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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784004316268
感想・レビュー・書評
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読書と名付けられた営みの変遷について、土岐は平安時代「源氏物語」「更級日記」といったあたりからさかのぼり、現代そして未来にいたるまでを述べた一冊。
ここまで日本人による読書の方法論と日本の読書の歴史について、詳しく述べられた本はないのではないかと思う。
はじめに、平安時代あたりの読書の方法として実際に読み上げながら文字を追い、意味の解釈を加えないという、いわゆる素読と呼ばれる方法による読書が主流であったことを知った。そこから、明治維新などにより時代は近代に向かうことで、教養的読書として、人々は本を読むようになる。そこから、部屋で一人本を読むというスタイルが確立されたという。しかし、このスタイルは明治以前から行われていたとされるが、自分一人の居室という概念がまだない住居形態ゆえに、このスタイルはまだ定着されていなかったとされる。
これら、平安から明治にかけての日本人が考える読書という営みやその方法論は非常に興味深いものだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本人の読書史について書かれた一冊。「本は黙って1人で読む。大抵自分の部屋で」という読書スタイルのスタンダードの形成や、20世紀の読書の黄金時代を迎える過程の説明が面白かった。
「読書を読むことはいいこと」という考えが社会全体に広まる上では、単なる価値観の浸透に留まらない、大量生産・全国流通・大量消費の資本主義の発展が密接に関わっていたという論は興味深かった。それに加えて、大正的教養主義の思想や、大衆雑誌・円本・文庫の発明が大きな役割を果たしたと理解出来た。
また、本は商品としての顔と知的資産の顔を両有しており、知的資産の保護の役割を図書館が担ってきたという事実を、重く捉えておく必要があると感じた。1950年の図書館法により、国民が皆知的資産にアクセス出来るという有り難みを、今一度噛み締めたいと思う。 -
昨年(2024年)読んだ中で、この本が一番面白かった。なぜなら、最近私が色々と考えたり悩んでいたあれやこれやの答えが全てこの本に書かれていたからで、「なるほど!そうなのか!!」と読むほどにどんどんスッキリしていったから。今の自分にあまりにもしっくりくる内容だったので、大げさではなく読みながら震えがきた。
『読書と日本人』というタイトルどおり、日本人の読書の歴史についての本。なので『源氏物語』を読む菅原孝標女の『更級日記』の話から始まり、蔦屋重三郎も出てくる。つまり大河ドラマ『光る君へ』から『べらぼう』への橋渡しになる副読本としても読めるのでお薦めです。
津野海太郎さんはつい先日『生きるための読書』という本を出したが、本書を手に取ったこととは何ら関係がなくてたまたま。
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津野さんがこの本を書いたのは、まとまった形での「日本人の読書通史」の本がなかったからだそう。各時代について研究してる方々はいるので、それらの文献を参照しつつ、大変わかりやすくまとめてある。
「読書」について語るためには、当然「本」について語らなければならない。しかし、「本」と「読書」つまり「情報が書かれたメディア」と「それを読む人のこと」はまた異なる。この本は後者の歴史について。さらに、
・文字(漢字なのか仮名なのか)
・書物の形態
・活字
・出版
・音読か黙読か
・作者および読者の階級(どの層か)
・読書をする環境(書斎や灯りについて)
・本を読む姿勢(リラックスした姿勢か胡座か正座か)
・どういう本が読まれていたか
・識字率と教育
・教養について
・震災と戦争での焼失
・雑誌、円本(文学全集)、文庫
・新書、週刊誌
・図書館について
・読書離れ
・電子書籍
……等々、付随する事柄について語られている。過去の日本人が、どのような読書をしていたのか?近年「教養ブーム」や「ファスト教養」などと言われるが、そもそも教養とは?いま我々がイメージする「読書」のスタイルになったのはいつからか?
という、多くの人が疑問に思うこと、そして昨年から私があれこれ考えたり調べたりしていたことの答えが、ほとんど全てこれに書いてある!
