ガンディー 平和を紡ぐ人 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 67
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316992

作品紹介・あらすじ

My life is my message.非暴力不服従により社会を民衆の側から変革しようとした、ガンディーの生き方は、いまも汲めど尽きせぬ恵みをもたらす。恐怖と不信に屈すれば真理を見失う。人々の真の自由と独立は、平和を紡ぐ手紡ぎ車から生まれる。「マハートマ」(偉大なる魂)と呼ばれた人の生涯を語る、熱き評伝。

感想・レビュー・書評

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  •  マハトマ・ガンディーの評伝である。ガンディーについての本は、世界中で3000点くらい出ているそうだし、日本語の本も当然多い。
     が、その中にあって、本書は「現時点でガンディーを知るために、日本人が一冊目に読むべき本」になっている。

     私には(子供向けの本ではあるが)ガンディーについての著書もあるので、彼についての文献はそれなりの数を読んでいる。それらの中でも、本書はまぎれもない一級品だ。

     生い立ちから死までを時系列でたどり、没後の世界に与えた影響についても解説するという、評伝としてオーソドックスな構成。新書というコンパクトな器ゆえの制限もあるなか、ガンディーについて我々が知っておくべきことが、手際よく網羅されている。

     書物の性質上、読者を驚かすような衝撃の新事実が多数盛り込まれているわけではない。ガンディーにある程度くわしい人なら、旧知の事実がほとんどの内容だろう。

     それでも、著者ならではの卓見にハッとさせられる部分が2つあった。
     1つは、ガンディーがその晩年に、裸になって孫娘たちと添い寝していたという「奇行」エピソードに、独自の解釈を加えた部分。

     その「添い寝」のエピソードは、ガンディーを聖者として描きたい伝記作者は触れずに済ませ、一部の論者は性的スキャンダルとして扱った。
     著者の視点は、そのどちらでもない。ジェンダー研究者として、女性に対する性暴力に深く向き合ってきた経験をふまえ、著者ならではの解釈を披露している。それを読んで私は、これまでどう受け止めてよいかわからなかったガンディーの「奇行」の謎が、初めて解けた気持ちになった。

     もう1つハッとしたのは、ガンディー暗殺についての考察。
     通常、ガンディー暗殺犯ゴードセイについては、狂信的なヒンドゥー原理主義者としてあっさり触れられるのみで、彼の心の動きにまっとうな検討が加えられることはなかった。
     それに対して、著者は資料をふまえ、ゴードセイの内面にまで分け入っている。彼を単純な「悪役」にはしていないのだ。そのうえで、ガンディー暗殺事件に新たな光を当ててみせる。

     それは、ガンディーの中にも苛烈な「殉死」の思想があり、ゴードセイらが依拠したテロリズムの中にある「殉死」の思想と、じつはそれほど遠くなかったのではないか、という視点である。
     ガンディーの伝記などを読んで感じる、「晩年のガンディーは、暗殺されることを待ち望んでいたかのようだ」という違和感とモヤモヤに、著者は1つの答えを提示し、スッキリとさせてくれる。

     以上2点の独自の解釈だけでも、本書にはガンディーの評伝として高い価値がある。

     なお、「本書には衝撃の新事実はほとんどない」と書いたが、一つだけ、私が本書で知って衝撃を受けたことがある。
     それは、ガンディーの不肖の長男・ハリラール(放蕩生活の果てに行き倒れで死んだ。その生涯は『Gandhi My Father』という映画にもなっている)が、実娘のマヌー(最晩年のガンディーにつねに寄り添った孫娘)を8歳のころからレイプしていたという事実である。
     マヌーという女性は、なんと数奇な運命を歩んだのだろうか。

