江戸東京の明治維新 (岩波新書 新赤版 1734)

  • 岩波書店 (2018年8月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004317340

みんなの感想まとめ

江戸から明治への激動の時代を、さまざまな視点から深く掘り下げた作品です。藩屋敷や町中、遊郭、屠場などの具体的な場面を通じて、明治初期の社会の変化や人々の苦悩が鮮やかに描かれています。特に、武士の没落や...

感想・レビュー・書評

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  • 華麗なる明治維新。でもその最初期はカオスすぎる。
    薩長政府が統治に失敗してれば歴史は大いに変わってただろうね。よく最初の10年を乗り切ったと思うよ。おかげで大ジャップ帝国できちゃったんだよな。
    市井の人は逞しい。オレなら飲み込まれてのたれ死んでると思う。

  •  江戸から明治への時代の変わり目を、
    ・江戸の藩屋敷
    ・旧幕臣の身分
    ・町中
    ・遊郭
    ・屠場
     の視点で切り取る。

     特に家守の町中について調べていたので、とても分かりやすかった。

  •  積ん読だった本。
     なぜ今読み始めたのかというと,NHK朝ドラ『ばけばけ』を見ていたから。
     『ばけばけ』には明治初め頃の,武士がちょんまげを落とせずにいる姿や,元氏族が没落していくようすが描かれていた。また,一挙に西洋化していく日本のようすに対してラフカディオ・ハーンが残念がっているのも紹介されていた。
     おそらく,明治維新の初期において一番変化が大きかったのは江戸ではないかと思っていた。そして,その時のようすを知りたいと思っていたところ,ちょうど,自分の本棚に本書が並んでいたので,これ幸いと手に取って読んでみた。
     江戸から東京へ。武士の数が大きく減り,商売をしていた町人も大変。吉原だって,これまでのようにはいかない。明治初めの混乱したようすが描かれていておもしろかった。被差別部落のようすも紹介されていて,なかなかしっかりした内容である。

     うちの本棚には「外国人が見た明治日本」をテーマにした本がまだ数冊ある。まだ読んでいないんだよな。もちろん,図書を手に入れたときには興味があったのだけれども,現役時代は,すぐ別のことに興味が移ってしまったので,未だに積ん読のままなのである。
     今回は,読めるかもしれない。
     てか,まだ,小泉八雲の本も読んでいる途中なので,それが終わってから。

  • ふむ

  • 内容に関しては、身分制度についての最新の研究動向(特権のために自らの身分を固定する)の記載がとても興味深かった。「士農工商」に分かれていました、と学校で習ったとき、「士」って何やってたんやろ?なんで自由に身分とびこえれんのやろう?と思っていたので。

    それ以上に、この仕事に対する筆者の真摯な姿勢が、参考文献の解説や、あとがきでの謝辞から伝わってくる。
    私は「はじめに」と「あとがき」から先に読むタイプだが、あとがきを読み終わったとき、すでにこの本が大好きになった。

  • 1868.9.8元号が明治に改められて、天皇の東幸が
    予定され、江戸を改めて東京府責任者の大木喬任
    は祝賀として市中に酒をふるまう( `ー´)ノ

    天盃頂戴として三千樽の酒が用意され、翌年二度
    目の時は吹上苑拝観を許可して新政府は江戸の統
    治を模索している(迷走かも)

  • 江戸から東京への変化はどのようなものだったのか。政治や武家の人々から市井の人たちまで取り扱っている。

  • 近世と近代の入り交じる維新期の江戸東京を、身分的な枠組みの解体から描く。武士、町の家守、遊女、屠殺・皮革業者など、様々な事例を取り上げ、近年の学術研究も噛み砕いてわかりやすく解説しているので、とても勉強になる。

  • 近世身分制の解体を軸に、江戸東京の市井の人々の視点から明治維新を描く。
    遊女のかしくなど、史料から維新を生きた名もなき人々の生きざまとその社会的背景をくっきり浮かびあがらせる名著である。
    本書が参考とした史料や研究所などを紹介する文献解題が丁寧であり、大学の歴史学の入門的ゼミの課題本に良さそうと感じた。

  • 維新の激動に飲み込まれた江戸。それまでの秩序が解体され、江戸が東京へと変化する中、その分析の視点を大河ドラマなどで取り扱われるような有名偉人や歴史上の出来事にもっていくのではなく、市井の名も無き人々の視点から見た、明治維新という出来事が「江戸」に、「東京」に、そして身分制に及ぼした影響について論じた本。
    巻末に先行研究や参考文献についても丁寧に解説されてて、そこから興味のある他の書籍に手を出しやすいのも良いですね。