加えて、筆者の力量について。膨大な文献を参照して編集する、津野さんは編集者なのでその技術が活かされていると思う。だから話として読みやすいし、雑誌のように雑多で色んな知識が盛り込まれている。
いつも言うけど、私は他人に本をあまりお薦めしたくない。大きい理由として「どうせ薦めたって人は読まない」から。趣味や性格をよく知っている友人、あるいは対話(カウンセリング)するなりして、その人に合っている本なら良いけれど、それは「読みたい」という本人の意思があってこそ。趣味をよく知らない人に無闇に薦めることほど無意味なものはない。
しかしこの本は、司馬遼太郎の『アメリカ素描』と並んで、自分の心の中の「お薦め本コーナー」に殿堂入りしました。
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(以下、この本を読むに至るまでの流れについての個人的なメモの断片。下書きがあまりにも長い日記スタイルになってしまったので、後に回した。私にとっては重要だけれど、読む必要はあまりない。)
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「読書離れ」について具体的に考え始めたのは、たぶん今は無きmammo.tvというサイトに掲載されていた大槻ケンヂのインタビューを読んでからだと思う。「90年代は読書なんて誰もしなくなってた」という証言から、自分に照らし合わせてみると実際にそうだと思い、ひっかかりを長年抱えていた。
津野海太郎さんを知ったのはわりと最近。switchインタビューでの鈴木敏夫との対談でなので、2020年の11月。いつも通り作務衣を着た胡散臭いオッサンの言う事を聞いてみてやろうと思ったら、相手として80代のオジイチャンが出てきた。そして、本の発行点数の推移をデータでもって語っていた。この事に、ショックを受けた……というより、ピークが90年代末だったので興味深かったし、納得した。
そしてこのオジイチャンは編集者であり、岸田森や樹木希林や草野大悟らと劇団をやっていたそうだ。それが津野海太郎さんだった。
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昨年、池波正太郎の『映画を見ると得をする』を読んで、映画ファンの「作法」や、茶道や華道などと同じく「映画道」の本だと思った。これをオタクに置き換えると、やはりそういう「オタク道」のようなものがかつてはあったはずなんだけど、20年ぐらい前から崩れたように感じている。
脱線するが、大木毅さんは文藝春秋の寄稿のタイトルを『池波正太郎の掟』としている。「道」ではなく「掟」。元ネタはたぶん『殺しの掟』等だと思うが、素晴らしいセンス!
この「作法」「道」「掟」は、どうやら「教養」という言葉に置き換え可能ではないか。という事に、だいぶ時間が経つまで気づかなかった。
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別件でシェイクスピアの『テンペスト』の話になり、橋本治の『浮上せよと活字は言う』について調べていた。90年代に、出版や「活字離れ」について書かれた本のようだ。
さらに調べものを進めると、津野海太郎さんの書籍化もされているWeb連載『最後の読書』、第26回『高級な読者と低級な読者』に辿りつく。アルベールチボーデについて書かれているが、私がチボーデの名前を知ったのは開高健の本から。三島由紀夫の『文章読本』にも引用されているそうだから、そちらで知った方も多いのではないかと思う。
本書を読んだ直接的な理由が、この『最後の読書』の連載。
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ブクログにて『ファスト教養』などの本から、「教養ブーム」なんぞになっていることを知る。レビューを色々読んだが、その是非を語る前に「教養とは何か」を考えたり、その歴史を知ることがまずは必要なのではないか?と思う。
あたりまえの事かもしれないが、読書と教養は直結する(体感として、少なくとも90年代までは)。津野さんは『最後の読書』で教養主義のルーツをさらに掘り下げている。
本書を読んで、大正からの教養主義が崩壊したのは、90年代までの「読書離れ」と関連していると思った。「崩壊しつつある」ではない。「崩壊した」、そして「意味するところが変わった」。それが今の教養ブームやファスト教養、某自称書評家の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』のヒットに繋がっていると思う。
推測だけれど、「教養」は時代によって定義や範疇が変わると思う。かつての教養主義と、今の教養ブームの中身は、読まれている本の方向性や内容も異なっている。
20世紀の教養と、21世紀になってからの教養。意味する内容が違うものについて、同じ「教養」という言葉で議論しても、噛み合わないのは当然だと思う。
私の体感だと教養ブームは、民放での2000年代中盤のお笑いネタ見せ番組がなくなり、クイズ番組や教養バラエティが増えたあたりからじゃないか?と思う。
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というわけでいつも以上に「なぜこの本を読んだか」「どういう流れで読んだか」が長文になったが、基本的には「読書離れ」と「教養」について知りたかった。そしてこの本は、日本人の「読書の歴史」を通して、その関係を教えてくれた。 -
津野海太郎の力作
日本に読書史がないはまさにその通りで、活字離れを調べていると科学的または歴史的な文献が少ないことがよくわかると思います。この本に出会うまで日本人がなぜ識字率の高い民族として成り立ってきたのか、そもそも日本人で本が読まれたのっていつからといった起源に関することまでわからない人が多いのが現実だと思います。
