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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784004316961
感想・レビュー・書評
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ミダス王の呪いという金銭欲に警笛を鳴らす逸話がある。マネーゲームや内部留保を指摘しているのだろう。
人の性【アニマルスピリッツ】を動力源にした資本主義であれば現代人の疲弊の源泉かもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章 価値形態論―形而上学とその批判
第2章 貨幣と資本―均質空間と剰余の発生
第3章 生産と流通―時間の変容と空間の再編
第4章 市場と均衡―近代科学とその批判
第5章 利子と信用―時間のフェティシズム
終章 交換と贈与―コミューン主義のゆくえ
著者:熊野純彦(1958-、神奈川県、哲学) -
マルクス経済学の理解に関して、興味深い補助線の引き方だと思う。
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さらりと飲みこんでしまう記述に丁寧に疑いの目を向ける姿勢には確かに哲学と題する本だと思わされる、ただ要になっている時間の話というか視点は、その議論によってなにがもたらされるのだろうということがよくわからなかった
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マルクスの「資本論」が難解で読みにくく、主張が揺らいでいるように思われるのは、マルクスが、今までに存在していなかった新しい哲学、まったく新しい認識論を、第三者にも分かるように論述するのに苦闘していたからなのだ、と著者は主張する。
マルクスの主張が、批判の対象である形而上学のように見え、これまた批判の対象である労働価値説を採用しているかのように見えるのは、新しく認識をストレートに述べても誰もがわからないとだろうという老婆心からなのだ、という認識だ。
それをマルクス批判の対象とする批評家の何と多いことか。
それをマルクス批判の材料にするのはアンフェアーなのだ。
そんな的外れな批判は、全くマルクスを理解していないことを示しているに過ぎないことが本書で良く分かる。
そうした百家争鳴を鎮めるためにはマルクスの原文まで遡って、エンゲルスの意見部分を取り除く作業が必須と考え、それを実際に実践して、世界の学会に衝撃を与えたのが廣松渉だった。
彼はそこから浮かび上がってきたマルクスの思想を<疎外論から物象化論へ>の移行があると認定し、その理論化に邁進した。
その成果が「世界の共同主観的存在構造」と「事的世界観への前哨」だった。
その廣松の教え子だった熊野純彦は、廣松の思想を受け継ぎ、マルクス「資本論」の論点を整理して、本書によって簡便に提示してくれた。
「資本論」が新たな思想を生み出そうともがいていたため、難解で揺らいでいるかに見える論述を、丁寧に且つ繊細に辿って、マルクスが本来表現したかったことを探っていく。
だからまだろっこしい。
しかし、その繊細なアプローチを抜きにしては「資本論」は理解できないのだ。
それにしても熊野の文章自体が明確さを欠くのには参った。
繊細さを維持しながら、明確な記述は可能な筈だ。
それができていないのがこの本の唯一の欠点と言える。
この本は読むというよりも「写経」して、読み進めた。(一字一句書き写した)
マルクスの記述を書くこと、熊野の重要ポイントを書くことで、微妙な論点を微妙なまま理解することがようやく出来た。
だから、熊野の文章の頭と結びがチグハグなのもよく分かったのだ。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/702380 -
マルクスの『資本論』における議論を、著者自身の解釈もまじえながら解説している本です。
単なる『資本論』の概説書ではなく、たとえば価値形態論に差異と反復をめぐる形而上学批判というテーマが伏在していることに注目したり、資本の運動の諸相を時間と空間の再編過程としてとらえるなど、著者自身の関心が積極的に押し出されています。また、労働価値説と生産価格論のあいだに齟齬があることを指摘したベーム=バヴェルクの批判を念頭に置きつつ、平均利潤がどのようにして実現されるのかという問題にある程度立ち入った考察をくわえ、このことが価値から価格への転形問題へとつながっていることを示唆するなど、『資本論』についてすでに学んだことのある読者にとってもおもしろく読める内容になっていると思います。
ただ、とくに時間の編成をめぐる著者の哲学的な考察が、上述の問題に対してどのような新しい視点を提出しているのか、あまり明瞭に理解することができませんでした。大著『マルクスー資本論の思考』(せりか書房)を読んだときにも同様に感じていたのですが、よりやさしく書かれている本書を読んでも、やはりこの点についてすっきりした見通しを得ることができませんでした。 -
前半までは理解できた。けど後半から経済学原論の要素が強くなってきて、理解するのに苦労した。
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初めての岩波新書。マルクスの思考を追いつつ、資本制の解説をしている。正直に言うと難しい内容だった。それでも所々理解できる部分はあった。経済についての予備知識が必要かもしれない。
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面白くなくて、途中で放棄。
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価値から価格への転化の過程で実際におこっているのは分析者の立場から当事者への立場への転換,というところが印象に残っている。
自分自身,十分に理解できていないので,時間があれば再読したい。 -
まえがきは読めた。あとがきにかえても読めた。第1章も何となく読めた。WからGへの命がけの跳躍くらいまでは読めていたと思う。けれど、どこからか字面を追うだけになっていた。そして、途中、いまだに原発が稼働していることに対する批判を読んだ。あとがきに書かれていた。アクチュアルなことに関しては「断ち物」としてきたと。気持ちはわかるが、そんなことを言っている場合ではないと思った(失礼)。まえがきにある。マルクスの主著が忘れられてしまうことは残念なことであると。古典的な遺産であると。だからこそ、何が書かれているのかを知りたかった。まあ、通勤途中に気楽に読める類のものではないということなのか。私の読解力の問題なのか。ところで、pとかmとかvとかcとか、公式の中に文字が出てくるのを見ていると、相対論のテキストを見ているような感覚になる。√はないけれど。もちろん、相対論もほとんど理解していないのだけれど。
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東2法経図・開架 B1/4-3/1696/K
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マルクス生誕200年とのことで、昔からちゃんと読みたいなーと思って一方原書は読解できる自信がなくてこちらに。まだ読み始めですが、商品の持つ価値とは何か、貨幣が表すものは何かという、今まで考えたことなかったことが丁寧に書かれててなるほどなーと。ただし頭には入りにくい。がんばる。
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331.6||Ku
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