プライバシーという権利: 個人情報はなぜ守られるべきか (岩波新書 新赤版 1868)

著者 :
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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318682

作品紹介・あらすじ

デジタル環境の変化に伴い、私たちの個人情報は自分の知らないうちにビッグデータとして利用され、ときに安全や効率をもたらし、ときにリスクをも生み出す。個人が尊重される社会を実現するため必要となるのは、人格形成や民主主義にも関わる重要な問題として、権利としてのプライバシーを問いなおすことだ。

感想・レビュー・書評

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  •  個人情報保護の問題については、この数年、日本では個人情報保護法の改正、EUのGDPRの施行等、大きな変化が生じている。

     本書は、全体を通して、プライバシーの保護、個人情報の保護はなぜ求められるのか、その核心は何なのかについて、主に法学的観点からの考察がされている。興味深いのは、第四章「プライバシー保護法制の国際動向」で、EUと米国の取組姿勢の違いや具体的な規制の在り方に関して、政府からの「個人の自由」を確保することに主眼を置くアメリカに対し、「個人の尊厳」を重視するEU、両者の対象が論じられている。

     個人情報の保護と、データの有効な利活用、両者のバランスをどう図るのか。個人個人でも考え方は違うだろうが、制度的にどのように構築するか難しい問題だと思う。そうした難しい問題を考える上で、本書のような原理的なところからの考察は、極めて有意義だと思われる。

  • ブライバシーと一言に言ってもなかなかと複雑なものだということを感じました。

  • 大学准教授である著者が最近起きたプライバシーに関する事件やアメリカ、ヨーロッパでの考え方など自身の知見などを元に解説した一冊。

    プライバシーという曖昧な概念を日本での歴史と捉え方、アメリカとヨーロッパでのプライバシーの考え方の違いなどをプライバシーをめぐる事件などから知ることができ勉強になりました。
    また、ベネッセの名簿売買やリクナビの個人データ販売の問題、新型コロナウイルスにおける接触確認アプリなど最近の事例から法律としてある個人情報保護法とプライバシーの権利の関係や違いやインターネットにおける忘れられる権利など読んでいて考えさせられることも多くありました。

    そんな本書の中でも義務の章典と権利の章典で企業か個人のどちらにフォーカスを当てるかで解釈がかなり変わってくることやGDPRが今の日本の法制度では対応が難しいことなどは勉強になり、印象に残りました。

    本書を読んで今の世の中においてネットのなどの普及によりプライバシーに関する問題は新しい局面を迎えているとともにアメリカやヨーロッパの動向を踏まえて日本のプライバシーについての本質的な理解をもっと深めないといけないと感じた一冊でした。

  • なかなか難しいけど勉強になる本。プライバシーが憲法の論点であること、公私での位置付けの違い、各国での哲学の違いなど、ふむふむという感じ。この分野はまだまだ整理が必要そうですね。次回はコロナも踏まえ、アジアの観点も加味したものを期待。

  • 手堅いが情報量も多い。文章は読みやすくて新書のお手本っていう感じ。

  • いわゆるマニュアル本ではないが、企業で個人情報保護に関わる人は、一度は読んでおくべきかと思います。

  • プライバシーと個人情報保護の話が頭の中で上手く繋がっていなかったが、この本を読んでやっとスッキリした。知られたくないことを知られないという狭いプライバシー(恥)だけでなく、自由な思考や判断に不当に介入されないこと(人格権)まで含む概念であると理解した。そうした権利を確保するための手段の一つが、事業者の義務や手続きを規定した個人情報保護法ということなのかな。

    著者は、GDPRのように、個人の権利を積極的に広げて、独立した政府機関による監督(権利侵害の未然防止)を強化することを推奨している(ように感じた)。

    でも、やっぱりGDPRのような、データポータビリティの権利、プロファイリングされない権利、まで個人の権利が拡大していくと、少しやりすぎにならないか心配をしてしまう。プロファイリングの話もケンブリッジ・アナリティカの話がよく出てきて、それは確かに民主主義の根幹に関わる問題の可能性もあるけど(それほど大した影響力はなかったとの議論もある模様)、検索やネット通販で自分の閲覧・購買履歴に応じた広告やオススメ商品が出てきて、自由な意思決定を阻害されたとは自分はあまり感じない。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/538613

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1868/K

  • 316.1||Mi

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著者プロフィール

宮下 紘(みやした ひろし)
中央大学総合政策学部准教授. 一橋大学大学院法学研究科博士課程修了, 博士(法学). 内閣府個人情報保護推進室政策企画専門職. ハーバード大学ロースクール客員研究員. ブリュッセル自由大学ブリュッセルプライバシーハブ客員研究員, 駿河台大学法学部講師・准教授等を経て現職. 著書『個人情報保護の施策』(朝陽会), 『プライバシー権の復権』(中央大学出版部), 『事例で学ぶプライバシー』(朝陽会), 『ビッグデータの支配とプライバシー危機』(集英社).

「2018年 『アメリカプライバシー法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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