    第1章 江戸から東京へ
    第2章 東京の旧幕臣たち
    第3章 町中に生きる
    第4章 遊廓の明治維新
    第5章 屠場をめぐる人びと

    明治以降の「東京」の都市計画の変遷などについて触れてる本はいろいろありますが、この江戸末期~明治維新初期の頃ピンポイントでの、維新による諸大名の一斉帰国で江戸の人口は一挙に半減、浮浪士のテロ、流動化する土地と身分…と『近世』から『近代』へと変化していく流れが読み取れるのがとても興味深かった。
    (近代文学の方を囓るとちょくちょく出てくる、御家人が引っ越した空き家に上京してきた地方の家族が借家住まいをしたり、現代とは違う地域毎の人気の流行廃りなどの裏付けが読み取れる面白さ…みたいな視点で楽しみました)
    4章の遊女の話、5章のえたの集団からの牛肉産業の話は1~3章の話から続いていたテーマからは突然流れが飛んだ感じも受けましたが、それぞれ単品で興味深い話として楽しめました。

  •  本書は,これまでの著者の詳細な学術研究を素地として,幕末・維新期に江戸から東京へ移り変わる民衆の生き抜き方に焦点を当てた作品である。そうした民衆は,従来,大店や居付地主といった町人に注目されていたが,本書で対象となる階層は,たとえば第1章の腰掛,第3章の床店,第4章の遊女,第5章の旧賤民など,近年「身分的周縁」と位置づけられる人々を主体としたものであり,第2章の主人公である下級の旧幕臣とて,武士・士族層とはいえ,これまで倒幕後の生活実態が十分に解明されたわけではない。
     他方で,近世江戸,近代東京を舞台とした都市史研究は近年活発だが,明治維新期と限定すると,意外と難しい。私も明治初期における東京市内の不動産経営を分析してみたが,史料のフォーマットが目まぐるしく変わって,一筋縄ではいかなかった(http://hdl.handle.net/2324/27431)。そういう意味では,本書の研究素材となる史料の収集は,対象とする人々においても,対象とする時期においても,困難を極めていると言わざるをえない。
     それぞれのエピソードが途中で終わってしまっている点は,史料の制約上,致し方ないと思われる。しかし,こうした二重苦を乗り越えたうえでの研究成果,および近世・近代都市史への位置づけである点は高く評価されてよい。
     章末の「文献解題」は,新書レベルにしては充実した内容。こうした部分に紙幅を費やす著者と編集担当者の心意気に,敬意を表したい。

  • 江戸から東京への変化期の身分制から資本主義への諸相を民衆レベルで見た文献などの紹介。変化する人、変化にあらがう人などそれぞれの可能性に言及している。初心者にはこれでいいと思っておられるのかもしれないが、これが独自の視点というのも切り取っていただけたらなと思う。

  • 第1章 江戸から東京へ
    第2章 東京の旧幕臣たち
    第3章 町中に生きる
    第4章 遊廓の明治維新
    第5章 屠場をめぐる人びと

    著者:横山百合子(1956-、日本史)

  • 2018.11.24
    今年は明治維新から150年。
    上に立つ人は賢くあれ。朝三暮四ではやってられん。
    今度は江戸に沢山いた町民、職人たちの明治維新も知りたいな。
    それにしても女性は生きていくのが大変な時代だ。

  • 非常に良い本。明治維新というと、西郷隆盛やら坂本龍馬やら有名人の活躍にスポットが当りがちである。しかし、そうではなく市井に生きる人々の維新、あるいは近世身分制が崩壊する過程という研究の最前線を描き出す成果が、新書という一般の人が手に取りやすいかたちで出たことの意義は大きいと思う。

    こういう研究成果と、いわゆる政治史がどのように結びついていくのか。本書では大久保利通などの「有名人」の日記もところどころ使われている。そういうリンクの仕方に刺激を受けて、政治史からの身分制解体過程の研究に迫るアプローチが登場しても良いように思う。具体的にどういう方法論か、まではわからないけれど。

  • 東2法経図・6F開架 B1/4-3/1734/K

  • 横山百合子「江戸東京の明治維新」読了。とても良い。教科書に出てくる上からの近代化が既存の社会の仕組みをどのように変えていったのか、その時にどのような軋轢葛藤があったのかという素朴な疑問を、地べたや実生活に近い具体的なエピソードをもって解き明かす本。充実した文献紹介あり。

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