風土記の世界 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 120
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316046

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて、最近読んだ「精霊の守り人」を思い出した。
    征服者が作る歴史。
    その幕の後ろにちらりと見える違った景色を丹念に解いていく道筋に感嘆した。
    飄々とした文章もいい。

    (余談)
    これは夫の蔵書で、「三浦しをんさんのお父さんの本だよ!面白いよ!」と勧められ、じゃあ貸して、と言ったものの夫の本棚から抜き出さないまま数ヶ月。
    読みたくなかったわけでは決してなく、急ぎで読む本が山積みだったからなのだけど、別の本を夫が買って来て、面白そうだからそのうち読みたいと言ったところ、「貸します。これも一緒に」とセットで今作も私の手元に(同じ家の中でも夫の本棚にあれば借りていなくて、私の手元にあったら借りている、だから早く読まねばという気持ちになる)。
    どうしても読んで欲しかったらしい…お待たせしました!面白かったよありがとう!

  • この当時から、中央と地方にはある種の明確な差があったのかと思うと面白い。

    記紀の間でヤマトタケルについて比べている本はいくつかあったけど、そういえば、風土記にもかの英雄は出ているのだと思わされた。

  • 公式史と異なるが続日本記に出てくる朝廷からの指示で編纂された書物から日本社会の実態を探る。常陸国風土記に出てくる「倭(ヤマト)武(タケル)天皇」は平安のうちに国を巡り歩いた!神功皇后も天皇として登場する。記紀との大きな違い。記紀と併せ、今まで知ることの少なかった8世紀初めの日本の姿を知る貴重な史料で、日本の古代の知らない姿が浮き彫りになる。常陸・出雲・播磨・豊後・肥前の5風土記の特徴も分りやすい。古事記と出雲風土記にあり、書紀にはあまり登場しない出雲神話の謎。カミムスミがちょっと間抜けな大男として出てくる播磨風土記。浦島伝説は500年頃から800年頃へ跳んだ浦島子!として書紀に登場するらしいが、風土記への記載がないのは残念!失われた他の風土記が惜しい!

  • いつもの三浦節。読みやすく分かりやすい。

    ただ、口語訳古事記が衝撃的だったので、読後の驚きはそれにはかなわない。勿論、新書という制約はあるのだろうけど。

    風土記が一部しか残ってないのは悲しい。多くは、完成せず、中央に報告されてないという事は考えられないのだろうか。全くの素人考えではあるのだが。

    ともかく、残されたものの全文を読んでないのでぜひ読みたい。

    やはり、日本書紀より古事記や万葉、風土記に親しみを感じてしまう。

  • <目次>
    はじめに
    第1章  歴史書としての風土記
    第2章  現存風土記を概観する
    第3章  常陸国風土記~もう一つの歴史と伝承の宝庫
    第4章  出雲国風土記~神の国ともう一つの文化圏
    第5章  語り継がれる伝承~播磨国風土記と豊後国・肥前
         国風土記
    まとめにかえて

    <内容>
    勉強不足だったが、当初の朝廷の目論見が『日本書紀』が『日本書』「紀」だったとは。そして『風土記』は『日本書』「志」にあたるとは…。確かに中国の歴史書を踏まえて作ったいるなら、それで該当することになる。そしてその目論見は何らかの理由でうまくいかず、『風土記』は独立した地誌となった。
    また「出雲国風土記」の性格についての考察も面白かった(やや難しかったが…)。撰録者が出雲国造(何となく知っていたが)なのだが、もう国司の時代に出雲だけが「国造」が残っていて、しかもそれは元意宇(おう)氏だった。出雲の東側を支配し、神栖神社を祀ってきた。出雲西側の神門氏は朝廷に抑えられ、意宇氏が出雲を支配し、「出雲臣」となった(出雲国造)。その流れで考えると、「出雲国風土記」が純粋な「国つ神」の神話というよりも、朝廷におもねった「出雲氏(意宇氏)」の取捨選択によるものだという指摘が斬新だった。

  • 2016年6月新着

  • 日本書紀、古事記と並ぶ古代の歴史書、風土記。
    その歴史書としての位置づけや、成立が述べられたあと各地の概略へと進んでいきますが、記紀の記述との比較など読み応えあります。
    入門書には違いないのですが、内容は濃いです。

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