世界史の考え方 (岩波新書 新赤版 1917 シリーズ歴史総合を学ぶ 1)

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感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319177

作品紹介・あらすじ

近現代の日本史・世界史を総合し、近代化、大衆化、グローバル化の歴史像を考える高校の必須科目が始まる。シリーズ第一巻は中国史、イギリス史、アメリカ史、アフリカ史、中東史の歴史家とともに、近現代史の名著を題材に、歴史研究の最前線や歴史像の形成過程、概念に基づく比較、問いや対話による歴史総合の実践を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 話題のスケールは大きく、世界の細部への目配せはすごい、と思う。
    とはいえ、参考文献が岩波のものばかり、というのが、あまりといえばあまり。
    このシリーズは、歴史総合などといいつつ、彼らのフレーミングをインプリントしようとするものではないか、とも見られてしまうだろう。小川はともかく、成田は臭みがありすぎる。歴史の進行に対して、「本当はこうなるはずだったんだ。ああそれなのに、彼らのせいで・・」と言いたがっているのが透けて見えるような気もする。

  • 2022年4月から高校新科目「歴史総合」が始まる。これを契機に歴史の捉え方を歴史叙述を通して前近代から現代まで深めていくという試み。私が高校性の時は世界史・日本史と区分されていて、しかも古代から現代までを通時的に、個々のイベントを単に暗記していくという授業しかなく、一方そのころ日本or世界では?という俯瞰したものはとか複合的な視点で読み解くなんてものはなかったな。さらにいうと、近代以降ってそんな重点置かれていなかった気がする。

    通俗的に持っている印象とは異なる視点を提供してくれている、多面的な視点で過去から現代、未来を歴史学を通して想像する、そういった力が必要なのだな。
    フランス革命や世界大戦を国家間の問題として取り扱うか、その時代に生きた市井の人々の視点から取り扱うかで同じテーマも異なる解釈がありうる。産業革命もイギリスと後進的な日本では成り立ちが異なるとか、一義的にこうなのだとは言い難いことを便宜的にひとまとめに覚えるし、そう教えられてきた。歴史を学ぶ根本的な意義について、考えされられますね。

  • 読書会の図書として読んだけど、とんでもなく深い内容だった。
    これを高校生が勉強するのだとしたら、素晴らしいことだと思う。
    シリーズ2冊目も楽しみ。

  • 2022年から高校で「歴史総合」という新しい科目の授業は始まることを受けて、歴史家の先生方の議論をまとめたユニークな著書だ.課題図書に相当する本を選択して、それをベースに議論を進めるという形だが、文系の方々には違和感のないものらしいが、専門分野が違う先生方が盛り上がる議論を展開させていることに驚いた.日本史と世界史を分けないで総合的に学んでいく方法は面白いと感じた.包括的な捉え方でなく、個人ベースの事実を基にした歴史の構築を目指しているのだと理解した.気になったキーワードは、複合革命論、鉱物依存型経済、門衛国家、りドレス運動、無限定性、植民地責任、アフラシア.

  • 読書猿さんのおすすめで読み始めたが、対談型の歴史というスタイルに驚いた。複数人の視点が絡み合って重層を成していることもこの本の特徴だろう。
    またその対話を通じて「世界史の考え方」という書名に結びついているのがとても興味深い。

  • 面白かった。シリーズらしいので他のも読もうと思う。アジア太平洋戦争を民族ではなく人種の問題だと語ったあたりがこういう考えもあるのかと思った。

  • vi
    「歴史知識万能論による…」
    歴史認識
    ・事実の認識 歴史実証
    ・事実関係の解釈 歴史解釈
    ・解釈の意味の検討 歴史批評
    ・研究成果の表現 歴史叙述
    +歴史対話
    +歴史創造(歴史主体としての社会参画)

    23
    川北の世界史学

  • 高校の新科目「歴史総合」。中国史、イギリス史、アメリカ史、アフリカ史、中東史の歴史家とともに、近現代史の名著を題材に、歴史研究の最前線や歴史像の形成過程、概念に基づく比較、問いや対話による歴史総合の実践を示す。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/webopac/BB40288735

  • オーディブルで読了。
    歴史総合という学びについて、どのように歴史を解釈するのかという目線でいくつかの本を種に話し合うという構成。
    超頭の良い人たちの読書会に参加している気分になれる。
    歴史をある程度勉強したことがある人は絶対にこの本を読んだ方が良いと思う。今までの知識の断片がこれまではなかった繋がり方をすること間違いなしだ。

  • 背ラベル:209.5-レ-1

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