日本をどのような国にするか 地球と世界の大問題 (岩波新書 1761)

  • 岩波書店 (2019年2月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (194ページ) / ISBN・EAN: 9784004317616

作品紹介・あらすじ

トランプVS習近平の貿易戦争のゆくえは? 地球温暖化、巨大地震など迫りくる自然災害の脅威にどう立ち向かうか。AIが人間の仕事を奪うというのは本当か? 日本を取り巻くこれらの問題群とどう向き合い、国の立ち位置をどこに求めたらよいか。元中国大使・伊藤忠商事会長の著者が専門家と議論しながら考える。
?対論者=竹本和彦・林春男・西垣通

感想・レビュー・書評

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  • 丹羽宇一郎さんが書かれた本のブクログ登録は、3冊目。
    この本の「あとがき」は、2019年1月に書かれている。
    したがって、この本を書かれた時の、著者の年齢は、80歳位になる。

    実家が書店を営んでいたということは知っていたが、その辺のことが、p170に書かれている。
    名古屋市内で正進堂という書店を営んでいたようだ。

    p55~p58

    「ウシのげっぷとメタンガス」と題した一文がある。
    ウシやヤギなどのげっぷすると、メタンガスが排出され、それが地球温暖化の原因になっているそうだ。
    これは、案外知られていることかもしれないが、私は、今日知りました。

    何と、ウシやヤギなどのげっぷ(消化管内発酵)によるメタンの排出量は、メタン排出量全体の23.6%もあるのだとか。

    そこで、ネットで捜索してみると、メタンガス排出量削減のため、牛の飼料に入れるものを研究中の方がいるらしいことを発見。

    以下、引用です。

    オランダの総合化学メーカーRoyal DSMは1月、オランダで実施した試験で、同社が開発した新しい飼料添加物「Bovaer(R)」を乳牛の飼料に加えることで、乳牛によるメタンの排出量を削減できることが実証されたと発表した。

    この試験では、泌乳中期のホルスタイン・フリーシアン種64頭を調査対象として、配合の異なる飼料にそれぞれメタン抑制剤を補給、メタンの削減量を調査した。その結果、飼料の種類とBovaerの添加量によって変わるが、牛1頭あたりのメタンガス排出量を27~40%削減できることを確認したという。

  • 伊藤忠の会長、中国大使を務めた人でありながら、生活者の視点をメインに据えた考え方で、しかも中長期的な方策を提案している点は大変立派だと思う。考え方のベースがしっかりしている。理想論を並べているだけでもない。知の巨人であり、バランスも取れており、目指すべき、尊敬すべき人。
    こういうのをリベラルアーツと言うんだろう。その裏付けがあっての物言いになってて、単なる知識だけではないし、自分で考えたアイデア、主張になっている。だからブレないのだろう。
    好奇心、問題意識、思考力。

  • ●アメリカと中国。トゥキディデスの罠。
    ●日本がGDPで中国に抜かれたとしても、今なお優っているもの、それは長年培ってきた「世界の信用・信頼」でしょう。
    ●社外取締役制度で1番問題なのは、日本には「プロの経営者の市場」が存在していない。もう一つは、役員報酬が膨れ上がりすぎる。社外役員が多いほど業績がほんとに良くなっているのか?
    ●日本は6割以上が山地とは言え、もう木が古くて、二酸化炭素の吸収力が弱い木が多いのである。
    ● AIの限界。AIと言うのは、形式的な論理操作能力は非常に高いけれども、言葉の本当の意味、根源的な意味はわからない。誰かが繰り返すだけで簡単にヘイトスピーチをしゃべるようになってしまう。
    ●全日本のプラットフォームを作れ。横のプラットフォーム。縦の枠を超えて、個人個人が技術者として、あるいはグループ組織として横につながっていくためのプラットフォーム。

  • 丹羽さんが繰り返し言われていることでしたが、わかりやすく、説得力のある内容でした。

  • 専門分野で多くの経験を積んでこられた方々との対談。著者もビジネスマンとしての経験豊富な方でフムフムとうなずきつつ拝読しました。最も興味深かったのは第4章の後半、災害対応における国の体制作りが非常に未熟だとの指摘。災害発生は避けられずとも事前対策や事前想定はできるはず。国の災害対応マネジメントはこうあるべしとの指摘には学ぶべき点多しです。

  • ★4.2(3.58)2019年2月発行。「トゥキディデスの罠」それまでの覇権国に対して挑戦する新興国が出現したとき、お互いそれを望んでいないなかったにも関わらず、戦争が勃発するという。世界史上過去500年こうした覇権争いが16回もあったと・・・。これだけは今回は回避しないと地球滅亡に繋がってしまいますね。日本を取り巻く諸問題。地球温暖化、地震、AIと多岐にわたり、著者と識者の話を交え、これからの日本の国是を考える著者。信用と信頼、そして死ぬまで努力という著者には本当に頭が下がりますね。

  • 「心」が自由であることをもっとも実感できるのは読書です。読書は自由。誰に遠慮もいらない。自由に本を読んで、時間と空間を超えて、アリストテレスであろうとゲーテであろうと対話ができる。だから私は読書が大好きです。(p.21)

