世界史とは何か 「歴史実践」のために (岩波新書 新赤版 1919 シリーズ歴史総合を学ぶ 3)

  • 岩波書店 (2023年6月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (270ページ) / ISBN・EAN: 9784004319191

作品紹介・あらすじ

教員七年目、松本サリン事件の現場から近い高校に転勤した著者が生徒たちと模索した教育実践、歴史総合の授業を充実させるための作戦(方法)を経て、学習指導要領の内容とはかなり異なる授業プラン、「世界史の学び方一〇のテーゼ」まで。国民国家とは何かを掘り下げ、世界史とは何かを探究し、自分を磨く特別授業。

みんなの感想まとめ

歴史を学ぶことの重要性を深く掘り下げる本書は、著者の実体験を通じて教育実践の新たな視点を提示しています。松本サリン事件から始まるストーリーは、読者を引き込み、歴史教育における対話やリスペクトの重要性を...

感想・レビュー・書評

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  • 新書で歴史を読む 第3回 小川幸司さん[長野県高校教員](2019年8月14日)
    https://www.iwanamishinsho80.com/post/kojiogawa

    「新しい見方」と出会う歴史教育とは?(話題提供:長野県蘇南高等学校 校長 小川幸司) | VIEW next Online(2022/07/01)
    https://view-next.benesse.jp/innovation/page/article11118/#

    世界史とは何か - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b625953.html

  • どうしても授業時数との戦いになりがちな、新設されたばかりの「歴史総合」。
    歴史総合になったからこその強みがある。

    対話すること、いのちに対するリスペクト、ファクトチェック…メモをとりながら読んだ本でした。中学生にも生かせそうだがどうだろう?

  • 世界史教育史および世界史/歴史総合教育の(史学系人文アプローチとして手堅い)トピック集・兼・エッセイ集だった。松本サリン事件の話から始まるところに面喰らいつつ、そのことが著者自身の実体験および教育実践経験と相俟って優れた導入になっていた。世の残酷さに対して歴史学のアプローチで立ち向かえるような優れた思考法が、理論的にというよりはドリル演習的に、経験できる。それでいてその語られる志向にはリベラルアイロニスト的なものさえ感じさせる(リチャード・ローティ的)。

    歴史的事項が単なる暗記学習でないとすれば、どのような問いで世界史の記述に向かい合えば良いか? という点についても幾つか提案してくれており、複周回の読書に堪えると感じた。章ごとの参考文献も、良質な読書案内を兼ねており信用できる。

    ベンヤミンと保苅実、遅塚忠躬に関する言及が多い。天野為之(『萬國歴史』など)、「世界史」課程を提案した斎藤斐章(『中等世界史要』『實業教育外國史』)などが、明治政府の『史略』『萬國史略』『日本史略』の後に紹介されていた。

  • 冒頭の著者の実体験である松本サリン事件の話からグイグイと読ませます。結果的にその段階から本書の“歴史実践の実践”とも言うべき土俵の上にまんまと乗せられていた訳で、最後まで読み進めた結果大きな感銘を受けました。これぞ名著!という感じです。
    また、本書の出版は2023年6月ですが今現在パレスチナの地を蹂躙するイスラエルによる史上最悪の人種虐殺について、奇しくもその歴史背景や捉え方についてクリティカルな解説がなされています。その点においても歴史を学ぶことがいかに重要であるか、歴史を軽視した時にいかに深刻な問題が生じるか、深く深く教えられました。

  • 爆弾みたいな新書でした。読みながら自分の固定観念がぼんぼん爆発していく感じに驚きました。いきなりの松本深志高校の教員として「松本サリン事件」にどう向き合ったかというエピソードにも面食らいますがそれがファクトの曖昧さへの対峙の仕方に繋がりベンヤミンの「危機の瞬間にひらめく想起をわがものにする」という言葉の紹介になり映画「ショア」の上映会に至ります。その過程の容疑者の娘の生徒さんのエピソードも胸熱です。「松本サリン事件」からの「ユダヤ人虐殺」へ。そしててIRAの爆弾工場と同じように歴史学が爆弾工場になる、というホブズホームの言葉へ。著者は2022年から始まった高校新科目「歴史総合」を機会と捉え上から教えられる歴史ではなく、生徒が自分で考える歴史を作ろうとしている人です。そのために校長という管理職を辞して一教員に戻ろうとしている人です。そのキーワードは「歴史実践」。「世界と向き合う世界史」と「世界のつながりを考える世界史」。それを考える素材がどんどんこの薄い新書に投げ込まれていきます。「アヘン戦争」からの「廃プラスピック輸出」、「アメリカ独立戦争」から「南北戦争」への黒人主語化、女性主語化、「血の一滴の掟」を巡るアメリカ、ドイツ、日本の共通点、「戦争違法化」の歴史、「民族浄化」という爆弾工場、そこから生まれる「パレスチナ問題」、そして福島の問題…うわ〜!どれもこれも黒白つけられないテーマです。それは現実の世界が黒白つけられない世界地図になっているからです、きっと。現在がこんなに混迷しているのに歴史だけすっきりは、ないのです。この新書、恐るべし。歴史家グレグ・デニングの言葉「書くということは、グランド・キャニオンにバラの花弁を落とし、爆発を待っているようなものだ」。バラの花弁,落とされました。

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1919/K

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90374235

    (推薦者:人間発達文化学類 鍵和田 賢先生)

  • ふむ

  • 図書館で借りた。
    時には静かに考えることも必要

  • あの松本サリン事件の現場から、それほど離れていない松本深志高校で考える、松本サリン事件(特に河野さんを犯人扱いした報道等を中心に)に始まり、パレスチナにおけるNakba(ガザ回廊等)の物語へと至る、この本の内容(流れ等)を辿るのは、なかなか大変な事でありますが、★四つであります。

  • OK3c

  • ここで提唱されている授業計画は「なる程」と唸らされるものばかりで素晴らしい。現役の高校教員である著者の実践を通したものなのだろう。
    ただ、これを実践していくには生徒側にそれなりのリテラシーが求められるし、展開のスピードにも制約があるだろう。どれだけの学校でこれが実現できるだろうか。

  • 高校の世界史総合が実施されるにあたり、歴史総合における世界史と日本史の考えや学習について高校で教える立場から述べたものである。高校での実践が多いが、大学生も大学で歴史を学習する前に読んでおくことで、歴史とは何か、ということが考えられる本である。

  • 【請求記号:375 レ 3】

  • <目次>
    第1章  私たちの誰もが世界史を実践している
    第2章  世界史の主体的な学び方
    第3章  近代化と私たち
    第4章  国際秩序の変化や大衆化と私たち
    第5章  グローバル化と私たち

    <内容>
    『歴史総合』という新しい授業に対する本の第3弾。より実践的な内容となっていて、『歴史総合』を効果的に、面白くしたい教師向け。ただし、世界史はもちろん、様々な分野の勉強をしておかないとこうした授業実践は難しいだろう。この本をベースに、日本史、国際関係、哲学、経済学、政治学…と深く読み込んでおく必要がある。

  • 背ラベル:209.5-レ-3

  • 登録番号:0142260、請求記号:209.5/O24

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