イスラーム主義――もう一つの近代を構想する (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316985

感想・レビュー・書評

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  • 20190527-0618 バランスよく解説された良書。2010年の「アラブの春」をきっかけに。長い封印から解き放たれた政治と宗教の関係、という古くて新しい問いに、イスラム諸国(主に中東・北アフリカか)は向き合っている。その問いに対する答えの一つが、イスラームの教えを政治に反映させるという「イスラーム主義」だった。と筆者は説く。オスマン帝国崩壊後、「あるべき秩序」の模索が今も続く中東で、イスラム主義が果たしてきた役割について、社会科学・人文科学双方のアプローチから、わかりやすく解説している。「イスラーム主義」について、前近代的なものと切り捨てるのではなく現代思想の一つとして読み解いていきたいな、と思った。

  • 【「もう1つ」の解答と見なされて】近代に入り中東世界が揺さぶられる中で芽吹き,政治にイスラームを反映させることを試みてきたイスラーム主義。この考え方を様々な形を取るものとして捉え,その変遷をたどった作品です。著者は,比較政治学についての共著作品も手がけている末近浩太。

    著者自身も記していますが,イスラームまたは中東政治についての日本語の書籍が数多くある一方,イスラーム主義については手に取ることができる作品の数が限られていたため,その入門として非常に魅力的な一冊でした。聞き知った歴史や出来事も,イスラーム主義の窓を通して見ると,また異なった意味合いが浮かび上がることが再確認できるかと。

    〜中東の民主化,あるいはイスラームと民主主義の関係をめぐる「最適解」は最初から決まっているわけではなく,そこで暮らす人びとが主体となって時間と労力をかけて見つけていく必要がある。〜

    抵抗感なく読める分量も魅力的☆5つ

  • 日経新聞20180303掲載

著者プロフィール

立命館大学教授

「2016年 『比較政治学の考え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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