原発プロパガンダ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316015

感想・レビュー・書評

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  • 広告を載せない暮しの手帖の商品テストは画期的な雑誌のあり方だったのだとあらためて思いました。原発の広報は過去に事故があった年ほど、活性化し、例外的な出来事であるかのように装ってきたことが良くわかりました。マスコミは花形の職業の印象があるものの、ひとびとの生活の中に入り込んでは、真実を見えにくくする仕事に加担していることがあると思うと、現場から離れたくなる方がいる事情も分かる気がしました。

  • メディア・リテラシーについて実際の広告がどのようになっているかを考えていく基礎資料である。

  • すさまじい宣伝攻勢があったことがあらためてわかった
    メディアに出てくる宣伝には注意をしていかなければならない

    ところどころ強い表現が見られるので、この本自体がプロパガンダみたいだった
    「これを目にした人は、日本を代表する一流企業がきら星のごとく名を連ね、原子力ムラとはすなわち日本の社会そのものだという、深い絶望感を味わうことになるだろう」という文章はさすがに小説的すぎて説得力がなくなる。
    淡々とした表現のほうが原発プロパガンダをより意識づけられたと思う


    5章が残念な感じ
    風評被害はないと言ったりリスクコミュニケーションを軽視したり。
    「風評という言葉の意味は非常に曖昧である。実際に害が発生しているからこそ、
    その周辺に噂が立つのであって、火のないところに煙は立たない。
    原発事故によって実際に放射能汚染や被害が発生してるのに、
    それらをすべて「風評被害」と呼ぶのは、真実を見て見ぬふりをするのと同じである」
    とあるが、検出限界地以下のところまでマイナスイメージがついているのは風評被害だろう。
    そういう見方のほうが「真実を見て見ぬふり」だと思うのだが。
    まあこの本の見どころは宣伝攻勢を知ることだろうし、その辺の主張は無視して読めばいいと思う。

    上杉隆を参考先にあげているという時点で著者のリテラシーの程度は知れるなと思った。

    読売新聞の表記が讀賣新聞なのが珍しいなぁと思った。
    まあこの手の人たちはやたらカッコつけた言い回しをするので特に理由はないのだろう。

  • 政府及び原子力ムラがどのようにして国民に「安全神話」を信じさせてきたのか、その実行主体と協力者、そしてその手法と事例を実名を上げて解説した本。
    メディアも営利企業なので、金には弱いってことだ。ではなぜこれほど「原発押し」なのか、それほど原発事業は儲かるのか、そこに斬り込んで欲しかった。

  • 読む前から読んだら暗くなるのがわかっている本を読むことが多く、どうしたものかと自分で思っている。
    そして、実際読んだら、想像以上にひどいことが書かれていてますます暗くなる。

    国民をなめているのか。
    特に、主婦(女性)や子供をなめているのかと思うかつて国が委託した団体の報告書(今も似たような感じかもしれない)があって、バカにするのもいい加減にせえと、とても腹立たしかった。

    震災以前の関電の原発CMに星野監督が出ておられた時、ガッカリしたのを覚えている。
    それはもう仕方がないとして、まだこれから原発推進のCMに出る人は、ちょっとなあと思う。

    こんなにも大がかりに、国、大手メディア、広告代理店に洗脳みたいなことをされ続けていて、これからもされ続け…これは原発だけの問題ではないのだけれど。
    最後、メディアの情報に接する時の留意事項が示されていて、それが救いになった。
    小さなメディアを応援し続けるのも大事だということもわかった。

    本文を読み終わって、さ、暗くなってないで、できることからやっていこうと思ったら、巻末に資料が。「日本原子力産業協会 会員名簿」。
    え、こんなたくさんの会社が会員なの?あの会社もこの会社も…
    手ごわい。相当手ごわい。負け試合⁉︎
    それでも、できることからやっていこう。
    情報を精査して、自分で考え、行動しよう。

  • 電力会社とマスコミ・広告の関係

    プロパガンダが行われていることは

    重々承知していますが、

    その内面は今まで見えてきませんでした。

    広告の内側にいた人が書いた本だけに、

    広告予算も含めた詳細な流れは

    いろいろな側面から勉強になりました。

    自分にとっては凄く良い1冊でした。

  • 原発プロパガンダ・・・は、定着しないだろうな。
    扇動広告とか新語を提示した方がインパクトがありそう。
    偏執狂的な文章もいただけないかも。

  • 原発推進の広告宣伝の裏側に関する暴露本であり、反原発・脱原発を主張する本、と考えればよいかと。
    ただ、元博報堂の社員である著者が電通を攻撃するような部分が多かったり、取り上げているデータが中途半端でご都合主義だったりして、客観性に欠けるので、あくまでも「こういう見方もある」程度で捉えるのが健全な気がします。

    一次情報が少なく、二次情報に頼っている、という意味でも、信憑性に欠ける印象です。
    取り上げる事象は同じだとしても、元電通の社員による内部告発であれば、もっと深く切りこめたのかもしれない、と思いながら読み進めました。

    広告代理店の考え方や仕事の進め方を知る上では参考になりましたが、反原発・脱原発の根拠の資料としては内容が薄い(浅くて狭い)ので、その前提で読むのがよいと思います。

  • ふむ

  • 広告費の恐るべきしくみ.東電関電の戦略は的確で恐ろしい.ニュースは心して見なければばらないと新ためて思う.

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著者プロフィール

1962年生まれ。著述家。1989年、博報堂に入社。2006年に退社するまで営業を担当。その経験をもとに、広告が政治や社会に与える影響、メディアとの癒着などについて追及。原発安全神話がいかにできあがったのかを一連の書籍で明らかにした。最近は、憲法改正の国民投票法に与える広告の影響力について調べ、発表している。著書に『原発広告』『原発広告と地方紙』(ともに亜紀書房)、『原発プロパガンダ』(岩波新書)、『メディアに操作される憲法改正国民投票』(岩波ブックレット)、『広告が憲法を殺す日』(集英社新書、共著)ほか。

「2021年 『東京五輪の大罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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