読書と日本人 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316268

感想・レビュー・書評

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  • 前半は日本の読書史が書いてあり、本に対する読者や出版業界の成長の過程が良く分かった。しかし少し難しかったのでなかなか読み進められなかった。後半は現在の事になり、固い本や柔らかい本の地位の逆転や電子書籍との今後についての考察。為になったと思う。

  • リアル『本好きの下剋上』。
    日本の読書の歴史に迫る本。音読か黙読か、“学者読み”か“小説読み”か。木版か活版か。そして、大量生産されるようになった本。電子書籍の登場。面白かったです。

  • 読書の方法として、小説読み と 学者読み のふたつの読み方がそれぞれどのように発展してきたのか。
    また、本の種類として、固い本 と 柔らかい本のふたつに分けて主に20世紀以降どのようにしてそれぞれの本が扱われてきたのか。
    日本の歴史に沿って日本人と読書の関係性に迫る本。

    筆者の謙虚な姿勢もあってか、読み進めやすい一冊でした。

    それにしても、二宮尊徳は街灯もない山道でどうやって本を読んでいたのか…。

  • 「出版と権力」を読んだ後、同じ本を読んだ友人から「なぜ、いま若い人は本を読まないのだろう?」という、おっさん臭い質問をされ、若い人=本を読まない、って決めつけについて異議申し立てをして、お互い主観的な噛み合ないディベートになったのですが、そういえば、NHK Eテレのswitchインタビュー、鈴木敏夫×津野海太郎の回で紹介されていた本書、積読のままだったな、と思い出して開いたら、まさにジャストミートでした。「出版と権力」も講談社110年の歴史で出版という産業を語る大きなモノサシでしたが、この本は九世紀の初めの菅原道真の「書斎記」、そして13歳の少女が「源氏物語」を読みふける様を記した十一世紀の「更級日記」、ふたつの始まりから〈読書〉という行為を巡る物語でスケールが大きい。そのなかでも二十世紀が〈読書の黄金時代〉という特殊な時代なんだ、という主張が、とても腑に落ちます。「だれであれ本を読むということは基本的にいいことなのだ」という常識、これって長い間かかって育まれたものであり、それが今後、常識じゃなくなっていく…早速、友人に、読むように伝えました。長い歴史、各方面からの視点、ざっくばらんな文体、まるで津野さんが隣で話してくれているような新書でした。

  • 平安時代から現代にかけての、日本の読書史。菅原道真と菅原孝標女との読書風景の対比が描かれた第1章から、引き込まれた。出版業界の構造不況が言われて久しいが、そもそも不況前の「読書の黄金時代」が、読書史全体の中でいかに特異な時期であったかがよくわかる。本のこれからを考える手がかりとなる1冊。

  • 2023年3月14日 夫からのプレゼント。

  • 文書が読みにくくて耐えられず途中で返した。買わずに図書館で借りて良かった。
    ・ですます調とである調が混在。イライラする。
    ・主観と客観が混在。読みにくい。

    校正する人は何を見ていたのか。こんな文章のまま世に出してはダメだろう。

  • 読書の日本人歴史から、読書の黄金時代、二十世紀、紙のデジタルの二本立ての時代の存続を語る。公共図書館の存続、有料化論等興味深い。

  • 海太郎さん84歳。60代は闇雲で、70代は若いし迷いもある、80代になってやっと楽になる!荘子も死は憩いと言ってる。
     海太郎さん何も怖くないとな。読書の未来もそうなんだ!

  • 本には実はふたつの顔がある。
    一つは商品としての顔、そしてもうひとつが公共的な文化資産としての顔
    p163

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著者プロフィール

1938年、福岡県生まれ。評論家・元編集者。早稲田大学文学部を卒業後、演劇と出版の両分野で活動。劇団「黒テント」演出、晶文社取締役、『季刊・本とコンピュータ』総合編集長、和光大学教授・図書館長などを歴任する。植草甚一やリチャード・ブローティガンらの著作の刊行、雑誌『ワンダーランド』やミニコミ『水牛』『水牛通信』への参加、本とコンピュータ文化の関係性の模索など、編集者として多くの功績を残す。2003年『滑稽な巨人 坪内逍遙の夢』で新田次郎文学賞、09年『ジェローム・ロビンスが死んだ』で芸術選奨文部科学大臣賞、20年『最後の読書』で読売文学賞を受賞。他の著書に、『したくないことはしない 植草甚一の青春』『花森安治伝 日本の暮しをかえた男』、『百歳までの読書術』、『読書と日本人』など。

「2022年 『編集の提案』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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