EVと自動運転 クルマをどう変えるか (岩波新書 1717)

  • 岩波書店 (2018年5月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004317173

感想・レビュー・書評

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  • 著者、鶴原吉郎さん、どのような方かというと、次のように紹介されています。

    ---引用開始

    日経マグロウヒル社(現在の日経BP社)に入社後、新素材技術誌、機械技術誌を経て、2004年に、日本で初めての自動車エンジニア向け専門誌「日経Automotive Technology」の創刊に携わる。2004年6月の同誌創刊と同時に編集長に就任。2013年12月まで9年9カ月にわたって編集長を務める。

    2014年3月に日経BP社を退社し、2014年5月に自動車技術・産業に関するコンテンツの編集・制作を専門とするオートインサイト株式会社を設立、代表に就任。日経BP総研 未来ラボ客員研究員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    「電動化」「自動化」「コネクテッド化」の強化をめざして、いま世界各国の自動車メーカーが次世代のクルマの開発にしのぎを削っている。その新技術によるクルマの進化は、自動車産業のビジネスモデルのみならず、私たちの生活をも一変させてしまうものだ。一体、何が起きているのか。衝撃の未来予想図と開発の最前線に迫る。

    ---引用終了


    自動車に関する近未来は、非常に興味深い。
    今一番の関心は、自動運転か。
    日本国内でも、実証実験が行われているようだが、まだ目にしたことがない。

  • ■目的
    自分が勤めている業界の動向(何が起きていて、この後どうなるのか?)をざっくりと理解しておきたかった。

    ■要旨
    ・車を「所有」してもらうビジネスを続けるには、「機能的価値」ではなく、「情緒的価値」に重きを置かなければならない。
    ・現在の自動車業界はこの「情緒的価値」を高める努力が為されていない
    ・「情緒的価値」を高めるには
     ①電動化
     ②自動化
     ③コネクティッド
     の力を高めることが大事。

    ■参考になった点
    ・車は外貨稼ぎの大黒柱。海外に売るだけではなく、現地に工場を作ると、そこで生まれたお金がまた、国内に還流して来る

    ・「EVが流行らない理由」に対する反論
     ①EVはエコではない
     ②EVは高い
      ⇒今はそう。だが、全世界がEVに舵を切れば技術革新が進み解決する。
      参考になるのはブラウン管⇒液晶テレビの例。
      当初、液晶テレビはコストが高すぎて以降は不可能だと言われていた。
      しかし、たった10年で価格が1/100に下がった。ムーアの法則もある。
      全世界がEVに向かうことで、「目標の自己実現サイクル」に入り、問題は解決されていく。

     ③日本の基盤産業を覆そうとしているだけ
      ⇒これはその通り。エンジン技術やNEV技術で日本に勝てない各国がEVで巻き返そうとしている。

     ④日本はモーター技術が優れているから大丈夫
      ⇒逆で、参入障壁が高すぎると価格の低下が起こらず、広がらず、スケールメリットが無くなる。HEVやPHEVが日本のみで異様に流行っているのはそのため。FCVも作るための障壁が高いうえ、メリットも無いから流行らないのでは?

    ・どうして車にとって通信技術が大事になるのか?
     ①安全な自動運転を実現するには、3D地図データが欠かせない。むしろこれをどれだけ正確に作れるかがカギ。
     ②地図データは容量が大きいため、現在地⇒目的地までのデータをダウンロードするのみ。これでも大きいのでより広い帯域の通信網が必要になる⇒5Gが必要。

    ■感想
    ・色々言われているが、EV・自動運転・コネクティッドはもう止めることができない
    ・自動運転と広告は相性がいい。食事に行くために自動運転タクシーの料金を割り引いたり、とか。
    ・あと、現在でもバスに広告が貼ってあるが、あれを液晶化して周りにいる人間の趣味嗜好に合わせた広告を出す、なんてこともできる。
    ・車に乗っている時間も大きいので、そこでも広告を出せる
    ・EVの充電はプラグだけでなく、非接触充電もあり得る。スマホみたいになる。

  • モノとしての車から、サービスとしての車への移行。アマゾンは、通販で買わない理由をことごとく潰すことによって成長。
    HEVは今のところ元の取れない車であるにもかかわらず、日本では売れている。
    近年の電気機器の競争力低下により、自動車産業は日本の貿易黒字の中心になった。この100年ぶりのビジネスモデルの変化について行けるかどうかが重要になる。
    排ガス規制に対応するための開発において、日本以外がEVに走る理由は、日本が先行してるHEVでの競争を避けるため。EVは、電池製造から遡ってco2発生量を考えると、そこまでエコでは無いとよく言われる。
    しかし世界がEV化に向かっているという認識の
    共有が自己実現的に世界の自動車のEV化を達成するというサイクルに入る可能性がある。ムーアの法則のように。
    かつての液晶テレビ競争と同じ構図で日本の自動車産業が没落していく可能性もある。
    水素燃料車は今のところ魅力が無い。算入されにくい技術は負ける。
    MaasにはEVが必然。充電を考えたら。
    タクシー料金の3/4は人件費と考えたら、無人タクシーのコストは1/4になるわけだ。