    西日本豪雨における国の失敗(林)
    ・全体像(戦況)がつかめていないため戦略が立てられなかった。
    ・総務省のスキームにおける公務員派遣の仕切りミス。
    ・踏まえるべき手続きを経ないで出される罹災証明の数々。(pp.87-89)

     日本ではサイエンスといえば、自然科学です。自然科学以外は、サイエンスじゃないと思っているんです。以前、国内で開催したある国際ワークショップで、ニュージーランドの危機管理庁の人のプレゼンテーション用のメモに対訳が配られたのです。「これからは防災にサイエンスを応用する」とあるのを、主催者はその対訳として「これからの防災に自然科学をもっと……」とわざわざ限定するわけです。原意は、人間の動きや社会の動きをエビデンス・ベースできちんと把握して、合理的な対策に反映するという意味でした。人文科学も社会科学もヒューマニティを対象としたサイエンスです。しかしその意味でのサイエンスを大切にするという考え方が、日本では浸透していない。(p.91)

    (西垣)サービス業というのは本来、マニュアル的な決まったサービスというより、環境条件がいろいろ変わっても臨機応変に、顧客の気持ちを察しながらサービスする仕事でしょう。それは、人間のほうがいいに決まっているわけです。(p.114)

     みなさんに覚えておいて欲しいのは、1キロの牛肉を作るのに、2万700倍の水が要るということです。従って日本は、形は牛肉でも実質、水を輸入していることになります。これをヴァーチャルウォーターと呼んでいます。豚肉は、6000倍ぐらいの水が要ります。小麦を作るのには2000倍くらいの水が要ります。輸入食料を水で計測すると1年で琵琶湖(貯水量27.5立方キロメートル)の2.5倍の水を消費していることになります。(p.138)

     日本の国是は平和と自由貿易です。これなくして、日本は本道を歩むことはできません。ましてや。いま「はじめに」で見たように、さまざまな分野で日本の順位が下がってきている時に、日本がよその国と紛争となり、戦さを交えている余裕などないというべきです。かといって、他国に何か言われて、不条理を唯々諾々と受容する必要はありません。日本は日本で、いうべきことは主張しなければならない。あるいは、攻められた時には防衛をしなければならない。(p.144)

     私は習近平に少なくとも十数回会っていますが、そのたびに彼が言ったことがあります。「日本と中国は、住所変更できません」。隣のおうちと喧嘩しても、嫌ならその家を誰かに貸して、どこかへ移ればいい。住所変更ができます。日本と中国は、大嫌いだからと言って住所は変えられません。その心は「だからこれから先も両国は仲良くするしかない」ということでしょう。(p.146)

     一歩踏み出せば、急に世の中がよくなるかといえば、そんな魔法はどこにもありません。しかし、その小さな一歩が世の中を変えていくための唯一の処方箋です。(p.174)

     読書というのは、世間を広げます。過去の偉大な人々とも読書で対話ができる。トルストイとも、ロマン・ロランとも、ゲーテとも。これができる動物は人間以外いません。人間だけの特権です。人間は、人との対話、読書、仕事の3つで成長していくんです。そして強くなっていくんです。(p.175)

  • 丹羽宇一郎さんの著作
    いつ読んでも、とても腹落ちします。

    日本の未来は私たち一人一人が今をどう生きるか?
    にかかっている。

    その場その場で自分がやりたいと思うベストに向けて
    小さな一歩を踏み出す。その小さな一歩が世の中を
    変えて行くための唯一の処方箋。

    上っ面の主義主張ではない
    毎日を生きる。その背中で語れるように
    日々精進せねばと改めて思いました

  • 面白いです。人となりがよくわかります。意見がはっきりしていて気持ちいいです。下手に若者向けのメッセージ的にしないで、こんな感じで意見を述べてくれたほうが、若者に刺さると思います。っと感じさせてくれる。

  • AIは形式的な論理操作の能力は非常に高いが、言葉の本当の意味、根源的な意味はわからない。意味は価値であり、重要性でもあるがAIにはそお判断はできない

    AIを神に準えてしまう。今のトランスヒューマニズム(超人間主義)。人間よりも優れた絶対的知性がどこかに存在する。AIが間違った決定をしても文句を言えなくなってしまう。

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1761/K

  • 著者の推測をもとに語られているところがあり、論理展開が不十分で、説得力に欠けるように思いました。ひとつの意見として読むのが良いかと。

  • 著者の立ち位置からして大所高所の話になっている。

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著者プロフィール

丹羽宇一郎(にわういちろう)
公益社団法人日本中国友好協会会長。一九三九年愛知県生まれ。元・中華人民共和国駐箚特命全権大使。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事(株)に入社。九八年に社長に就任すると、翌九九年には約四〇〇〇億円の不良資産を一括処理しながらも、二〇〇一年三月期決算で同社の史上最高益を計上し、世間を瞠目させた。〇四年会長就任。内閣府経済財政諮問会議議員、地方分権改革推進委員会委員長、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任ののち、一〇年に民間出身では初の駐中国大使に就任。現在、一般社団法人グローバルビジネス学会名誉会長、伊藤忠商事名誉理事。

「2023年 『仕事がなくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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