カラー版 名画を見る眼II 印象派からピカソまで (岩波新書 新赤版 1977)
- 岩波書店 (2023年6月22日発売)
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感想 : 50件
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Amazon.co.jp ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784004319771
作品紹介・あらすじ
本書は、西洋美術鑑賞の懇切な手引きとして好評の『名画を見る眼』のカラー版である。モネに始まる近代の名画14点、そして同時に鑑賞したい絵画を多数収載。題材や技術だけでなく歴史的・思想的背景、くわえて画家の個性が感じられるエピソードを交えながら解説した。刊行より半世紀を超え、著者監修の決定版をお届けする。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
西洋絵画の歴史を14点の名画を通じて辿る本作は、印象派から抽象絵画に至るまでの豊かな視点を提供しています。著者の語り口はまるで直接授業を受けているかのようで、各作品の背後にあるストーリーや歴史的背景を...
感想・レビュー・書評
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Ⅰ(ルネサンス〜マネ)の続編。モネ〜抽象絵画までの西洋絵画の歴史を14の名画で辿る。選ばれた絵画が、なぜ名画(画期的)なのかを易しく解説してくれる。「あとがき」も良かった。「絵画とは、…、本質的に、ある一定の秩序で集められた色彩によって覆われた平坦な面である。」(ドニ)
新書、しかも絵画関連の、は読んだ経験が無かったですが、高階さんの訃報に接して、手に取りました。抽象絵画なんか理解不能と思ってましたが、目から鱗が落ちるようでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名画を見る眼Iの続編、名画を見る眼II。
前作のIが、マネまでであったので、IIのモネからが楽しみで読みました。
モネを数多く所蔵している西洋美術館にいらした高階さん。この人ならではの表現があり、次にモネを見るときにはその視点で見ようと思えるヒントがあったら。
パラソルの女性も作品がいくつか存在すると知れた。
出会っていなかった画家も掲載されており、新しいトキメキがありました。
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Ⅱは印象派以降の14人の巨匠、14点。
高階先生の授業を直接聴かせて頂いているような語り口。
各章の絵画だけではなく、その周辺の作品の解説も語られているので個々にストーリー、歴史があることがよくわかります。
美術史という学問は近代を理解するための学問の1つなのだと思いました。
Ⅰの15点も含めて自分で直接見る機会がある絵画があと何点あるのかわからないが
その際にはこの本を必ず読み返すでしょう。
〇モネ 「パラソルをさす女」
〇ルノワール 「ピアノの前の少女たち」
〇セザンヌ 「温室のなかのセザンヌ夫人」
〇ゴッフォ 「アルルの寝室」
〇ゴーギャン 「イア・オラナ・マリア」
〇スーラ 「グランド・ジェット島の日曜日の午後」
〇ロートレック 「ムーラン・ルージュのポスター」
〇ルソー 「眠るジプシー女」
〇ムンク 「叫び」
〇マティス 「大きな赤い室内」
〇ピカソ 「アヴィニョンの娘たち」
〇ジャガール 「私と村」
〇カディンスキー「印象・第4番」
〇モンドリアン 「ブロードウェイ・ブギウギ」 -
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<記者の1冊>『名画を見る眼I、II』高階秀爾 著 長年の謎解けた:東京新聞デジタル 2025年2月9日 有料会員限定記事
https://...<記者の1冊>『名画を見る眼I、II』高階秀爾 著 長年の謎解けた:東京新聞デジタル 2025年2月9日 有料会員限定記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/384586?rct=book2025/02/14
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高階秀爾さんの訃報を知り手に取った。もともと半世紀前に出版された本のカラー版であり、とてもわかりやすい。Ⅰに次いで一気に読めた。
ここは再掲だが、各章は一枚の絵から始まる。読み終わっていると画家の一生や複数の絵も理解でき、時代背景、西洋美術史の潮流とこの絵・画家の位置付けがすっきりと頭の中に収まる。私は技術にはまったく明るくないが、画家の技術的な有能さ、社会やパトロンとどう向き合ってきたかの問題意識もわかる。
