女性のいない民主主義 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 409
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004317944

作品紹介・あらすじ

日本では男性に政治権力が集中している.何が女性を政治から締め出してきたのか.そもそも女性が極端に少ない日本の政治は,民主主義と呼べるのか.客観性や中立性をうたってきた政治学は,実は男性にとって重要な問題を扱う「男性の政治学」に過ぎなかったのではないか.気鋭の政治学者が,男性支配からの脱却を模索する.

感想・レビュー・書評

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  • 男性からするとびっくりするようなことなのかもしれないが、女性から見ると、ああ、あのことね、ということを裏づけをもって書いてくれている。女性の議員が増えればジェンダーに配慮された社会になるかというと、そう簡単ではないということは初めて分かった。これからの社会はどうあればいいか考えるきっかけになる本。

  • 勉強会で扱った、女性と民主主義に関する本。

    国内における男女格差は深刻な状況であることが、賃金格差や女性議員の数などで分かり、日本は後進国だと感じた。

    最も興味深かったのは、冷戦期の東欧諸国で女性議員の採用が積極的に行われていたこと。西欧よりも進んでいたことには驚かされた。ただこれらの国で男女格差が是正されたかは疑わしい。結局は単なるプロパガンダで終わっていただけのように思える。

    クォーター制の導入にも課題があるように思える。

    メモ:
    ポリアーキー、熟議民主主義

  • ジェンダーをキーワードとして、形式だけの民主主義から実質を伴った民主主義への進化を促す著作
    新たな視点から現在の政治学を見直す必要性を感じた。

  • 民主主義の定義がきれいに整理されていて政治学の入門書としてとても勉強になった。独裁を防ぐことが民主主義なのか、異議申し立ての機会が確保されていることが民主主義なのか、など。理念の政治ではなく存在の政治が重要だとする説があり、女性議員の増加が必要だとする論拠になっていることもよく分かった。自民党長期政権だったとしても、「どうせ変わらない」も諦めることはない、という整理も心強かった。
    ただ、男女平等が達成されていない事実や歴史に紙面が割かれており、女性議員の増加がなぜ必要なのかという説明は「男女で関心事項が異なる」という図表が2つ(かつデータ内容に重複あり)出てくる程度で少し物足りなかった。つまり、本書は「男女で社会的役割が異なる」という強い前提に立っており、「女性議員が増えればリベラルな政策が充実する」と言っているだけに聞こえる。ジェンダー平等主義者の主張には、固定的な社会的分業からの女性の解放だけでなく、経済成長の後押しといった即物的かつ既得権益者にもアピールするメリットがあることも含まれているはずなのに、前者しか語られていない。これでは「女性議員を増やさなければ」と思う読者が限られてしまうのではないかと思った。

  • この本の視点を斬新と感じてしまう自分にショックを受けた。政治関連の本を読む時はこの視点を忘れずにいたい。
    自治体職員として仕事を通してできること、一社会人としてのキャリアアップなど、間もなく女の子の母になることもあり考えさせられた。
    高校の政経の先生が、「女医」「女流作家」など女性が例外とされる場合の呼び名を挙げさせた上で、「では、逆の言葉(男性が例外)は?」というクイズを出したことがあった。答えは…「美人(美男子)」

  • 有斐閣に勧められて
    今年読んだ本の中で1番響いた
    女性のもやもやの大部分が説明できると思う
    その分他の文献でも読んで比較しないといけない。
    この本を読むとやる気が出て気持ちが飛び出してしまうけど、冷静にならないと

  • 2020年5月18日購入。

  • ジェンダーの視点を意識的に用いて考えるという書かれ方をしているのが大変面白かった。

  • まず、民主主義をどう定義するかをめぐる議論ののち、教科書的な政治概念を一つ一つジェンダーの視点から検討する中で、課題点を炙り出し、筆を進める。新鮮でありながら、非常に読みやすい、説得力のある内容だった。

    以下、メモ
    ・マンタラプションは、一部の男性によって集中的に行われているらしい。
    ・ピルと中絶手術。産婦人科医の既得権益
    ・配偶者控除の導入の経緯

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著者プロフィール

前田 健太郎
前田健太郎:東京大学大学院法学政治学研究科准教授

「2014年 『市民を雇わない国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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