〈弱さ〉を〈強み〉に: 突然複数の障がいをもった僕ができること (岩波新書 新赤版 1898)
- 岩波書店 (2021年10月22日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004318989
作品紹介・あらすじ
中学の時、四肢マヒ、発話・視覚・嚥下障がいと共に生きることになった著者は多くの困難に直面しながら、独自のコミュニケーション方法を創る。24時間介助による一人暮らし、大学入学、会社設立、大学院での当事者研究、各地の障がい者とのつながり。絶望の日々から今までをその想いとともに丁寧に描き、また関連する制度も解説し、提言する。
感想・レビュー・書評
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天畠さん「どんどんできることが少なくなっていく自分」という自己イメージから脱却し、「責任を背負う主体」としての自分を実感したことが生きるエネルギーとなる。
報道特集に出演されていたNPOテラ・ルネッサンスの小川さんはウクライナ人を支援している。「人から助けてもらうと嬉しいと思う。だが、それが長く続いていくと無力感を感じたり存在意義を見失ったりする。私たちが何かできることを一つ一つやっていくことで自立することも可能だし、脆弱だと言われる人たちが活躍していく状況も作れる。」と仰っていた。
共通することとして、自分自身が他者に貢献するなどして自分の存在価値を認識することの大切さがあると思う。
ただ弱いものを支援する、寄付をするだけではなく、持ちつ持たれつ支え合うことが重要だと学んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重度障害者の筆者が、これまでの人生の苦労や、社会とのつながりをどのようにして創り上げてきたのかを記している。本書で「当事者研究」という言葉を初めて知ったが、当事者だからこそ発信していけることは、間違いなくあると感じる。
しかし、筆者は経済的に恵まれた家庭に育ったことが大きなアドバンテージになっていると感じる。
筆者のようなレベルまで、自分の考えや意思を表明していけるようになる「当事者」はどれほどいるだろうか。
もちろん、本人の努力は相当のものであることは本書から窺い知れるが、どうしても、先のような事を考えてしまうのである。
ただ、そうした点を差し引いても、良書であることに変わりはない。 -
重度の障害を持ちながら自分の言いたいことを発信したり他の重度の障害者の為に社会へ働きかけたりする事は素晴らしいと思うが、僕自身にはあまり学びは無かった。へぇ〜頑張っててるんだなぁ〜って思っただけ。
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突発的に複数の障害を持った著者による克明な記録
障害者というとクリーンなイメージを持たれがち
しかし狡猾なまでに生活のために戦略を駆使したことが分かる -
【内容紹介】四肢マヒ、視覚・嚥下障がい、発話困難。中学の時、突然重度障がい者となった著者は独自のコミュニケーション法を創り、24時間介助による一人暮らし、大学進学、会社設立、大学院での当事者研究、各地の障がい当事者との繋がりを、介助者とともに一歩一歩実現。絶望の日々から今までを描き、関連の制度についても述べる。
大阪府立大学図書館OPACへ↓
https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000956088 -
当事者の気持ちや考えが
沢山かかれていたため、生々しいなと
思ったりもしたけれどこれが
実際のところなんだなとも思った。
経済的にもかなり恵まれている方
なのではないかなとも。
でももっと詳細にどんな毎日を
送ってらっしゃるのか知りたかったし、
ご自身ができること、障がいをもつ側の
意見、考えをもっと世に広めたり
そういう方々にとってより生きやすくなる
社会をつくることにどんどん携わって
いただきたいなと思う。 -
障害を持った方が自宅で生活するだけでここまで大変であるとは思わなかった。
地域の社会福祉について考えさせられる。 -
11月17日新着図書:【14歳で重度障がい者に。耳は聞こえるが発話はできず意思疎通ができなかった。独自の「あかさたな話法」でコミュニケーションがとれるように。それから大学受験。大学での学び。一人暮らし。事業所の設立。社会福祉学の研究。重度の障がいがあっても、チャンスが与えられる社会にという著者の真摯な思いがつまった本です。】
タイトル:〈弱さ〉を〈強み〉に : 突然複数の障がいをもった僕ができること
請求記号:イワナミ300:Te
URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28194721
著者プロフィール
天畠大輔の作品
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