SDGs――危機の時代の羅針盤 (岩波新書 新赤版 1854)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318545

作品紹介・あらすじ

地球1個分のキャパシティを超えない「続く世界」を目指す17のゴール。2030年の期限まで10年を切り、パンデミック下の今こそ、危機の時代の羅針盤としてその真価が問われている。日本政府の交渉官と開発・環境関係のNGO代表とが、SDGsのイロハ、交渉秘話、SDGsの現状、プロが見たその強みと展望などを漏れなく紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 2013年から2014年にかけて議論、調整され、やっと2015年にまとまったSDGs 。苦労してまとめた割に認知度度が低く、政府な企業による取り組みも鈍い。
    一刻と早く解決しなければならない問題が山積されていることが、ここで明確にされたにもかかわらず、それを推進する側にも熱意があまり感じられないのが残念である。
    もちろん、草の根レベルでの活動の報告などもあったが、あまりにも目標達成とのギャップがあり、暗い気持ちにならざるを得ない報告だったのが、残念である。

  • 日本政府の元SDGs交渉官である南氏と、現役NGO職員で民間セクターからSDGs策定に貢献した稲場氏の共著。稲場氏には前職でお世話になったこともあり、本を物したと聞いて即購入。

    南氏の立場と経験を活かし、SDGsの成り立ちや交渉の裏話を楽しむことができるのが面白い点の一つ。他のSDGs解説の本では、こういった各国のSDGs策定における思惑や経緯を知ることは難しいと思われる。
    中盤以降は、稲葉氏と南氏の人脈や経験に基づく、SDGs達成に向けた様々なアクターの取り組みの実例が紹介されていく。SDGsを絵空事にしないためには、地方自治体や個人といった「下からの力」が必要なのだということがよく分かる。
    終盤では、SDGsのうち主だったゴールを達成するためのヒントや視点についてまとめられている。著者2名が冒頭で断っている通り、17のゴールすべてについて扱うのは難しいということで、取り上げられているのは半数程度。元々、SDGsのゴールやターゲットは膨大なので致し方ないところもあるが、ページ数が増えて価格が上がってしまったとしても、もう少しだけ多くのテーマを取り上げてほしかった、という気持ちもある。

    COVID-19以降に出版されたこともあり、今、人類が直面している「新しい危機」と、2020年以前から存在していた「古い危機」とを、SDGsを軸に繋ぎ合わせ、関連づけて考えることができるように工夫されている。概論に留まるところもややあるが、2020年末時点のSDGs入門書・概説書としては最良の部類に入るのではないか。

  • 小論文対策推薦図書 学際系

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00298431

  • ここ数年「SDGs」という言葉をよく耳にする。私の職場でもSDGsの取り組み例を募集!みたいな案内が来ていたっけ。
    SDGsは「持続可能な開発目標」と翻訳されるものだが、2030年を期限とする17のゴールと169のターゲット、および232の指標を示して、地球の再生能力を超えない持続可能な世界を目指すという国際的な取り組みである。
    本書はSDGsの概要、日本での取り組みなどが簡潔にまとめられているので、大人向けではあるけれども入門書としてはよく整理されていると思う。
    SDGsをテーマにした本が数多く出版されている中で、本書のオリジナリティとして挙げたいのは、日本政府代表として国連で交渉にあたった当事者である著者が、合意文書の採択に向けた交渉過程の舞台裏を明らかにしている部分で、ここが一番面白く読めた。
    まあ個人的には、SDGsの目指す方向性は疑いなく正しいという暗黙の大前提のうえで書かれているので、SDGsの理念に対して批判的な視点があまり見られないところは物足りないところではある。個々の内容を掘り下げていくと結構ツッコミどころはあるように思われ、本書の不足分を埋めるために別の本も読んでみたのだけれど・・・。(続く)

  • 【配架場所】 図・3F文庫・新書 岩波新書 新赤版no.1854

    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/450064

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001177673

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50219460

  • SDGについての研究書ではなく、政治的説明の本であった。民間運動についても少しは説明されている。卒論で研究するために、SDGについて政治的な説明としてはいいかもしれない。グレタさんについても少しは言及しているが、ほんのわずかに触れているだけでその説明はほとんどない。グレタさんについてはNHKのテレビ番組で見た方がいいと思われる。

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著者プロフィール

ジャズ・ピアニスト、作曲家、エッセイスト
1960年東京生まれ。1986年東京音楽大学器楽科打楽器専攻卒業。
ピアノを宅孝二、クリスチャン・ジェイコブ、スティーヴ・キューンに師事。1988年バークリー音楽大学から奨学金を得て渡米。ボストンを拠点に活動する。1991年バークリー音楽大学パフォーマンス課程修了。1990年代からはスイス、フランス、ドイツ、デンマークなどに活動の範囲を拡げ、ヨーロッパのミュージシャンと交流、ツアーを敢行。国内では自己のグループ「GO THERE」をメインに活動、綾戸智恵、菊地成孔、ジム・ブラック、クリス・スピード、与世山澄子との共演でも知られる。
文筆にも定評があり、著書に『白鍵と黒鍵の間に──ジャズピアニスト・エレジー 銀座編』(小学館文庫)、『鍵盤上のU.S.A.──ジャズピアニスト・エレジー アメリカ編』(小学館)、『マイ・フーリッシュ・ハート』(扶桑社)、『パリス──ジャポネピアニスト、パリを彷徨く』(駒草出版)がある。

「2021年 『音楽の黙示録 クラシックとジャズの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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