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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784004317470
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本書は、税制や社会保障について新たな視点を提供し、読者に深く考えさせる内容となっています。「働かざるもの、食うべからず」という価値観に疑問を投げかけ、真面目に働くことの意義や生活保護のあり方について考...
感想・レビュー・書評
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本書に考えさせられた記述が多々。
一つは、「働かざるもの、食うべからず」の価値観。我々は生活保護受給者を快く思わないが、それは不正受給への疑念もあるが、根底には、真面目に働く自分がバカみたいに見えたり、支給に対して感謝されるような実感がないからではないか。しかし、これは保険のようなもので、本当に困ればお互い様、と考えても良さそうなものだ。
こうした価値観を補強するように日本には、勤労の義務と生存権がある。通常は、これらを両立させる必要があるが、前記は生存権のみの主張だ。ソ連の憲法の中にも、働かざるもの、食うべからずの原則に従った義務と言う記載があったという。ここでの「働かざるもの」とはレーニンによれば、金持ちと怠ける者のこと。しかし、日本人の感覚では金持ちを「働かざるもの」には含まないだろう。考えさせられた。
租税負担率が上がり、社会主義化してしまうと、労働の意欲が減退すると信じてきたが、むしろ頑健な保障の場があることで、思い切ったチャレンジができるようになるのではないだろうか、というのが著者。実際、どうだろうか。人間には、マウントを取りたいから頑張るという思考が少なからず、そして残念ながら、存在する。この点では、既に失敗した国もあったと思うが。
人間は、誰かにみせびらかすために消費を行う。いわゆる顕示的消費である。世の中は、顕示的行為で溢れているが、もはや本能行動に近い。金ではなく、別の基準で価値観を切り替えられるなら、「幸福の増税論」もあり得るかもしれないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正に、目うろこ本。
減税だけが正義ではない。
日頃僕が感じている、今の日本の状況や未来の日本に対する漠然とした不安を的確に分析して、将来の日本を明るいものにする為の財政政策(税のあり方)を提言している。
個人的には著者が言う「ベーシックサービス」の概念は素晴らしいものだと思うし、財政再建のために増税するのではないと言う著者の説明には衝撃すら受けた。
ただし日本人に植え付けられている勤労に対する感覚や租税抵抗感はそう簡単に変えられるとは思わないが。でも変えていかないとますます日本社会はギスギスした居心地の悪い社会になってしまう。
昨今の政治状況も大変心配だが、おそらく著者の考えていることは政治家任せにしていたら絶対実現できない。著者は一時民進党のブレーンの時期があったようなので、再びどこかの政党のブレーンに復帰する事はできないのだろうか。今現在政治活動をしているかは知らないが。
まずは多くの人にこの本か、著者の書いた他の本を読んでもらいたい。僕的にはイデオロギーを超えた次元で納得できる所がたくさんあった。自分は保守系だと言う方にもぜひ読んでもらいたいと感じた。 -
オランダのCPBについては、恥ずかしながら知らなかった。65歳以上の高齢者を15~64歳が支えるということでなく、非就業者を就業者が支えるというのは、単純になるほど! と膝を打つ。
頼りあえる社会をつくろう! 全国のソーシャルワーカーを勇気づけてくれる一冊。 -
数多くの社会学や経済学の本を読む中でも、説得力抜群の書である。
実もふたもなくバッサリと切るような本書の言説は快い。現在の日本の姿を否応なくクッキリと見せつけてくれる書と高く評価したい。
「自分は中の下と信じたい人」というカテゴリー認定は実にリアルである。なるほどそう分析すると格差拡大の中でも安倍政権の支持率が下がらない理由が理解できる。
初めて説得力のある日本の処方箋を見たようにも思えたが、果たして実現性はどうだろうか。
終盤のシナリオは詰めが甘い気がするが、大きな方向性には賛同できる。「戦後の勤労国家は行き詰まった」との認識は誰も否定できないものと思われるからだ。 -
『幸福の増税論』というタイトルの割には、幸福感を受ける内容ではなく、むしろ重い印象を受けました。
また、あまり親切な内容ではなく、わかる人にしかわからない印象を受けましたし、現実に即した内容、というよりは、机上の空論、という印象を受けました。
とはいえ、税金や社会保障のあり方を考える上では、参考になる本だと思います。
また、基本的には中立的な考えに徹する姿勢を感じ、その点については好感を持てました。