それらを文献を辿り調べるにあたり、たとえエッセイであったとしても、形にするのにどれだけの時間がかかっただろうかと考えると途轍もない力作であっただろうと感じます。
これを書いた作者、津野海太郎にはただただ感謝します。
ぜひ時間をかけて読んでいただきたいです。 -
リアル『本好きの下剋上』。
日本の読書の歴史に迫る本。音読か黙読か、“学者読み”か“小説読み”か。木版か活版か。そして、大量生産されるようになった本。電子書籍の登場。面白かったです。 -
前半は日本の読書史が書いてあり、本に対する読者や出版業界の成長の過程が良く分かった。しかし少し難しかったのでなかなか読み進められなかった。後半は現在の事になり、固い本や柔らかい本の地位の逆転や電子書籍との今後についての考察。為になったと思う。
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本の中で、
「かたい本」と「やわらかい本」という表現があります。
人によっては、「かたい本」を虚栄心から背伸びして読む内に読み込む様になり、結果、教養が身につくようになると。
exドストエフスキー、パスカル
対して、「やわらかい本」はエンタメ要素が強いという捉え方なのかなと解釈しました。
僕にとっては、マンガも大衆小説も大好きなメディアではあるので、無理なく好きなものを手に取る様にしていますが、
たまには、「かたい本」にも挑戦してみようかなと思いました。
日本人と読書についての平安時代からの歴史、変遷を辿る事が出来、とても楽しめました。 -
「出版と権力」を読んだ後、同じ本を読んだ友人から「なぜ、いま若い人は本を読まないのだろう?」という、おっさん臭い質問をされ、若い人=本を読まない、って決めつけについて異議申し立てをして、お互い主観的な噛み合ないディベートになったのですが、そういえば、NHK Eテレのswitchインタビュー、鈴木敏夫×津野海太郎の回で紹介されていた本書、積読のままだったな、と思い出して開いたら、まさにジャストミートでした。「出版と権力」も講談社110年の歴史で出版という産業を語る大きなモノサシでしたが、この本は九世紀の初めの菅原道真の「書斎記」、そして13歳の少女が「源氏物語」を読みふける様を記した十一世紀の「更級日記」、ふたつの始まりから〈読書〉という行為を巡る物語でスケールが大きい。そのなかでも二十世紀が〈読書の黄金時代〉という特殊な時代なんだ、という主張が、とても腑に落ちます。「だれであれ本を読むということは基本的にいいことなのだ」という常識、これって長い間かかって育まれたものであり、それが今後、常識じゃなくなっていく…早速、友人に、読むように伝えました。長い歴史、各方面からの視点、ざっくばらんな文体、まるで津野さんが隣で話してくれているような新書でした。
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平安時代から現代にかけての、日本の読書史。菅原道真と菅原孝標女との読書風景の対比が描かれた第1章から、引き込まれた。出版業界の構造不況が言われて久しいが、そもそも不況前の「読書の黄金時代」が、読書史全体の中でいかに特異な時期であったかがよくわかる。本のこれからを考える手がかりとなる1冊。
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はじめに
本書では、日本における「読書の黄金時代」の概念とその背景、発展を探ります。この時代は、特に平安時代から江戸時代にかけて、読書文化が盛んになり、様々な要因が影響を与えました。
読書文化の発展
平安時代の影響
平安時代には、平仮名の普及が進み、特に宮廷の女性たちが「源氏物語」を最初の読者として楽しむようになりました。このことが後の読書文化に大きな影響を与え、古典作品が広まるきっかけとなりました。
室町時代
室町時代には、実隆や宗祇などの文化的な人物が現れ、彼らは写本の執筆や詩の制作に熱心であり、読書文化の受け皿となりました。この時代は、武士階級や一般市民にも読書が広がり、古典化運動が進展しました。
新しい読み方のスタイル
音読から黙読への転換
この時期、音読から黙読へのシフトが見られ、特に「源氏物語」をはじめとする新しい物語が個人的かつ主観的に楽しむための読まれ方を促進しました。この変化は、読書行為における個人の自由や自発性を強調するものでした。
読書の多様化
さらに、江戸時代には寺子屋教育の普及により、庶民までが読み書きの能力を身につけ、読み手の層が大きく広がりました。これにより、さまざまなジャンルの本が生まれ、読書のスタイルも多様化しました。
読書環境の変化
出版の発展
出版の発展には、活版印刷の導入や書店の増加が寄与し、手軽に本を入手できる環境が整いました。特に、貸本屋の存在は、一般市民の間での読書促進に大きな役割を果たしました。
戦後の復興と出版革命
戦後、日本の出版産業は急速に復興し、さまざまな雑誌や書籍が出版されるようになりました。この時期、読者層の拡大とともに、文学や思想に対する関心が高まり、読書文化が再び活性化しました。
まとめ
「読書の黄金時代」は、日本の文化的背景に深く根ざした時代であり、さまざまな社会的要因が相互に作用しながら発展してきました。この時代の読書文化は、現代においても影響を与え続けており、その重要性を再認識する必要があります。 -
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本を読むのは好きだけど〈やわらかい本〉しか読んだことないな。そしてわたしもまた多読派。
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TK7a
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