高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば (岩波新書 新赤版 1948)

  • 岩波書店 (2022年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (276ページ) / ISBN・EAN: 9784004319481

作品紹介・あらすじ

毎週金曜、夜開く学校として高い人気を誇るNHKラジオ番組「飛ぶ教室」。その冒頭約3分間のオープニング・エッセイ最初の2年分を収める。コロナが流行り出し、誰もが不安に打ち沈んでいた時期に贈られた、時に切ない、滋味あふれる温かなメッセージ。特別付録として話題作の書き下ろし朗読用ドラマ「さよならラジオ」も初収録!

みんなの感想まとめ

心に響く温かなメッセージが詰まったエッセイ集で、特に不安な時期に寄り添う内容が魅力です。毎週金曜に放送されるラジオ番組の冒頭エッセイをまとめたこの作品は、時に切なく、時に心を和ませる言葉が散りばめられ...

感想・レビュー・書評

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  • いつもの整形外科医院の本棚からお借りした
    金曜日のラジオ番組「飛ぶ教室」の冒頭数分間のエッセイをまとめている
    この番組、面白そうだなあ

    ぴかりと光る言葉
    メモしながら読んだ
    でも忘れるのよねえ

    「自分の中に変わらず生きている少年や少女に気づくことが大人になること」とか いいなあ

    ≪ さまよって ことば音楽 待つ人へ ≫

  • 高橋源一郎の飛ぶ教室 - NHK
    https://www.nhk.jp/p/gentobu/rs/Q8WXZR1XWJ/

    高橋源一郎の飛ぶ教室 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b615166.html

  • インテリ源ちゃんの境地を示すエッセイ集。ゆったりしておススメ。

  • 母の友で紹介された本。
    病院の待合、昼休み、どこでも読めるので重宝している。

    大事なことに気づかせてもらえる、珠玉の短編集。

  • NHKラジオ番組の「飛ぶ教室」は時々聴いている。興味深い本が紹介されたり、ゲストの話がとても良かったり(伊藤比呂美さんのお話は本当に面白かった)、落ち着いて聴ける番組だと思う。本書は、その放送の最初のおしゃべりをまとめたもの。やはりあれは、ちゃんとしっかり考えた原稿だったのだ。短くてもの足りない時もあるけれど、味わい深いものが多い。

    ・指揮者ベンジャミン・ザンダーがTEDカンファランスで行った講演で、アウシュビッツ収容所の生き残りの女性の言葉を伝えていた。彼女は15歳の時アウシュビッツに連れてこられた。その時一緒に来た8歳の弟が靴をなくしたのを見て「なんてバカなの!」と言ったが、これが彼女が弟に最後に言ったことばになった。弟は生きて戻れなかったのだ。彼女は誓いを立てた。「生きて戻れるなら、それが最後のことばになるとしたら、耐えられないようなことばを二度といわない」と。高橋さんは「ことばを大切にしてくださいという、ザンダーのメッセージです」と結んでいる。

    ・高橋さんは、自らの父を「最低の父親だった」と思ってきたが(これにはそれなりの事情がある)、ある日自分の幼い息子さんに歯磨きをさせていた時、自分がその父と同じ顔つきになっていたことに気づいて、ひどく動揺したそうだ。
    「父もまた、いまのぼくが子どもに注ぐような愛情を隠しもっていたのではないか」「ぼくはすっかり父を忘れていたのに、父はぼくのことを忘れていなかった、そんな気がしたのです」
    「親と子はいちばん近くにいる他人だと思います。親は子どもを理解しようとしてできず、子は親を理解しようともしません。なぜなら、子どもはいつも、親ではなく未来を見ているからです。そして、親はその後ろから、子の背中を黙って見つめるだけなのかもしれません。そして、子どもは、自分が親になって初めて、自分がそうやって見られていたことに気づくのです」
    自分は子どものことを考えない日はないが、おそらく独り立ちしていった子どもたちは親のことなどほとんど考えないと思う。そう思うと寂しくなるけれど、自分だって若いころは親のことなど考えなかったわけで、それでいいんだろう。

