丹下健三――戦後日本の構想者 (岩波新書)

著者 : 豊川斎赫
  • 岩波書店 (2016年4月21日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316039

丹下健三――戦後日本の構想者 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2016年5月27日、現職の米国大統領として初めて、オバマ大統領が広島を訪れ、原爆資料館を見学し、慰霊碑に献花し、所感を述べ、被爆者と言葉を交わし、原爆ドームを仰ぎ見た。広島への原爆投下から71年めの、この一連の歴史的な出来事の舞台となったのが、広島平和記念公園であった。演説するオバマ大統領の背後には、常に原爆ドームが見えていた。それは偶然ではなく、公園の設計にあたって,明確な意志を持って設定された視線の軸線の力によるものであった。その軸線を設定した建築家が丹下健三である。

    本書は丹下健三の作品紹介ではない。言うなれば、丹下が時代の中で構想し、設計した「軸線」についての物語である。

    その「軸線」はバリエーションを展開しながら、旧都庁舎、香川県庁舎、代々木オリンピックプール(国立屋内総合競技場)などの公共建築に現れ、中東やシンガポールやアフリカの都市計画に現れ、東京計画1960の都市軸から東海道メガロポリスの国土軸を構成していった。日本を代表する建築家や官僚を輩出した「丹下シューレ」の門下生たちはこの軸線からの距離を測りながらそれぞれの歩を進めていくことになる。

    著者は、本書の作業を「戦後一〇〇年というスケールを導入するための準備作業(p.216)」であるという。戦後70年の今日から、これからの残り30年に、私たちはどんな構想力を発揮できるだろうか。

  • 僕が学生の頃にはすでに、丹下健三は建築作品、言説共に同級生との会話の中であったり、設計製図の講評の中で直接参照されることはなかった。
    個人的に、明治期の西洋建築の導入からはじまり現在の建築シーンに至るまでのおおまかな見取り図はもっと共有されてもいいと思う。

  • 2016年6月新着

  • 私の中の傑作は代々木体育館と東京カテドラル。圧倒的なシェルの存在感に驚いたのを覚えています。
    この本でのは様々な門下生がいたというのを知ったことが収穫でした。

  • 戦後100年を見据えて70年目の今、丹下健三の業績を読み解き、今後30年の建築・都市・国土を構想する糧にしようという壮大なビジョンを提起するのが本書。
    である故に敢えて戦前のキャリアについては言及せず、丹下健三の戦後の実績を分析し、後半では丹下チルドレン(本書では「丹下学派」として《丹下シューレ》と呼んでいる)の実績を読み解く新書としては充実の1冊。
    バブル期の海外の仕事とバブル最後期にあたる東京都庁新庁舎設計、そしてその頃はそれぞれ一人立ちしていた丹下シューレの仕事を概観できて大変興味深かった。

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