冒頭はモネ「パラソルをさす女」から始まる。印象派には多少なじみがあるのですんなり入る。ファン・ゴッホ「アルルの寝室」あたりから、見た目より意識が優先されメッセージ色が強まってくる。ムンクの「叫び」はその時代だからこそ生まれたということもわかる。最後のカンディンスキー、モンドリアンは訳が分からなさを超越した時代性もなるほどと納得。カンディンスキーはミュンヘンで実物を見ていたので、より親しみを持って読める。
改めて、歴史は大好きだが、美術はよくわからなかったという私のような身にとっては傍らに置きたい本だ。 -
西洋絵画の入門書を読みました。多くの方と同じかと思いますが、山田五郎さんのYouTubeを見て、西洋絵画に興味を持ったからです。
モネからモンドリアンまでの14人の画家の解説です。筆者が代表作を紹介し、その背景や画家の説明もあります。
とても簡潔ですが、作品の生まれた背景まで、端的に書いています。
カンディンスキーとモンドリアンは、とても抽象的で、なんだろうと思っていました。この本で、画家の考えていた定義みたいなものも書かれてました。完全に理解するのは難しいけど、なんとなくわかる気がしました。
Iも読んでみたいと思います。 -
端的に深奥までひとつの絵画で語り尽くしてくれる。印象派をまず知りたいならまずはこの一冊。ようやく美術というものを知れてきた気がします。
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美術館に何気なく絵画を見に行くのが好きで、この本を読む前は絵画をなんとなく見て自分で咀嚼するだけで満足していた。
ふと、作者の背景や意図を知りたくなり、この本を手に取った。
印象派と呼ばれる作者から始まり、それぞれの歴史、背景、絵画の捉え方に時代の流れを感じることができ、より一層絵画を楽しむことができそうだと思えた。
教養として知るもよし、シンプルに楽しむもよしで、いい本だった。
が、淡々と読む本ではありながら参考書を読むような感覚があり、少し退屈だった。 -
名画の解説、著者の生涯から時代背景が述べられている。
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印象派のモネ、ルノアールを皮切りに、難解とされる抽象絵画を分かりやすい言葉で解説している好著だ.ムンクくらいまでは記憶のある絵が出てきたが、マティス、カンディンスキー、モンドリアンになると初見のものばかりだった.絵画を全般的に把握してる著者ならではの言葉遣いで、丹念に、しかも的確な説明は非常に感銘を受けた.抽象画を手掛けた画家たちの内面に触れるコメントも多数で、絵画史の荒波を突き進んでいく快感が味わえた.
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印象派やキャピタリズムなどの凄さ、良さなどが理解できた気がします。
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読書の秋、そして芸術の秋に、新大生の皆さんにもぜひ手に取っていただきたい1冊。
本書は美術史界の大家、高階秀爾氏による、西洋近代絵画の巨匠14人の作品とその歴史をたどる美術史の入門書である。
カラー版となった本書は、「本を読んでいる」というよりも、まるで「ガイド音声付きで美術館を巡っている」かのような感覚で、純粋に西洋絵画を楽しませてくれる。
ある人にとっては学術的な視角を深めるために、またある人にとっては絵画に興味を持つきっかけとして、多くの人に影響を与える1冊だろう。
中央館2階:文庫・新書コーナー(081/I95/NR1977)
【https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD02622641?hit=4&caller=xc-search】 -
モネ、ルノワールをはじめとする印象派からピカソ、シャガール、モンドリアンに至るまで、美術史の中で、大きな変革の時代を生きたアーティスト達の作品を読み解くポイントを紹介してくれる良書。
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未知の分野を知るのは楽しい。
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Ⅰに比べて、著者の美術史観が確固としている。
特に印象派の影響を受けた画家たちの足跡の描き方が冴えている。
個別の画家では、スーラとモンドリアンの項がすごい。
自己の理念を越えて、アートを成し遂げた様を描ききっている。 -
『名画を見る眼 I』に続いて、モネ以降の印象派の画家からモンドリアンまで、近代・現代の画家の作品を解説している。