    ・今回いちばん心に残ったのは、パンクロックバンド銀杏BOYZの峯田和伸さんのインタビューから紹介された言葉だった。ずっと心にモヤモヤしていたことがズバリ言葉になっている。胸を打たれた。
    誰かが何かしでかすと、みんなが「謝罪しろ」という風潮。有名人が亡くなると、みんなが一斉に「ご冥福を」と声をあげること。どうして、みんな「関係ないね」といわないのか。
    「世の中で何かが起こった。さっぱり関係ないはずなのに、『私はこう思う』とか、世界とすごくくっついちゃってさ。本来、自分と世界なんて違うじゃん。別に関係ないんだもん。世界と一個になろうとしてるんだよね。世界と一個になんかなれないよ。そんなの」
    「ネットってさ、最初のころはすごい楽しみで『あっ、世界が近くなる』『もっとわからない世界が知れるようになる』ってワクワクしたんだけど、今はそんなにワクワクしない。広がると思ったのに、どんどん狭くなっちゃって」
    その通りだとしみじみ思った。

  • ラジオ番組〝夜開く学校「飛ぶ教室」〟のパーソナリティを務める高橋源一郎サンの番組冒頭でのオープニング・エッセイ二年分が収められた岩波新書版。 2020年に始まった〝はじまりのことば〟では、コロナの時代に揺れる現代社会と、2500年前に書かれた孔子の『論語』の世界観が語られる。そして2022年、ロシアのウクライナ軍事侵攻に揺れる世界情勢を背景にした、作家・高橋源一郎サンの切なくも滋味溢れ出るメッセ-ジに深く酔い痴れる。巻末の特別付録『さよならラジオ』では、筆者の哀調あふれる心情がしみわたる。

  • ラジオで毎回聴いているはずなのに、1年前以上のものはすっかり忘れている。
    聞いた当初は、心に残っているというのに。

    著者の有難い言葉でも、深く心に残るのはなかなか難しいし、文章として残ることには意味がある。

    しかし、文章にも残っていない言葉に感銘したり、人生を左右する言葉ってすごい力なんだと、改めて知らしめてくれたこの本は。

    これからも「はじまりのことば」心して耳を傾けます。

  • 何とも、普段から考えて生きるとはこういうことなのか。決して難しく考えるのではなく、あらゆることに疑問と興味をもつことなのだ。でも反骨精神だけではなく、判らぬことを教えて貰えれば、素直にうけいれる。その度量の大きさが、最終的にはご自分の器の大きさになっている。

    例えば、ひとつのヒントに「いつもの道を逆向きに歩く」というのがある。見慣れた道も凄く新鮮、同じものなのに少し角度を変えればまるっきり違ったものに。これは道に限らず、すべてのことに当てはまるのではないだろうか。


    明日からの散歩は、早速逆回りでおます。

  • 普段あまり男性が書いたエッセイを読まない私が、この本を読んでみようと思ったのは、新聞の人生相談欄で著者が回答しているのを読んだことがあったからです。
    人はきれい事や、「前向きに頑張ればいつか報われる日がくる」なんていうポジティブな言葉だけでは立ち上がれない時がある。
    一見厳しく、突き放したような回答にも、著者の経験に基づく考えや愛情が込められていて、とても誠実さを感じていました。

    著者の小説を読んだことはないし、ラジオも聴いたことはないのですが、この本は読んでよかったです。

  • どれも珠玉のような、そして心温まる87話と、おまけというにはもったいないような著者自身によるの短編作品。どのお話にも、著者の人柄が色濃くにじみ出ている。

  • 隙間時間に読めるのに奥深い何かをさらっと心に残していく。

  • 毎週金曜の夜開く学校。NHKラジオ番組「飛ぶ教室」の冒頭約3分間のオープニング・エッセイ2年分。コロナが流行り出しコロナと過ごした日々の中で放たれたメッセージ。どれも高橋さんならではの味があって響く。文章を読んでいるのに耳で聞いているみたいだった。折々で読みたい。本編の本の紹介の方も書籍化したらいいのに

