- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004317661
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパ・地中海世界の要たるこの地には、古来じつに多様な人びとが行きかい、ゆたかな歴史を織り上げてきた。リソルジメント(統一運動)以降の近現代史はもちろん、古代・中世における諸勢力の複雑な興亡も明快に叙述。北と南、都市と農村といった地域性や、文化史にも着目し、その歩みをとらえる。好評「歴史10講」シリーズ第四弾。
感想・レビュー・書評
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イタリアの通史。
古代ローマ以来、統一イタリアがなぜできなかったか?というのが良く理解できた。
本書にあるように、あまりにも強力な周辺勢力に囲まれすぎている。
結局、欧州大陸と地続きである事、また、地中海が防波堤たりえない事が原因であろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イタリアの歴史がわかる一冊。
イタリアは小規模の国家が複数あり、各国家の形成が理解できたり、19世紀以降、現在のイタリアとして統一されたことがわかる。
全体の世界史を学んだ上で読むと、世界史の流れからイタリア史の流れを汲み取ることができるので、わかりやすいと思う。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/721035 -
コンパクトだが情報量盛りだくさん。(統一国家としての)イタリアって新しい国なのよね、と改めて。
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『10講』シリーズは、
坂井榮八郎(1935~)『ドイツ史10講』(2003)、
柴田三千雄(1926~2011)『フランス史10講』(2006)、
近藤和彦(1947~)『イギリス史10講』(2013)がすでに発行されています。
彼ら東大名誉教授トリオが自ら企画を立ち上げ
会合し、綿密な検討を重ねた末に編まれたそう。
私はその中でフランス史とイギリス史を読んで、
超難しく、もうこりごりって感じ。
なのに今回『イタリア史10講』を読む気になったのは、北村暁夫日本女子大教授(1959~)の本をすでに3冊よんでいて、とくに『ナポリのマラドーナ―イタリアにおける「南」とは何か』が面白かったので、「これならいけるかも」と。
北村教授の執筆は上の三者会談とは別で、岩波の発案によるもの。
プレッシャーを感じながら、書かれたよう。
フランス史&イギリス史とちがって、私レベルに丁寧に説明してくださって、とてもわかりやすくて良かったです。
他の『10講』に挫折した皆さんにお薦め♪
ローマ帝国、ルネサンス、バロックなどは遠い昔の話で、おとぎ話のように感じるときもある私。
でもイタリア統一以降は、日本史と一緒に歩んでいる感じで、親近感を覚えます。
〈イタリア統一から間もなく、日本は明治維新を迎えた。
日本とイタリアの近現代史の流れには、類似したところが多い。
近代国民国家の形成に向けた動き、重化学工業の始まり、政治の民主化・大衆化、そこから一転しての全体主義への道、植民地の拡張、第二次世界大戦での同盟と敗戦、戦後の民主化、高度経済成長、政権交代を可能にするための政治改革、といった具合である。
二つの国の近現代史は比較の対象として、きわめて興味深い。
だが、両者には出発点において決定的に異なる点がある。(以下略)〉
そして日本やドイツと比較、説明しています。
北村教授は近現代を専門としているので、
新しい部分が濃いです。
長らく移民をおくりだす国であったイタリアが、
20世紀末、移民の受け入れ国に転じました。
他のヨーロッパ諸国と同様の問題をかかえています。
それについてポジティヴな見方をしてみる北村教授。
〈イタリアは常に歴史の中で、さまざまな人々が往来し、それによって豊かな文化を築いてきた。
昨今の移民・難民の流入も、イタリアの新たな多様化、文化化への一つの過程なのである〉 -
古代から近現代までのイタリア史。
かけ足感があり、分量も少ないのでじっくり楽しむというわけにはいかないが、ざっくり理解することはできた -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/1766/K
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