  • ふむ

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706096

  • 537-T
    閲覧新書

  • 自動車業界での大きな流れである電動化、自動運転、コネクテッド化について、その巨大なインパクトが語られていた。
    自動車産業はもはや日本経済をほぼ一本足で支える存在であるが、高まる環境規制の中で日本企業が得意とするハイブリット車を閉め出してEVを主戦場とする流れが作られた。テレビ事業の液晶化の流れにビジネスモデルを対応させられなかった家電業界の轍を踏まぬよう、オープンイノベーションや外部連携を積極的に進める必要がある。環境性能車の一分野として認められている燃料電池車における優位性を発揮するためにも、逆説的ではあるが、技術を囲い込まずにオープンにすることで普及を促す戦略が必要である。
    自動運転は、カメラ、ミリ波レーダー、LiDARのセットで標識の判定、長距離の物体把握、短距離の物体把握を行うセンサー技術と、これ判別して最適な行動をとるAI技術の進展により実用化が迫りつつあり、2030年頃に完全自動運転のレベル5まで実現することが想定されている。
    自動運転には3D地図データをサーバーから供給するコネクテッド化は必須であり、さらには移動のサービス化における主戦場になりつつある。
    こうした変化により、自動車をめぐるビジネスは大きく変貌する。所有するよろこびを狙ったクルマを売るビジネスモデルから、移動中のサービスコンテンツや必要な時だけ利用できる実用的価値や決済サービスなどの総合プラットフォームをいかに構築しユーザーデータをいかに獲得できるかが勝負になると予想され、また、駐車場が不要になり駅近の優位性が薄くなるなど街のあり方も変わる。

  • ◾︎要約
    • 車は、安全面、環境面で大きな課題を抱えている。また、誰でも、いつでも、気軽に、安く使えるものではなく、実用的な価値も低い。自動運転により、運転に不安のある高齢者、免許のない子供、障害を抱える人々にも移動の自由を享受できる。少子高齢化を課題と捉えるのではなく、チャンスと捉えて自動化先進国を目指すべき。
    • 中国や欧州は、都市部の大気汚染などの国内的な課題を抱えており、加えてHEVでは技術力の高い日本勢に追いつけないと考えているため、EVに注力している。これは、ブラウン管が液晶に取って代わった際に、日本企業が韓国中国企業に追い抜かれた状況に酷似する。すなわち、新技術に対する資本注入、部材出荷増、改良の進化によるコスト低減。

    ◾︎気づき
    • 自動運転は、移動弱者の方々にとっての絶対正義。昨今、高齢者による悲惨な交通事故が大きなニュースとなっており、免許返納の流れも見られるが、地方で免許返納をしてしまえば、すなわち移動の自由が大きく損なわれることを意味し、QoLの低下を招く。地方の高齢者向けへのサービスを急がなければならない。
    • 自動車産業は、日本経済にとって最後の砦。家電産業の二の舞は、何としても防がなければならない。家電産業の事例から失敗の本質を学び、今後の新モビリティ時代の教訓とする必要がある。

  • 2018年5月発行。
    EVと自動運転の状況や展望が簡潔にまとめられている。

    「欧州のディーゼル不正や中国の新エネルギー車(NEV)政策、そして米国のゼロ・エミッション車(ZEV)政策の後押しによって世界的にEVの普及が加速していること」、その背景には、日本のHEVの競争力が高すぎて他の追随を許さない状況が生じていること、そしてこの状況はかつてブラウン管から液晶へとディスプレイ技術が大きく切り替わった際の状況に酷似していることなどが、興味深かった。

    「液晶が主流になったのは優れた技術だったからではなく、参入しやすく、後発でも追いつきやすい技術だったからだ。この観点からFCVとEVを見れば、液晶に近いのは明らかにEVのほうである」。FCVの見通しも明るくないということのようだ。

    シャープの例もあるから、EVや自動運転にしても、技術的に優位に立っていてもビジネスモデルを間違えると負け組になってしまう。シビアな次世代自動車・モビリティー・サービスの世界で、どのプレーヤーが勝ち残るのだろうか? 規模の拡大より、根強いファン向けに小規模で手堅い商売をするのが賢いやり方かも知れないな。

