グローバル・タックス: 国境を超える課税権力 (岩波新書)

著者 :
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感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318583

作品紹介・あらすじ

所得税のフラット化、法人税率の引き下げ、タックス・ヘイブン利用による租税回避・・・。GAFAはじめ巨大多国籍企業が台頭する中、複雑化し、苛烈を極める「租税競争」。その巧妙な仕組みを解き明かし、対抗していくためにEU各国などの国際社会で模索が進む、旧来の国民国家税制と異なる新しい「課税主権」の在り方を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • グローバル化とデジタル化により今起こっていることふまえ、租税民主主義実現に向けたグローバルタックスへの道筋を示す、示唆に富む本。後書きも泣ける。筆者の志の高さに敬意を表したい。

  • 多国籍企業が租税回避を行っていること、およびそのやり方については、日経新聞等から知ってはいたが、本書を読むとその実態がよく分かる。

    制度上可能であれば当然やるだろう。本書でも触れている通り、常に収益を上げなければならないし、収益に対する株主のプレッシャーもあるからだ。

    しかし税逃れは、税負担の公平性という観点からも決して許されることではない。そこで各国政府または政治経済同盟が、課税の仕組みを作る。それに対し多国籍企業がと、いたちごっこが続いているさまは興味深い。

    この問題を解決するための手段が、タイトルにもなっているグローバル・タックスである。しかし、各国の思惑もあり、うまくまとまっていない。

    それでも筆者は、課税権力のグローバル化が不可逆であると主張しているが、果たして。

  • 第1章 資本主義とともに変わりゆく税制
    はじめに
    1 グローバル化/デジタル化で問われる課税権力ーー本書の主題
    2 資本主義経済と政策課税
    3 問われるグローバル化への対応能力

    第2章 グローバル化と国民国家の相克
    1 グローバル化の税制へのインパクト
    2 「租税競争」の進展と税負担のシフト
    3 不公平性を強める税制

    第3章 立ちはだかる多国籍企業の壁
    1 タックス・ヘイブンへ持ち出される所得と富
    2 租税回避のメカニズム
    3 利益移転のカラクリ
    4 無形資産ーー租税回避という錬金術を可能にするもの
    5 どれほどの規模の租税回避が行われているのか
    6 租税回避を助け、国際協調を妨げる者

    第4章 デジタル課税の波
    1 グローバルに広がるデジタル課税の波
    2 なぜ国際課税ルールの見直しが必要なのか

    第5章 新たな国際課税ルールの模索
    1 新たな国際課税ルールは可能か
    2 OECDによる新しい国際課税ルールの提案
    【コラム】 税収効果を試算する

    第6章 ネットワーク型課税権力の誕生
    1 ネットワーク型課税権力とは何か
    2 多国籍企業課税ベースの共有化ーー「独立企業原則」から「定式配分法」へ
    3 歯止めとしての「グローバル最低税率」導入提案
    4 「課税権力の新しい形」をめぐる攻防

    第7章 ポスト・コロナの時代のグローバル・タックス
    1 新型コロナウイルス感染症がもたらした衝撃
    2 国境を越える課題とその財源調達ーーグローバル・タックスの理念と可能性
    3 EU財政同盟への途?

    終 章 租税民主主義を問う
    1 国境を超える課税権力
    2 歴史から将来を照射するーードイツの事例に学ぶ
    3 多国籍企業・国家・租税民主主義

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/536678

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1858/K

  • 345.1||Mo

  • 20201204-1230 所得税のフラット化、法人税率の引き下げ、タックスヘイブン利用による租税回避など、現代の税制の抱える問題点を列挙しつつ、旧来の国民国家税制と異なる新し「課税主権」の在り方を展望している。具体的にはEU、国連などの従来の国家の枠組みを超えた国際機関による「グローバルタックス」の現状を紹介している。国際連帯税や金融取引税は自分が税制担当だったころに導入が取り沙汰されていたけど、現在は浸透しつつあるみたいだ。
    後、あとがきにあった志賀櫻氏がなくなっていたことを知り、ちょっとショック…よくレファレンスで利用させていただいたなあ。ご冥福をお祈りいたします。

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著者プロフィール

京都大学大学院経済学研究科教授

「2021年 『持続可能性とWell-being(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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