夏目漱石 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 71
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316312

感想・レビュー・書評

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  • 全く読まなかった。

  •  コンパクトで要領を得た、文学者の評伝のお手本のような一冊。主に漱石夏目金之助が生きた時間を主筋にしながら、『吾輩は猫である』以降の小説の展開をあとづけていく。その二つを縒り合わせるのが、結婚以来どうにも反りの合わなかった妻=鏡子を漱石が〈見直していく〉こころのありようだった、というのが興味深い。

     漱石自身の生きた時間について、知っているようで知らないことも結構あって(不勉強このうえない‥)、勉強になった。また、対極的な二項を立てながら決していずれか一方に偏ることなく、その二つの間で揺れ動く意識と身体を見つめようとする傾向――ウィリアム・ジェイムズ的な心理学?――が初期作品から一貫していることを確認できたことも収穫だった。
     現在入手可能な漱石入門書のうちでも、とてもバランスの取れた内容で、学生にも薦められる。ここからいろいろ考え始めることもできそうだ。やはり新書は、こういうメディアでなければならないとも思う。

  • 230ページ「皇室は神の集合にあらず。近づき易く親しみ易くして我等の同情に訴へて敬愛の念を得らるべし。夫(それ)が一番堅固なる方法也。夫が一番長持のする方法也。政府及び宮内官吏の遣口もち当を失すれば皇室は愈重かるべし而して同時に愈臣民のハートより離れ去るべし」
    日記からの引用とのこと。夏目漱石の皇室観はこれまで顧みたことはなかったが、慧眼だと思うし現代的な感覚からしてみても違和感が全くない。ただ鎮座ましましていれば良いわけではなく、国民に親しまれてこその皇室であるという皇室観を補強するのにとても心強く感じた。

  • 漱石の作品は結構読んだけど、漱石自身については詳しく読んだ記憶がないので読んでみた。漱石の一生を時系列で並べ、作品とともに解説した本。ただ、作品解説も詳しいため、作品解説なのか漱石の評伝なのかイマイチはっきりしない。漱石についてわかるけど、なんだかスッキリしない一冊。

  • 本書は、夏目漱石の生涯を描く評伝。

    漱石の出生から亡くなるまでの生涯を時系列に追う。時系列であるがゆえに、漱石個人の生涯の歩みと、そのときどきの漱石の文学作品の解説が織り交ぜられながら語られる。

    ただ、漱石作品の解説の部分が細かすぎるのが気になった。夏目漱石の評伝を描く上で、個々の文学作品の解説を切り離すことはできないのだろうが、微に入り細に入りすぎた印象。

  • 小説家を書き始めるまでの来歴、書き始めて以降は作品を中心にした記述になる。漱石ほどの評伝になると新書の頁数ではやや物足りなく、小説の粗筋をずらずら書くのは未読者にも不親切。あとがきにあるように妻鏡子との関係にスポットを当てている点が特徴で、ドラマで興味を持った人には丁度良いかもしれない。

  • 2016/12/1

  • ■新赤版 1631
    ■体裁=新書判・並製・カバー・256頁
    ■定価(本体 840円 + 税)
    ■2016年11月18日
    ■ISBN 978-4-00-431631-2  C-0295

     結局のところ,人間とはわからないものである.しかし,それでもなお,人間とはわかるものである──.漱石の作品はわれわれにそう語りかけているのかも知れない.暗い孤独と深い明暗を心にかかえ,小説という仮構を通して人間なるものを追究する.作家・夏目漱石(慶応三年─大正五年)の生涯をえがく評伝.
    http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-431631

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