ホッブズ――リヴァイアサンの哲学者 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 79
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315902

作品紹介・あらすじ

「万人の万人にたいする闘争」に終止符を打つために主権の確立を提唱したホッブズは、絶対君主の擁護者なのか。それとも、人間中心の政治共同体を構想した民主主義論者なのか。近代国家論の基礎を築いたにもかかわらず、ホッブズほど毀誉褒貶の激しい哲学者はいない。第一人者がその多面的な思想と生涯を描いた決定版評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 近代政治学の祖であるトマス・ホッブズの思想と生涯について、政治学の著書である『法の原理』・『市民論』・『リヴァイアサン』を中心に書かれている。哲学者を紹介したものとしては驚くほどに著者の愛に溢れているが、彼の理論の軸を「自己保存」という形で明瞭に示しており、非常に分かりやすい。また、ホッブズの影響についての詳細な記述は有用であろう。最も印象に残ったのは、近代において初めて「宗教の自由」を説いたこと、そしてそれがジョン・スチュアート・ミルによって花開いたということである。

  • ホッブスに的を絞って書かれた新書というのはあまり見かけない。で手に取った一冊。ちなみに『今こそルソーを読み直す(仲正昌樹)』と同時進行で読んだ。
    ちなみに帯の「なぜリヴァイアサンを書いたのか」は「解説」されていないようにも見える。

    まずホッブスは「自己保存」という、進化論と歩調を合わせられると思われる主張が好き、自己保存を前提としての自由が法の支配を受け入れるという(まとめすぎか)のも、社会生物学から見ても受け入れやすい内容で、ごく自然な思想に自分には思える。

    生物学や人類学と一致させるのが困難な思想(レヴィ=ストロースあたりか)と違い、現代のサイエンスにもストンとはまっていく辺りは面白かった。

  • 著者:田中浩 (1926-)

    本体800円+税
    通し番号:新赤版 1590
    刊行日:2016/02/19 9784004315902
    新書 並製 カバー 256ページ 在庫あり

    「万人の万人にたいする闘争」を終えるために絶対的な権力の確立を提唱した国王主権論者なのか.それとも,人間中心の政治共同体を構想した民主主義論者なのか.近代国家論の基礎を築いたにもかかわらず,ホッブズほど毀誉褒貶の激しい哲学者はいないだろう.第一人者がホッブズの多面的な思想をあますところなく描いた決定版評伝.
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b226375.html

  • イギリスの市民革命時代の思想家ホッブズの生い立ちから、『リヴァイアサン』が書かれた背景、後世に与えた影響などを解説。ホッブズのイメージは絶対王政を擁護した思想家というものだったのですが、本文中でもそうした誤った俗説が批判されているように、元々は国民の生命の保護を第一に考えられていたという点に少々驚きがありました。『リヴァイアサン』を読んでみたいとは思うけれど、なかなか手が出なさそうです。

  • ホッブズの社会契約説は、王党派にとっても議会派にとっても、使える考え方であると同時に危険を孕むものだった。そして実際の政治的行動では、ピューリタン革命直前には真っ先に亡命するかと思えば、その後、権力を握ったクロムウェルの軍門に降り帰国する。王党派からも議会派からもよく言われず、今でも、大物ではあるが評価の難しい人物であろう。この本で著者は、そうしたことを手際よく解説しながら、ホッブズ擁護の姿勢を崩さない。著者のホッブズへの愛を感じる一冊である。

  • 色々と思うところはあるけれども、少なくとも、スキナーの名前が一言も出てこないというのは、ホッブズ研究の蓄積を踏まえて出された「新書」として頂けない。

  • 書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記はこちらに書きました。

    http://www.rockfield.net/wordpress/?p=7235

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著者プロフィール

田中 浩
1926年生まれ。法学博士、政治学・政治思想専攻。一橋大学名誉教授。『田中浩集』全10巻(未來社)のほか、編著に『国家思想史』『日本の国家思想』(青木書店)、『近代日本のジャーナリスト』『現代世界と国民国家の将来』(御茶の水書房)、『思想学の現在と未来』『ナショナリズムとデモクラシー』『EUを考える』(未來社)ほか。共訳書にボルケナウ『封建的世界像から近代的世界像へ』(みすず書房)、ホッブズ『リヴァイアサン』(河出書房新社)、『哲学者と法学徒との対話』(岩波書店)、シュミット『政治的なものの概念』『政治神学』『大統領の独裁』『合法性と正当性』『独裁』、ミルトン『イングランド宗教改革論』『教会統治の理由』『離婚の教理と規律』『離婚の自由について』、ワトキンス『ホッブズ』、タック『トマス・ホッブズ』、フィルプ『トマス・ペイン』(未來社)ほか多数。

「2018年 『ホッブズの哲学体系』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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