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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784004319023
作品紹介・あらすじ
現代の色彩豊かな視覚環境の下ではほとんど意識されないが、私たちが認識する「自然な(あるべき)」色の多くは、経済・政治・社会の複雑な絡み合いの中で歴史的に構築されたものである。食べ物の色に焦点を当て、資本主義の発展とともに色の持つ意味や価値がどのように変化してきたのかを、感覚史研究の実践によりひもとく。
みんなの感想まとめ
食の色や味覚がどのように形成され、変化してきたのかを探求する内容で、視覚や感覚の歴史を通じて、私たちの食に対する認識を深める一冊です。資本主義の影響を受けた食品産業の標準化が、個々の味覚をどのように変...
感想・レビュー・書評
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「自然な」色とは何か、美味しいとはどういうことかを考えさせられる本。人々や社会に本来密着した個別的な食品産業、もっと言えば十人十色であるはずの個人の味覚が、ボーダレスかつ標準化、大量生産を志向する資本主義のもとで変容し、画一化されてきたがよくわかる。アメリカのある意味行き過ぎた食品イノベーションとマーケティングの破壊力には感嘆と驚きを覚える。
いわゆる「おいしい色」は消費者個人が決めるのではなく、農家やメーカー、政府、スーパーマーケットが決めている。こう考えるだけで、食にかかわる瞬間の購買行動にも影響が出るかもしれない。
視覚優位の話が続いて来てなんだかつまらない時代なのだなあと思っていると、コラムで和菓子は五感の総合芸術だと指摘する。すなわち味、香り、見た目、舌触り、名前(菓銘柄)の響きを楽しむものだと。和菓子のユニークさを思い知る。ここはよかった。
最後の方で触れている、つくられた「自然な」色の反動でアースカラー対抗文化が勃興した話や、インスタ映えを意識した食の写真はバーチャル視覚と味覚の融合で19世紀以降の標準的なおいしい色の流れを強化しているという指摘は興味深い。
なかなかおもしろい分野を研究している人だなという読後感が残る。著者があとがきで書いていた感覚史というジャンルはおもしろそう。続編に期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あとがきに全てが集約されている
「ここで重要なのは、ある色・見た目が逸脱であると認識するためには、何がオリジナルかを知っている必要があるということだ」
感覚史(history of the senses)の実践を目指した書 -
「感覚史入門」の内容をより食産業に特化した形で、変わらずビジネス・テクノロジー・文化史という関心の巻き込み方が楽しくもあり、学ぶべき内容も担保されている。食の文化史などはライター的な書籍はままあるが、こういったものも数少ないながら同様に楽しめる。
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背ラベル:498.5-ヒ
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食材本来の色と作られた色の乖離
自然と人工の境目はどこなのか
製造工程、広告、小売、様々な切り口から色と資本主義の関係を考える -
☆R05-02-00ゆる言語学ラジオで味を表現する難しさのトピックス
レッドバナナ(茶色・皮が傷みやすく長距離輸送できなかった) 黄色いバナナと2種類
自然な色・あるべき色 印刷技術 イチゴ味レモン味のキャンディー→実際のものとは異なる
カラー広告→おいしそうに見える 合成着色料 エム&エムズ1967年に赤を外す→1987年まで11年間は赤なし
カリフォルニア州柑橘類協同組合 CFGEが鉄道会社と組んでキャンペーン ブランド名としてサンキスト(太陽にキスされるの意)
フロリダ州のオレンジは緑色の期間が長い→見た目が良くない 人工着色料
黄色いバター 草に含まれるカロテン→黄色
マーガリン 牛脂から安く大量生産・着色することを政府が禁止→着色用カプセルを一緒に販売
Dainty food déɪnṭi 繊細な、おいしい、風味の良い 上流階級の女性の象徴
ケーキミックス→時短メニュー 焼くだけ満足感を得られない→生卵は追加する必要があるように成分から乾燥卵成分を除いた→女性たちの達成感
スーパーマーケットのライト
透明フィルム→空気をコントロール可能にする→包装は見えないコントロールによって成り立っていた
広告で料理を魅力的に写した画像 フードポルノ
赤いウインナー→着色料の健康被害
プロデューサーとコンシューマー→プロシューマー SNSで食品産業、食文化全体に影響をもたらす -
社会や技術の進展と共に変化していく、食と視覚の関係を洗い直している。
漱石や谷崎潤一郎が羊羹の色を愛でた時代から、広告や陳列の工夫が消費者の選択に大きな影響を及ぼしていく時代、そして「おいしそう」というより「面白そう」という基準でSNS上で食の外観が”消費”されていく現代まで。中でも色に焦点を当てて考察している。
個人的に面白かったのは、私も含む消費者が「自然な色」と思っている食材の色が、どう作られてきたか、というところ。何が自然か、ということに問題意識は持っているつもりだけれど、どこまで知っているかとなると心許ない。地産地消がいわれるようになって久しいが、それでも口に入るものが自分の元にやってくるまでの距離が、本来の情報探索を難しくするほど遠いのだろうと思う。 -
食物の彩色のあり方(バナナの黄色、バター)
着色料の歴史 -
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普段何気なく目にする色がどのような経緯を経て、人間にとっての自然な色としての認識として定着したかについて触れられていて面白い。
ただタイトル通り、視覚を話題に出していながら、本冒頭の口絵以外の画像がモノクロになっていたのが惜しく感じる。 -
食品の色をめぐる人々の価値観や商売上の思惑から、「自然な色とは何か」を問いかける。
着色料についての話に多くページを割いている。安全性が怪しいまま使用され始めた合成着色料、バターとマーガリンにおける着色の方法など、政治も巻き込んだ争いの歴史がアメリカで展開された事例が紹介されている。
背景には、人々が味覚として美味しいものだけでなく、視覚からも味を想像して「美味しそうだ」を判断しているということがあり、売上を伸ばすために「どうしたら美味しそうに見えるか」が研究され続けている。果物の皮にまで着色が施されていた事例もあったのには驚いた。
技術が進み、実店舗でリアルに見るのではなくネットスーパーで画像で判断したり、インスタ映えのように元の素材をどう「盛って」表現するかに力を注ぐ時代になったが、人の手を加えて=自然そのものからは離れても人々が「美味しそうな色」を求め続けている図式は昔から変わらないようだ。 -
このタイトルを見たとき想起したのはインスタグラム等のSNSのことだった。もちろん終わりの方でそれにも言及しているけど、アメリカの消費社会から日本の経済成長期まで、時系列に、人々の食に関する欲求の推移がわかって、そこがとても興味深かった。大量生産される創造性とかジェンダー問題とか、そこまで食について思いを馳せたことはなかった。食卓を整えることについて、世界中の女性はいろいろ心を砕いてきたのですよね。それに応え続けた資本主義社会という大きな捉え方は思い及ばず、いいことを教わりました。
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女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055264
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一見当たり前のように見える食品の色が文化的、技術的、または政治的につくられてきたことを、生産・流通などの拡大の最先端だったアメリカを例にして教えてくれる。特にバターを生産する酪農団体が安価なマーガリンがバターに似せて着色することを禁止し、ピンクにせよという法案を求めるところなど興味深いです。
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「クリスマス」には美味しい食事を
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東2法経図・6F開架:B1/4-3/1902/K
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イチゴは赤いし、バナナは黄色だ。こんな当たり前のことが、実は人為的に作られた常識だったんだね。産業界の要請によって、より売るための方策としての結果だったなんて。何よりこの視座に感心してしまう。すごいや。
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362.06||Hi
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