スポーツからみる東アジア史 分断と連帯の二〇世紀 (岩波新書 新赤版 1906)

  • 岩波書店 (2021年12月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (286ページ) / ISBN・EAN: 9784004319061

作品紹介・あらすじ

アスリートたちの活躍を通して、国家が自らの存在を国際社会に誇示する。時に、生々しい政治的闘争の場ともなる。それが国際スポーツ大会だ。とりわけ東アジアで行われた大会には、参加各国の思惑と時々の情勢とが鋭く刻印されてきた。政治が作りだし、深めた分断と、アマチュアリズムの理想はどのように向き合ったのか。

みんなの感想まとめ

国際スポーツが持つ多面的な役割と、その背後に潜む政治的な力関係を深く掘り下げた作品です。特に東アジアにおけるスポーツの歴史は、国家間の緊張や対立を反映しながら進展してきました。著者は、冷戦構造がスポー...

感想・レビュー・書評

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  • 国際スポーツは単なるスポーツではない。対外的には、国家の存在を国際社会に知らしめる場であり、さらに競技の活躍によって国家の威信を示すこともできる。対内的には国民を統合し、政府への支持を高める装置にもなった。(略)だからこそ、包摂と排除の政治が繰り広げられたのである。<本書より>
    まったくその通りだと思う。特に東アジアでは「二つの中国」と朝鮮半島問題がある。きな臭くならないはずがない。
    もうスポーつは欧米の一部上流階級のものではないのだから。とはいえ連中がそう思っていないところがややこしいけど。

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1906/K

  •  五輪を中心に、戦後アジアでの政治とスポーツの関係をたどる。
     本書の視点の第一が「包摂と排除」。今でこそ中台も南北朝鮮も、「チャイニーズ•タイペイ」との名であれ五輪参加を疑問に思わなかったが、ほんのここ30年ほどのこと。それ以前は五輪も含めた国際スポーツ界で激しい戦いが続いていた。文革の影響で一度は国際スポーツ界を去った中国が70年代に(台湾の排除と共に)より大規模に包摂される過程は、中国の国際的地位拡大の過程と重なる。また、スポーツと「2つの中国」問題は満洲国の時代からあったことも知る。
     第二の視点が「スポーツと政治」。分断国家のほか、先進国中心の国際スポーツ界への反発から生まれた新興国競技大会(ガネフォ)も十分政治的だ。日本のスポーツ界で非政治主義が唱えられていたのは、アジア諸国の熾烈な政治闘争に無縁だったという「自らの特権的な立場に無自覚だったから」だと著者は評する。
     そんな日本スポーツ界も、モスクワ五輪はボイコット。政府ではなくJOCの決定だったわけだが、結局のところ政府の意と異なる決定は困難だったわけだ。
     第三の視点が「世界とアジア」。スポーツも含めてアジアに非政治化を求める日本と、十分に政治的なアジアのギャップ。アジアの盟主を自任しつつアジア大会より五輪重視の日本。その結果、日本は孤立したというのが著者の分析だ。

  • 780.22||Ta

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著者プロフィール

1970年生まれ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授。専攻はスポーツ史、東洋史
著書に『帝国日本とスポーツ』(塙書房)、『軍隊とスポーツの近代』(青弓社)、『国家とスポーツ』(KADOKAWA)、『スポーツからみる東アジア史』(岩波書店)、共編著に『スポーツの世界史』(一色出版)など。

「2024年 『満洲スポーツ史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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