  • 読みやすいし、よくまとまっている。
    少し前の本ではあるが、なぜ世界の流れはこうなっているのかというところまでしっかり捉えて解説しているので、今読んでも大変勉強になる本だった。

  • インターンに際し、EVの勉強をするために読んだ。なぜ今車が100年に一度の転換期と言われているのかその理由が分かった。車が所有するものからサービスとして利用するものに移行しつつあるかもしれない、ということである。
    昨今の電気自動車の流行に疑問を持っていた自分にとって76〜78ページまでの記述はまさに自分が知りたかったこと、すなわち、電気自動車はエコではなく、ガソリン車の方がエコではないか。という言説に対する反論はかなり面白かった。火力発電の割合の多い日本では電気自動車の利用がかえって二酸化炭素排出量を増やしてしまうのではないかという懸念だが、現時点ではそれが正解だとしてもそういった正誤判定が大量の資本が投下され、技術革新が起こるとひっくり返ることがあるということである。面白いをアナロジーで出された半導体、液晶テレビも分かりやすかった。自動車が今後どのような末路を辿るか楽しみ。
    ただ、ちょっと数値が多くて詳しいのだろうが、内容追っかけづらかった。

  • クルマのビジネスモデルが大きく変わる
    所有からサービスへ

    Ⅰ.クルマの課題 ①交通事故死②CO₂③小売りの変革
      実用価値⇒情緒価値エンターテインメント性
      ハイブリッド車は元が取れない
       イニシャルコストに寛容
       ランニングにはシビア

    Ⅱ.2040年までにガソリン・ディーゼル車を禁止
      中国は世界最大のEV大国 2017年80万台
      水素車FCVは扱いにくい
      
    Ⅲ.自動運転 ①LiDAR②カメラ③ミリ波レーダー
      5G通信
      5つのレベル 高速道路から 一般道は30年

    Ⅳ.サービス化をめざす MaaSモビリティ
      電動化 自動化 コネクテッド化→通信が不可欠
      cfタクシー コストの3/4はドライバー人件費
       年間走行距離 10万 5万 1万

  • 詳しい説明で、分かりやすかった。

  • 自動車業界を揺るがす CASE の激震を、主に電気自動車の観点から詳説し、自動運転とコネクティッド、シェアリング・エコノミーについても後段でそれぞれ触れる。

    自動車産業における EV をテレビにおける液晶ディスプレイと比較して分析したところは秀逸。「液晶にみながこぞって投資したのは、それが優れた技術だったからではない。既存のブラウン管技術が無くても新規参入できる領域だったからだ」と喝破。逆に既存のブラウン管技術や垂直統合に固執した TV メーカーは、水平分業で大量生産されることで劇的に値段が下がり続ける液晶 TV の前に破れ去った。自動車業界とバッテリーパックの間では、同じことが起きるのか?

  • AIに触れて来るのかと思ったらどちらかというとEV中心の内容でした。

  • クルマの「電動化」「自動化」「コネクテッド化」がこれから不可欠の技術動向であるという話から始まり,具体的な技術の流れの過去・現在・未来を克明に描写している好著だ.自動運転に必要な技術としてLiDAR,カメラ,ミリ波レーダーを挙げて,LiDARの開発がまだ途上であることを述べていた.最新動向としてトヨタのe-Palette,日産とDeNAのEasy Rider,SONYのSC-1を紹介している部分は非常に楽しめた.クルマに対する考え方がここ10年で大きく変化する予感がする.

  • 2018年10月25日読了。EVと自動運転の現在に至る業界の動きと今後の予測に関する、2018年上旬までの段階での整理と知見。「ガソリン車とEVの関係は、ブラウン管と液晶テレビの関係に類似している」という著者の指摘には唸らされた、新技術はその性能やユーザー体験、業界の現リーダー企業の思惑と関係なく、新興企業の投資が増せば増すほど自己実現的にその普及目標を達成する、ということなのね…。自動運転もそうだし、音声入力端末やドローンなどの技術も、「今はまだ不十分」という点にのみ注目していると、その普及に乗り遅れてしまうものなのかもしれないな…一ユーザーとしてはそれでいいがメーカー側の立場で、今現在利益を出していて数万人の雇用を確保している現技術を捨てる決断をする、なんて無理な話だよな…。

  • ●現在、自動車産業は転換期にある、と著者は言う。変化のキーワードは、「電動化」「自動化」「コネクテッド化」の三つ。上記の技術進化により、自動車産業はもちろん、我々の生活も一新される。それがどのように起きるのか、開発の最前線を解説している。

  • データの羅列部分は読みにくい。

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