  • 3月3日 平和の日

  •  正直、ガンディーが何をした人なのかしらない。インドの歴史や、差別についても殆ど知らない。彼が何をしたどんな人かわかればいいと思う。

     モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー1869年10月2日生をうける。16歳の時に父が亡くなり喪失のを味わう。叔父の勧めでイギリス仕込みの弁護士の道を選んだ。イギリスへの渡航に際し親戚の長に当たる人より、差別を受け、村八分にあう。イギリスでは紳士になるように努力する。また菜食主義に目覚め、菜食主義教会を結成。この経験が後の活動家になるために大きな経験となる。インドに帰国後、歓迎されない待遇にあい、失業を経験。南アフリカで商売相手のインド人商人との争いを解決するため一年間弁護してほしいと依頼がくる。インドでの境遇から抜け出すように、アフリカへ渡航する。帰国の際の送別会でインド人の検挙権問題について我々は戦わなければならないと発言し、弁護するためアフリカに残る。インド人たちのナタール・インド人会議派を立ち上げ、さまざまな宗教を人達300人を要する会を設営。アフリカでの弁護士資格取得には反対を受けるが裁判で勝利し資格を得る。3年の間に家族をアフリカに呼び寄せ、アフリカに落ち着く。ガンディー26歳。
     ガンディーはインドでの活躍が印象深く、アフリカで活動していたことに少し驚いた。菜食主義にもおどろき。だからあんなに痩せているのかとも。
    20代から40代のあいだをアフリカで過ごす。この間看護兵として戦地を駆け巡る。ボーア戦争のち、インディアンオピニオンという週刊新聞を発行する。またフェニックス農場をたちあげ移民たちが共同で生活し、質素に自給自足の生活をし、宗教やカーストや民族に囚われすだれもが平等に生活する場だった。1906年にはもう一つの戦争、ズールー人の反乱を経験する。この中でガンディーは―人間狩りを見、その中で救護活動に走り回った。(その中で戦争のおぞましさと植民地支配の残酷さをしっかり目に焼けつけ胸に刻んだ)〔()内はP40の引用、著者の志向が見られたので引用して我信はしなかった。〕南アフリカでの活動で最大の功績は「サッティーヤグラハ運動」がある。これは1906年アジア人登録法案に反対した運動である。逮捕保釈、イギリス本国での訴え、トランスヴァール大行進、トルストイ農場の設立などをへてインド法求人法案を勝ち取った。イギリスからの帰路ではヒンド・スワラージという本を執筆、自らの境遇を批判するないようも書き、血気にはやる若者を前にさとし、文明が一種の病気であると論じた。
     この20~40代の部分は前の章に比べて親近感がわかなかった。戦争・暴動・暴力が身近にないせいだろうか。植民地で何がおこなわれていたか実感がわない(わいたらわいたで怖い気もするが)20年もアフリカの地にいたのにはびっくりした。この時代の寿命は短命で、ガンディ―はインドだけで生活していたのと思ったから。ヒンドスワラージは世界史を読み返して読んでみたいと思った。
     第一次世界大戦から大戦後の10年間の間にインドの民主的な主導者になって行った。帰国直後はうまくいかなかったが、アフリカで結団した農場に次ぐもの、サッティーヤグラハ・アシュラームを建設した。チャンバーランでは藍プランテーションによる搾取が行われており、これに取り組むことになった。これには、財力、経営能力、があり村人に信用の厚いシュラクという人物が協力を求めたきっかけがあった。1919年にローラット法、実秩序革命犯罪法が制定されるに当たりガンディーはこれに反発、サッティヤーグラは・サバーという団体を設立非暴力運動を行う。この中でヒマラヤでは一部が暴徒化し、多数の死傷者が出た。政治運動にはいり、イギリス製品の不買運動、カーディー運動、禁酒運動などの非協力運動を行う。カディー運動では下半身に身につけるドーティーという白い布を糸から作成しインド製の服を着ようという運動だった。
     ガンディーのかっこうはそういう謂れがあったのかと思った。世界が戦時下に合った10年の間にいろいろなことをしたんだなとも。ガンディーは奴隷について、カースト制度についてどう思っていたのだろうか?気になる。

    次2章よみ読了
    最晩年の生き方がいいなと思った。でも、称えられる人の周りには被害に遭う人もいるのだなと改めて思った。
    まだまだつかめないガンディー次何読もうかな。

  • インドで非暴力の平和を説いた白い布をまとった人くらいの知識しかなかったので、改めて知ろうと読んでみる。

    弁護士になるが、その後イギリスの植民地であったインド人の待遇改善を求め、権力に非暴力(民衆を巻き込んでデモをして世論を動かす)で立ち向かうガンディー。志の高さ、エネルギー、確かにあの時代に歴史を動かした人物なのだなということが、わかる。

    【学】
    1930年 インド・ナショナリズム 塩の進行
    ガンディー流の交渉術には、法廷で戦う弁護士の姿を垣間見る事ができる

  • 東2法経図・開架 B1/4-3/1699/K

  • ガンディーの人柄、業績がざっくりとわかった。行動することこれこそが大事なことなのだと感じた

  • 289.2||Ta

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著者プロフィール

立教大学法学部教授

「2010年 『盗賊のインド史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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