税金や社会保障のあり方については、少なくとも日本においてはビジョンがないように思います。
ひとまず、仮で構わないので、日本としてのビジョンを政府が明確にすることが必要だと、個人的には思っています。
もし間違っていても、修正していけばいいのですから。
ただ、そのためには、まずは、税や社会保障についての教育が大切だと思います。
時間がかかったとしても、最も確実な方法だと思いますので、小中高で、税や社会保障についての知識が身に付くようにすべきだと思います。 -
増税=悪、消費税=悪とする先入観を排し、消費税増税を核とする大幅増税によって、日本を「貯蓄ゼロでも不安ゼロの社会」「弱者を生まない社会」へと大転換せよと訴える、リベラルな財政学者による大胆な提言の書。
著者の構想する社会を実現するためには、消費税を18%まで上げることが必要だと試算されている。
そして、増税によって得られた巨額の税収によって、ベーシックインカムならぬ「ベーシックサービス」を整備することを、著者は提案する。
ベーシックインカムは富裕層にも貧困層にも一律の額を毎月支給するものだが、ベーシックサービスは医療や教育などの基本的サービスをすべて無料化するというものである。
サービスを必要とする人のみが対象となるので、ベーシックサービスは万人に支給するベーシックインカムよりはるかに少ない金額で実現可能だと、著者は言う。
前半は大変興味深く読んだ。
日本人がなぜ増税アレルギーの強い国民になってしまったのかという分析や、高い経済成長の持続を前提に設計された日本の「勤労国家」モデルはもはや時代遅れだという指摘などは、得心がいった。
しかし、本書全体に対しては、青臭い理想論という印象が否めなかった。
とくに、終章「選択不能社会を終わらせる」は、客観的分析というよりもアジビラまがいの情緒的な記述が目立つ。
《「人間を消費する経済」から「人間のための経済」へ》(228ページ)
とか、
《僕たちはあらたな文明社会を切りひらくのだ。高らかに自由と共存の旗を掲げながら。》(231ページ)
などという、内容空疎なかけ声のような記述が並び、読んでいて鼻白んでしまった。 -
タイトルに”なんで増税が幸せにつながるの?“と思いますよね…。結論を言うと「一人一人が自分の将来の不安に備えて貯蓄する社会」よりも「税金という形でみんながお金を出し合い社会でプールしておき困った時には税金で助けてもらえる社会」になったほうが将来に不安のない社会を作れるのではということ。そんな社会を作るには税金に対する信頼を取り戻すことが必要だと述べています。なるほどと思われた方はぜひとも読んでみてください。
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慶應の経済の先生はどうして増税論者ばかりなのだろうか?
“誤解しないでほしい。僕は,財政破綻の恐怖をあおり,人びとをおののかせることで,増税をせまる「財政再建至上主義者」ではない。僕が語るのは,財政がすべての命とくらしを保障する社会,そのための痛みの分かちあいをよしとする人間たちの未来だ。(p.iii)”
良さげなことを書いていそうではあるが,結局は増税だ。増税は好況時にすればいい。中学公民の基本レベルのことをなぜ行わないのかがそもそもの問題ではないか。
痛みを分かち合える余裕がない。ギリギリ頑張っていたら「ゾンビ企業」と言われる。ゾンビ企業の減らすことは,ゾンビ企業に融資しないことでも実現するが,好況にすればゾンビ企業はゾンビ企業でなくなるから結果的にゾンビ企業は減る。
この著者は良いことを言っていると思うところもある。しかし,手段には全く賛同できない。
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問題を解決するにはお金がいる。であればなぜ,国を大切に思うみなさんは,国家の経済活動である「財政」のあるべき姿を語ろうとしないのだろう。
格差の大きな国。雇用の不安定な国。障がいのある人を放ったらかしにする国。そんなくたびれた国を,みなさんは子どもたちに残したいとはけっして思わないはずだ。(p.ii) -
日本人の多くが生活不安を抱えており格差が拡大しているが,日本人の痛税感による租税抵抗(増税の忌避)により対応策を講じれないどころか,勤労と倹約の美徳により日本は自助努力が前提の社会になっている。そうした現状認識のもとで著者なりの改革を提案した本。
受益があることを明示したうえでの増税の提案となっている。消費税を軸とした増税による財源の確保で医療や子育てや教育等の自己負担をなくすというベーシック・サービスが提起されていた。批判や起こりうる反論に対しては説得を試みている。「政府が信じられないから増税に反対するのはよい。だが,その拒絶によって,この社会がいったいどのようによくなるのだろうか」(166ページ)が印象的だった。
著者の主張は日本人に対してどこまで説得力を持つのかが気になるところ。昨今の防衛費や少子化対策の財源に関する議論や世論をみると,まだまだ日本人の租税抵抗は強いように思う。
