているそうです。地震がいつ発生するかは、予測不可能です。しかし、必ず発生します。個人・家庭は自力で生き延びるしかありません。心構えと出来る事をやりましょう。
    ③東日本大震災では、大人に比べ、小中学生の犠牲者が少なかった。大人は“これまで生きてきた”事から“この次の瞬間も生きている”という「連続のワナ」に陥り勝ちと、言われています。災害に対しては、「私は大丈夫」という意識は禁物と心に刻みましょう。

  • 今年10月に南海トラフ地震臨時情報が出された。

    日向灘でスロースリップが観測され、南海トラフ地震発生の危険性が高まったと報道された。集中的なモニタリングが解除されるまで、かなり心配した。それを機に積読状態だった本書を読んだ。

    阪神、東日本、熊本、能登と大地震が起きるたびに我が家の防災体制や災害に対する心構えを新たにしてきたが、今回はいよいよ我が身にも大きく直接影響が有るかなとかなり身構えた。
    結果今の所は、大地震は発生してないので良かったが・・

    東海、関東の大地震については、私の幼い頃(50年以上前)からその危険性が言われていたが、それを嘲笑うかのように違う地域で大地震が起きてきた。なんとなく、地震予知に対してはその信頼性が損なわれてきたように感じるのは私だけだろうか。

    ただし「天災は忘れた頃にやってくる」ので、日頃から心構えだけはしっかりしておく必要がある。

    本書にもある様に、いざ災害が起こったら生き延びるかどうかは「自助、共助、公助」この順番であることは間違いない。

    また科学的な知見を高めて、少しでも地震予測の精度を高めるのは決して無駄なことではない。地震予測や防災に関わっている人達の積極的な発言を今後も期待したい。

  •  いつか必ず発生するとされる南海トラフ地震。想定やシミュレーションは幾度となく触れる機会があったものの、自分は、どこか他人事のように捉えている節があった。本書を手に取った理由もそのような事情があったように記憶している。
     必見部分として、主要地域の被害内訳が掲載されている点であると感じる。テレビなどのメディアで目にすることもあったであろう情報であるが、本書前半部分で得た震災に対する知識を深めたうえで改めて被害の想定を地域ごとに地震の頭で考えていくことによって、事業の再起計画の重要性や日常の防災指針など、本当に必要な情報を読み取れるようになると思える。
     また、地震をはじめとした災害に関する本を読み解くにあたり、物理や地学など、自然科学に関する知見を深める必要性も多いに感じることができた(本書が難解で読み解けないという意味ではない。)。
     何度も読み返したい書籍のひとつである。
     
     

  • 津波はすぐに来るところもあれば、数時間してから来るところもあることがわかりました。

  • いつかは発生する大型地震。
    現代の科学ではいつ起こるか、どのくらいの規模の被害が出るか、など予想がつかない。
    あまりにも大きな危機であるため、普段の生活では、そのリスクを考慮外にしてしまうことが多い。
    そこで本書を読むことで、改めて自分ごととしてリスクを認識することができた。
    リスクは都市、住居地によって異なるので、自分の置かれている状況を再認識しよう。
    自助、共助、公助、この言葉はコロナ禍で知った言葉だが、まさにこれが大事。順番も大事。
    まずは自助できるように、準備を進めていこうと思う。
    まさに教養の1冊でした。

  • メディアの流す被害予測を見て盲目的に恐怖を感じていたのが、「想定内」の範囲が広くなり冷静に捉えることが出来るようになった。 新しい情報を追加した更新版が出れば、また読みたい。

  • 名大の地震学者による、南海トラフ地震の仕組み、被害予測、対策などの解説。
    南海トラフ地震がおきれば、人口、経済の集中度合いから、東日本大震災に比べても日本全国への影響は甚大になる。被害想定地域でない場所の人も、その影響について対策しておく上で、南海トラフ地震について知っておくことは有用だと感じた。

  •  駿河湾の一番奥の富士川の河口から四国の足摺岬の沖まで伸びる南海トラフ。ここは歴史的に何度も巨大地震を引き起こしてきた場所である。南海トラフ地震はフィリピン海プレートが日本列島の下に北西向きに沈み込んでいることが原因である。

    近世では3回もの地震が発生しており、中でも1707年の宝永地震は最大の南海トラフ地震であり、関東から九州まで広い地域が大きな揺れに襲われた。これらの巨大地震は、文書の記録によると大体100年から200年の間隔で発生している。そして、現在。昭和の地震から70年以上経過しており、その日はいつやってくるかわからない。

     2011年に発生した東北地方太平洋沖地震で直接の被害を受けた主な県は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県といった太平洋側の県で、これらの県の人口を合計すると約980万人であるのに対して、南海トラフの巨大地震で津波被害が予想されるのは静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、大阪府、兵庫県、徳島県、高知県、愛媛県、大分県、宮崎県、鹿児島県であり、この人口の合計は約3500万人となる。これは、南海トラフの巨大地震が発生した場合に、東北地方太平洋沖地震よりも圧倒的に助ける側の人が少ないということである。いったん地震が起きると経済活動の多くが停止する。地震に備えて国は防災体制を整えていく必要があり、一般市民は自助・共助・公助を心がけ、防災力を高めておく必要がある。

    自助・共助・公助において共助・公助を期待して人任せにしてはならない。現代社会には誰かがなんとかしてくれるだろうという他人任せの考えを持つ人が多いように感じる。しかし、著書でも述べられている通り、南海トラフの巨大地震が発生した場合、被害を受ける範囲は東北地方太平洋沖地震よりも大きく、他の人からの支援は期待できない。また、歴史上最大の南海トラフ地震といわれる宝永地震の1か月後には富士山の噴火が起こっている。

