民主主義は終わるのか――瀬戸際に立つ日本 (岩波新書 新赤版 1800)
- 岩波書店 (2019年10月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004318002
作品紹介・あらすじ
政府与党が強大化し,政権の暴走が続いている.政治家や官僚は劣化し,従来の政治の常識が次々と覆されている.対する野党の力は弱く,国会も役割を見失ったままだ.市民的自由への抑圧も強まっている.なぜ日本政治はここまで堕ちてしまったのか.内側から崩れゆく日本の民主主義を立て直す道はどこにあるのか.警世の書.
感想・レビュー・書評
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/729439 -
この本を読んで為になったのは「共闘の目的が改憲阻止、国会における改憲勢力の3分の2を打破」であることを知れたことです。
それ以外は、単なる妄想の世界です。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/484865302.html -
戦後民主主義、いわゆる55年体制がどのように生まれ、機能し、衰退してきたのかを分かりやすく解説しており、特に第4章の政策分類と政治勢力のマトリクスは秀逸である。どこで道を誤ったのかが一目で理解できる。しかし全体的に掘り下げが浅く、政策提言としては物足りない。
最後まで通読して感じるのは、自民党、野党ともに著しい劣化が進んだ元凶は小選挙区制の導入であると確信する。これにより自民党内の多様性が消失し、官邸の暴走を許し、「悪夢の民主党政権」の反動で政権交代への拒否反応=現状維持が選挙で最優先されるようになった。そもそも2017年に総選挙における自民党の小選挙区得票率は48%しかなく、こんな政党が75%の議席を獲得して数の力を振りかざすことを許す制度は民主主義とは相容れない。一刻も早く中選挙区制に戻すか全議席を比例代表にすべきだ。でないと政治家と国民の劣化が行きつくところまで行ってしまい、ヒトラーのような人物が国を指導する社会が間もなくやってくるだろう。市民革命を経験していない日本人に二大政党制を操るには荷が重すぎる。 -
(特集:「政治/民主主義/選挙」)
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00552287 -
与野党がより真剣にやりあうために小選挙区制が導入され(椅子取りゲームの椅子が少なくなった)、これが野党にとっては不利になっていること等、不勉強で知らなかった制度的な事柄が多く勉強になった
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安倍政治を一言で言えば、民主主義のルールを平然と破って恥じない政治だ、著者は民主主義に照らして安倍政治を厳しく批判し、民主主義を蘇らせるための提言もしている。
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「日本は、文句を言うが自分では動かない、なんちゃって民主主義」と誰かが揶揄していた。
聞いた当時は面白い例えだと思って苦笑いしたけれど、現在は笑えなくなった。
打開するためにはどうしたらいいのか。そのヒントを求めて本書を読んだ。
山口氏が提示する方策に僕は概ね賛同。批判し合いながら健常な民主主義を構築しなければならないと思わされた。
現状の日本を顧みると、論点すり替え、批判の排除や無視など、なんちゃって民主主義の次ステージに突入した感がある。