日本人の租税抵抗が今後どうなるのか気にしていきたい。 -
北欧の社会制度にずっと興味を持ち、憧れてきました。役に立つ事が実感出来るのであれば、高負担の税も納得できる気がします。助け合える社会に私も生きていたいです。
ベーシックインカムにも興味があったけれど、なるほど、ベーシックサービスの方が適切だなと思いました。
けれど、北欧社会よりも日本人の方が自立心に乏しい様に感じていて、無料サービスと言われたら病気じゃない人たちまで病院に押しかけて無駄な検査を受けたがったり、同じ話をあちこちで繰り返したりしてるんじゃなかろうか、という懸念は払拭出来そうにありません。 -
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今の日本社会は勤労と貯蓄という従来の価値観ではやっていけなくなっている。
税金は生活保障サービス、子育て、教育、病気、介護などにもっと使われるべき。 -
三重大小論文
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新書にコンパクトに論点がまとまっていると思うけど
民進党の政策スタッフでらしたのかー
だったら政策に反映してくれよー
で1点減点 -
読む前の私「へー消費税増税論者かー。なんで増税が幸福につながるの?????」
読了後の私「消費税増税は非常に有効な手段である」
読む前はなんで消費税増税なのか全くわかっていなかったですが、読んで説得されてしまいました。。。非常に勉強になりました。「成長」頼み、自己責任をうたう社会がいまどんな状況になっているかを著者は客観的に示し、成長に頼らなくても幸せに暮らしていける社会を目指そう、とよびかけ、グランドデザインを描いています。なぜ消費増税かといえば、「もつべきものからもたざるものへの移転」という形態に対して生じる階層間の分断を防ぎ、「痛み分け」という形で堂々と応分の負担を求めていくべき、という議論です。
日本は「増税してよかった」「増税で税金の負担が増えたけど、こちらの部分の支出は減ったので良かった」といった、増税の成功体験がない、という指摘は、自分の気持ちに照らしても納得。消費増税の一番の壁はおそらく世論の抵抗なので、成功体験となるように、増税と目に見えて結び付く社会サービスの拡充ができると良いが、多様な生活を送っている国民のあまねく層に納得してもらえるような成功体験を用意するのは、相当難題と思われる。(3~5歳保育料無償化の恩恵も限られた層にとどまってしまう。大規模な措置には大規模な増税が必要。)
そしてこれはよく言われていることだけど、日本は、世界の他国と比べて「自分の税金は高すぎる」と思っている人がとても多い、つまり税金の恩恵を受けていると感じられていない。
増税に対して今まで自分たちが繰り広げていた言説(その前に無駄を削れ、防衛費や公共事業費はなんなんだ、信頼できない政府に税を払えない等々)に対して、第5章でされていた反論にも納得致しました。
ベーシックサービスを目指し、あとは、どうやってこの大転換を現実に行えるか、が最大の難題ですね。
民進党の政策作りに加わっていたとのことですが、ぜひまた政策作りに参画していただきたい。 -
支え合う社会、これまでのリベラル政党の政策で納得のいかない部分を、筆者は新しい社会のあり方として提示してくれた。
新書という制約の中で書けなかったのかもしれないが、ベーシック・サービスの具体的な中身と、政策のコスト、税制の形と財政への影響について詳しい記載が欲しかった。 -
☆日本は貧しくなった。日本人一人あたりのGDPは2位から18位へ。東京の1泊2万円のホテルは、外国なら安ホテルの部類だ。
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これまでの日本社会モデルは、勤労と倹約による自己責任で将来不安にそなえる社会を維持することを目標にしてきた.これからは税をつうじて「社会の蓄え」をつくり たがいに命やくらしのニーズをみたしあっていくのがベストチョイスだ.これが本書の要点だと感じた.それぞれに税金について次のような指標も参考になる.消費税1%=1.1兆円、法人税1%=5000億円、相続税5%=5~6000億円.ベーシック・サービスによる再配分のモデル図(p87)は分かりやすい.オランダの経済政策科学局(CPB,p166)は導入したい組織だ.政府から独立して経済分析を行う由.
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増税論なんて書かれていないような。もっと簡潔に書いて欲しい。何が言いたいのかよく分からず。
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東2法経図・6F開架 B1/4-3/1747/K
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