  • まず、最初に、毎週、ラジオ番組の冒頭3分のお話を書き続けることが凄いなぁと思った。
    作家という職業柄とはいえ、本の話とゲストの対談の準備の他に、これだけバラエティに富んだ話のネタを常に探すのかー!と思いながら、感心して読んだ。

    読み進めていると、私だったら見過ごしてしまうだろうと思うような、小さな出来事にも着目する繊細な感性と、そのときの情景や心情がうかぶ瑞々しい表現に、ところどころはっとさせられた。

    私が一番好きな話は、P52『「待つ」ということ』。
    作者が若かりし頃、拘置所で過ごした経験の話。
    私の子供時代は、携帯電話もインターネットもなく、待つという場面が今よりも多かったように思う。
    現代は、すぐ連絡取れるし、いろんなものが手に入るから、以前に比べて、自分が堪え性がなくなってきたように思う。
    家族、周りの人に対して、もう少し待つという行為を楽しみながら行ってもいいのかもしれない。

    あと、お子さんを見る観察眼や眼差しがとても優しい。どうやら、歳をとってからのお子さんのようなので、そういう余裕もあるのかな?
    自分の子供が乳幼児期は、必死すぎて、今振り返っても、日常のちょっとしたひとコマがすぐに思い出せず、記録しておけばよかったかな、とちょっと残念な気持ちになった。

    高橋源一郎さんは、100分de名著のパンデミック特集で拝見し、素晴らしく頭の良い方だなと思った記憶がある。作者の本は読んだことなかったが、中学受験の国語の問題で、本書の一部内容が出題されたと知り、興味を持って読んでみた。
    そういえば、SAPIXの2023年中学入試分析会を聞きに行って、この本を知ったのだが、説明していた国語の先生のお話が、原稿を全く見ずに淀みなく、大事なところには抑揚をつけてわかりやすく、とても惹き込まれる興味深い話をしていた。久しぶりに、単純に、この方すごいなーと、いい刺激を受けた体験だった。(働いてるときは、たまにそういう体験があったのだが…)
    高橋源一郎さんしかり、どうしたらこういう人を惹きつけるような話ができるのだろうか?なんてことも思いながら、読んだ本だった。

  • 高橋源一郎の本は読んだことがないし、放送も聴いたことがないが、なかなか面白そうな番組である。それにしても、波瀾万丈の人生を歩んでいる人なんだなあ。

  • (2025-03-08)

  • いろいろなものに対する愛情が感じられる。ラジオなど

  • 第8回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会④オンラインで発表された本です。
    2023.2.5

  • 読みながら思い出したのは『天声人語』や(もちろん肯定的な意味において)、あるいはアラン『幸福論』といった文章群だった。つまりここに収められているのは高度に思弁的な内容の文章でありつつ、同時にこのぼくたちの生活の中において息づくぬくもりを備えたホットなエセーたちだと思った。高橋自身にとっての「10代の思い出(『青春』、とも言えるだろうか。かなり色合いの異なる『青春』だが)」や「老い」について沈思黙考の産物として書き出された文章が目立つ。したがってその美しい文体に陶酔しつつ読むうちにぼくはつい襟を正してしまう

  • 読んでいて、ああ、そう、それ。みたいな感じに何度もなった。自分とは全く違う時代、違う環境を生きてきた人なのに、途中そう感じずに、何か近くにいる感覚というか、不思議な心地良さがあった。作家だから当たり前なのかもしれないけど、ああ、言葉にするの上手いな、と唸ってしまうこともしばしば。また読み返したい。次は、源一郎さんがラジオの前にするみたいに、線引っ張りながら、付箋つけながら読んでみたい。そして自分も言葉で表現することに挑戦してみたいと思った。

  • 昭和な頃を思い出させてくれる時間になりました

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著者プロフィール

作家・元明治学院大学教授

「2020年 『弱さの研究ー弱さで読み解くコロナの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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