本書のあとがきにも書かれているが、これらの絵が描かれた時期は年数にすると60年ほどの期間である。そのことを考えると、近代・現代の絵画表現の変化の激しさや多様性には驚かされる。
一方で、それ自体が近現代という時代を表しているいちばん大きな特徴なのではないかとも感じた。絵画という芸術分野を支えていた様々な前提条件が取り払われるとともに、社会や技術自体も急激に変化していく中で、画家自身が技術を磨いていくことだけにとどまらず、何を表現すべきか、どのように表現すべきかという絵画表現の枠組み自体を問い直すことが多くなった時代であったのだと思う。
表現の技法では、モネやルノアールの色彩に対する向き合い方、そして彼らの色彩を重視する方向性が絵画表現から三次元的な立体表現の役割を後退させ、二次元平面の構成に重点が向かっていくことになったという流れは、とても興味深かった。そしてこの流れがセザンヌやピカソによる立体表現の革新やマティスによる更なる色彩の解放を経て、カンディンスキーやモンドリアンによる抽象絵画の世界において、理論的にも表現的にも昇華された形で実現することになる。
カンディンスキーやモンドリアンは非常に理知的な思考の持ち主であり、これは点描技法を生み出したスーラなどにも共通する特徴である。スーラによる色彩理論、カンディンスキーの「印象」「即興」「コンポジション」という絵画の3つの源泉、モンドリアンが考案した「新造形主義の法則」など、この時代の画家は非常に構築された理論を持っていることが特徴である。
一方で筆者は、これらの画家が純粋に理論から導き出されただけの絵画を描いていたのではないとも述べている。そしてこれらの画家の絵画から感じられる詩情や生き生きとしたリズムなどにも着目するように読者を促している。やはり偉大な絵画作品というのは画家の精神的な感動が根底にあり、それが表現されているからこそ我々の側に伝わってくるのであるということを、改めて考えさせられた。
この第2巻でもう一つ印象的だったのが、ゴーギャンやルソー、シャガールといったそれぞれ独特の世界観を持った絵画を描いた画家たちの存在である。これらの画家は一目でそれとわかる幻想的な画風を持っており、それぞれが各画家の深い精神世界を窺わせる。
このような画家が登場したというのもこの近現代の特徴であると思う。近代の文明が取り残したように思われる精神の内面の世界や個性といったものを、画家という存在が本能的に取り戻そうとしているかのようで、印象的であった。
本書を読むことで、20世紀の絵画が様々な表現手法を開拓しながら、社会の変化にも人間の本質にもより幅広く深くアプローチしていこうとしていたのだということを知ることができ、絵画という芸術の意義を改めて考えることができた。 -
第I巻の15作品は、1434年のヤン・ファン・アイクの作品から1863年のエドゥアール・マネまでの約400年を駆け抜けてきたのに対し、第II巻の14作品は、印象派のモネから始まって造形主義や抽象画に大きく移り変わっていく、わずか100年足らずの絵画の変遷を追っています。
現代人の多くにとって魅力的で絵画として「完成」しているように感じる印象主義が、絵画としてどのような限界を抱えているのか、そして画家たちがそこからどう脱却して(あるいはそれを極めて)いったのかが分かりやすく解説されています。以前、国立西洋美術館で開催されていた「キュビズム展」と扱われている時代が同じで、おさらいする気分で読むことができました。
まるで小説を読んでいるような、筆者の豊かな表現力はこの第II巻でも健在です。
―モネの「パラソルをさす女」は、印象派の技法による人物表現のいわばぎりぎりの限界であった。色彩分割をさらにおし進めていけば、モネの人物は光の波に溺れて溶解してしまうであろう。 -
取り上げた絵画の説明、画家の歴史的背景が簡潔にまとめられていて勉強になった
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Ⅰを読んだならばⅡも読まねばと、早速ひもときました。
Ⅰは歴史、美術史の解説なども含まれていましたが、Ⅱは美術史上の年表幅が少ないらしく(さくっと100年くらい)そのせいなのか、あまり細かな歴史的背景には言及せず、画家本人の略歴や手法などの解説が細やかに書かれている。
馴染みのある画家名も多く『これ見たことがある』というものが多いので、読んでいて飽きない。その反面、いわゆる抽象画も多いので、解説を読んでも分かったよーな分からないよーな、そんな気持ちになることもしばしば……
別の本に出ていた名前をここで見つけて、作中に出ていた店名はこの画家からとったのかと妙に納得したりして、楽しく読めた。 -
美術史を体系立ててまとめた良書。印象派から抽象絵画へのつながりがよく分かった。やはり印象派が絵画に与えた影響は計り知れないと改めて思った。三菱一号館のルノワールセザンヌ展に行ったばかりだったので2,3章はかなり面白く読めた。行って良かった。
今まで名前だけ知っていたゴーギャン、シャガールの絵がなