ロボットと人間 人とは何か (岩波新書 新赤版 1901)

著者 :
  • 岩波書店
4.15
  • (10)
  • (10)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 184
感想 : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319016

作品紹介・あらすじ

ロボットを研究することは、人間を深く知ることでもある。ロボット学の世界的第一人者である著者は、長年の研究を通じて、人間にとって自律、心、存在、対話、体、進化、生命などは何かを問い続ける。ロボットと人間の未来に向けての関係性にも言及。人と関わるロボットがますます身近になる今こそ、必読の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ロボットを作ることを通じて、人間を知る、、、ほんとに、それを極めてきた方なのだな、と思います。

    アンドロイドで偉人を作る意味
    (<偉人とは、社会の中で人々のポジティブな想像を喚起しながら、生きる支えになるもの>)、
    心とは
    (外から見えるもの?<オリザさんは役者とロボットの区別がない>らしい)、
    存在感とは
    (<テレノイドに足りない個人としての情報を、対話者自らが想像力を使って補完する>、ハグビーと対話をした後は顔を感じる)、
    対話とは
    (<必ずしも、言葉の意味を理解して応答することではない>、パターンで会話可能)、
    体とは
    (<脳とジェミノイドの体が双方向に繋がっている>)、
    ときて、
    9章 進化とは何か でぶっ飛んだ進化論にびっくりしました。

    そして、未来には、幸せだけでなく不幸もあるだろうけれど、人間は何を目的に生きるのかと問えば、「人間を知るため」と答えたい、という下りまでくると、ここに極まれり、と思う。

    面白く刺激になりました。

  • 読みやすい
    著者はロボット工学者だとばかり思っていたけれど、サブタイトル「人間とは何か」にあるとおり、人間を理解したいという思いで非常に学際的に(認知心理学、演劇etc.)活動されている方だとわかった。
    ロボットを用いた構成的方法による人間理解(開発したロボットから人間らしさを感じるとすれば、そのロボットには人間らしさの何かが実装されており、そのロボットを分析することで人間らしさとはなにか理解することができる)、おもしろい

  • 石黒教授は最高に面白い。アンドロイドを
    通して、ずーーっと
    人間とは何かという謎を考えすぎて、
    この本を読むと
    ちょっと狂った領域に
    到達しちまった発言もあるように
    感じました。

  • 幸せとは相対的な価値観であって過去にも未来にも幸せも不幸もある。大切なことは未来は幸せにならないかもしれないけれど、それでも未来に向かって人間は生きていくということである。未来を考える力を持ったがゆえに、未来について期待が持てなくなったとき、人間は動物よりももろく生きる力を失ってしまう。そこに人間の悲しい差ががあるように思う。

  • ロボットの制作を通して人間を探求する。構成的方法って言うのだそうな。確かに。すごく納得できる。
    驚いたのは、命令伝達システムの研究成果として、脳波で機械に命令を伝えることは既に実現できているらしい。これってガンダム世界のサイコミュシステムだよね。さらに脳の機能を機械を使ってパワーアップすることも可能なんだそうだ。つまり電脳化の技術も夢物語ではないってこと。いよいよ人間を再定義することが求められる時代になってきたんだね。

  • ロボットの研究で有名な石黒浩氏による、ロボット研究者の視点で「人間とは何か」という疑問に答えることに挑んだ1冊。
    著者が究めたいのはロボットではなく、あくまでも”人間”そのものであって、そのための手段としてのロボット研究だ、との印象を受けます。
    人間の”心”とか”意識”のメカニズムをまず解明し、それをロボットに実装するという進め方ではなく、出来るだけリアルな人間の動きや外観をまねて(本書によれば文楽人形の動きも参考にされたとの事)、結果としてそのロボットを見た人がそのロボットに”心”や”人間らしさ”を感じたならば、その段階でロボットに実装された機能を再検証して”心”や”人間らしさ”を再定義しようという方針で進められていることが説明されています。
    より人間らしいアンドロイドを目指して、顔や表情をよりリアルに作りこもうとすると、完全に人間のコピーと言ってよい水準に達しないと、却って不自然に見える”不気味の谷”という現象に陥るというのは興味深いトピックスでした。リアルさよりも、表情は抽象的にして、人間の想像力に委ねるほうが、より好感度を持たれて受け入れられるという結果が出ているそうです(アイボなんかがその例かもしれません)。誰をモデルにしたところで、人間の好き嫌いはありますから、その方が広く受け入れられるという事ですね。
    本書後半では心、存在感、対話、体、進化に細分化して述べられています。特に興味深いのは”体”についての記述で、将来的には人間は自分の体以外のロボットの手や足も自らの手足のように感じて操れるようになるだろうとのこと。ここまでくれば、もはや障害を持っておられる方も普通の生活が実現できる世の中だと言えます。
    非常に興味深いテーマについて、その研究の第一人者による著書ということで面白かったです。ただ、多くの人が手に取りやすいように著者としてはかなり大胆に簡略化されたのではないかと言う気がします。それぞれのトピックスについて、もう少し深堀してもらっても良かったように感じました。

  • すこぶるおもしろい!石黒浩先生は良く見かけるのだけど、ロボットに取り組む意味を理解していなかった。
    この本でその意味がよくわかりました。
    特に最後の二章は大いに目を開かされました。

  • ロボットの研究開発者が見ると、人間自体 分かっていないことがあまりにも在りすぎて、どれから手を付けて行けば良いのか苦労しているのがよくわかった.一般的に例えば脳の動きを考える場合、解析的な方法で追及するとあまりにも奥が深くまとまらなくなるが、構成的方法で対処するとなんとかなる由.重要な点をかなり早い時期に会得した石黒さん、素晴らしい! いろいろなロボットを開発した経緯を紹介しているが、失敗した点をある意味で自慢している感じで、非常に好感が持てた.人間に役立つロボットの出現は近いと思う.

  • 構成的方法というロボットを用いた人間理解について解説。著者の研究は単なる工学的領域に留まらず学際的で興味深いものがあるが、その応用範囲は現時点では自然科学系に留まっているように思える。今後、本格的なロボット社会がくるようになると、社会科学系や人文科学系の領域も無視できなくなると思われるが、これらの領域の研究者が「ロボット学」にどれぐらい興味をもって横断的に取り組むのかが未知数であり、課題であるように思える。個人的には科学哲学や倫理との関係に興味があるが、ロボットには意識や心がないのは明らかなので、どこまで近づけるのかがチャレンジだとは思うが、そこから「人(の意識や心)とは何か」についてどのような発見が生まれるのかに期待したい。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大阪大学大学院基礎工学研究科教授

「2017年 『枠を壊して自分を生きる。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石黒浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×