    もし、巨大な地震の後に富士山の噴火が起こるとますます他地域からの支援は望めなくなるだろう。これまで何度も南海トラフの巨大地震が発生している歴史を考えると、これから地震が起こるのはほとんど確定的であるため、いつ地震が起きてもいいように自分ができる最大限の対策を施すことが大切である。先人たちが後世に生きる私たちに残してくれた教えを活かして、個々人が地震や火山の噴火など災害に最大限備えることが、この日本列島で生きていくために大切であると感じた。

  • 災害対策の基本は自助。人生設計を行う中で正確な情報を適切に判断し、自らの責任で対策を行っておくことが必要であると感じた。

  • 南海トラフ地震に関する解説。色々あるが、災害の被害を軽減するには結局のところ各個人の防災意識が問題なのだということらしい。

  • 南海トラフ地震のメカニズム、今後の発生確率の根拠、誘発される断層型地震、被害想定が丁寧にまとめられていて読みやすい。

    南海トラフ沿いの深さ40km以上の場所は温度が300℃以上で、ずれの速さが大きくなっても摩擦力が小さくならないため、境界面は常に一定の速度でずれ動いている。地震を発生させる温度の低い場所と常に動いている場所との間は両者の中間的な性質のため、プレート境界のスロースリップに伴う深部低周波地震が半年に1回の頻度で起きている。スロースリップは、その場所のひずみを解消するが、浅い側の巨大地震発生域にひずみを増大させる。

    浜名湖付近と豊後水道付近、紀伊水道付近では、プレート境界面が地震を起こすことなくゆっくりとずれ動くスロースリップが起きる。スロースリップが発生することによって、周囲のひずみは大きくなる。

    フィリピン海プレートは、紀伊半島の下では周囲に比べて深い角度で沈んでおり、プレート表面の摩擦力が強くずれにくい。潮岬を超えて地震が連動しにくいため、東は東海地震と東南海地震、西は南海地震と呼ばれている。

    南海トラフの地震は、繰り返し間隔が一定とする固有地震モデルの方が、地震発生頻度を一定とするポワソンモデルより当てはまるという研究結果がある。固有地震モデルを用いた今後30年間の地震発生確率は3%になるが、信頼性の高い宝永地震以降のデータを用いると25%となる。さらに、安政地震から昭和の地震まで90年と短いため、地震の規模とその次の地震までの間隔が比例する時間予測モデルを用いると、今後30年間の地震発生確率は70%となり、防災上の観点からこの確率が発表されている。

    地震は、発生頻度の対数がマグニチュードに比例して減少するグーテンベルグ・リヒター(GR)則というべき乗則に従い、マグニチュードが1増えると発生頻度は10分の1になる。この法則は固有地震モデルと相容れず、最大規模の地震は特別であるという考え方をとり入れなければならないが、議論は分かれている。

    過去の南海トラフ地震が発生する前の数十年間は特に近畿地方の地震が活発化し、南海トラフ地震が発生した後の10年程度は西日本内陸の地震活動が活発化している。プレートの沈み込みが進行するにしたがって、西日本の内陸にかかる力が増加するために発生しやすくなる断層と、巨大地震が発生した後にプレートを押していた力が抜けるために、活断層の割れ目を閉じる力が減ってずれやすくなる断層があると考えられる。

    津波による浸水の高さが30cmになると、人は倒れて流される。2mになると木造住宅が浮力で浮き上がり流される。被害を受けたライフラインのうち、電力は1週間でほとんどが回復するが、上水道や都市ガスは1週間後も6〜7割が復旧せず、95%復旧するまでに1か月から2か月かかる。LPガスの復旧時間は短い。携帯電話は、地震直後には8割程度の接続が可能。1〜2日後には基地局の非常用電源が停止するため、8割程度が利用不能になるが、1週間程度で9割以上の基地局が復旧する。

    巨大地震の前後には内陸の地震活動が活発化するとの研究結果は、地震の活動期の有無があると解釈でき、巽氏の見解とは異なるのかもしれない。プレートを押す力が増したり、抜けたりすることによって発生頻度が増えるとの説明の方に説得力があるように思う。

  • 日本地震学第一人者の1人である著者が、南海トラフ地震について、詳細に解説する一冊。

    第一章・第二章は、まだ記憶に新しい東日本大震災を地震学的に解説し、それと南海トラフ地震がどう違うかを説明することで、南海トラフ地震についての理解を深める。

    第三章・第四章は、過去の南海トラフ地震をはじめとする過去の災害と、近年の地震学・防災学の知見から、次の南海トラフ地震ではなにが起こるのか、またそれに向けて何ができるのか、を語る。

    扱う分野は地震学・地球物理学・火山学・防災学と多岐にわたり、内容を100%理解するのは難しい。しかし、分野が多岐にわたるが故に、どこかで個々人の興味と関わる部分が出てくる本でもある。

    南海トラフ地震は、その被災域で生活している人が東日本大震災のそれより多い分、日本全体へ与える影響は大きいと予想される。それを踏まえた対策が必要で、そのための予備知識であったり、興味であったりを得るための一冊として、この本はアリかな、と。

    西日本・東日本問わず、より多くの人に読んでいただきたい一冊。

  • 今住んでいる場所についての備えだけではなく、買い物に行った先、移動中、旅行中などでも災害時にどう行動するか。地震学者の学会とかどういう感じなのか気になるわ。

  • 地震・津波の発生メカニズムのほか、各府県の被害想定や、とるべき対策まで書かれた良書。
    最新の知見を学びつつ、来たるべき日に備える必要性が理屈でもってしっかりと理解できる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/675316

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第9回図書館企画展示
    「災害を識る」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 【配架場所】 図・3F文庫新書(岩波新書 新赤版 1587) 
    【請求記号】 080||IS||NR-1587

    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/173566

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