律令国家と隋唐文明 (岩波新書 新赤版 1827)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318279

作品紹介・あらすじ

中国の王朝が隋から唐へと移り、朝鮮半島から戦火が迫る。古代日本の律令国家は、そうした極度の軍事的緊張のなかから生まれた。国土防衛と権力集中への模索から、海を介した人々の知的交流、制度にとどまらない文明の継受によって、独自の国制を築く過程を描き出す。東アジアを舞台とした、「日本」誕生のドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 遣隋使を派遣することになる緊迫の東アジア情勢から書き起こされ、隋唐文明を一通り受容し律令国家として基礎が固まる嵯峨天皇あたりまでを一気に解説します。コンパクトですが安易な部分はありません。「倭」ではなく「日本」を国号として認めさせる場面は日本が志高い青年に思えます。遣唐使が求めたものは珍品装飾品の類ではなく万巻の書物でした。必死に外国人を受け入れ、高僧鑑真を招聘する姿に「坂の上の雲」を目指す日本人が重なりました。中国の歴史ドラマを見ていると玄宗皇帝が日本に暦を下賜したと言っています。吉備真備が持ち帰り、藤原仲麻呂が施行した「大衍暦」でした。当時最先端のテクノロジーですね。

  • 国郡里制や条里制について知りたかったので期待と異なる内容だったが、知らない事ばかりで興味深く読めた。特に平安以前の日本政府がこんなにも外交を活発に行っていたとは全く想像外だった。

  • 今も昔も大国との距離の取り方は大変なんだな。そして、振り合わされtるのは同じなんだな。

  • 20200818-0829 大和朝廷の成立、壬申の乱から天平時代、平城京に至るまで、隋唐の影響は大きかったことを再認識させられた。

  • 日本の奈良時代、大陸に遣唐使を送ることによって唐の最新の優れた支配体制を学び、それが律令制という形で結実する事になる、その変遷を史料を追いながら解説した本。難しい漢字が多数出てきて読めない事もあり、自分には少し難解に感じた。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou29001.html

  • 2020年3月4日購入。

  • 奈良時代について、つい政治史などに目が行ってしまうのだが、このような制度史的な部分はやはり重要。なるほどと思わせる部分多々。歴史はいろいろな面から見ないといけないと改めて思った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1827/K

  • タイトルの通り、律令国家成立に至る過程を、中国を中心とする東アジア情勢との関連の中で解き明かしていく。資料や先行学説の紹介もきめ細かく、古代史研究の最前線に触れることができる、充実の一冊である。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。主要な著書に『日本の歴史06 道長と宮廷社会』(講談社学術文庫、2009年)、『律令国家と隋唐文明』(岩波新書、2020年)、『藤原道長 摂関期の政治と文化』(山川出版社、2022年)など。

「2023年 『藤原道長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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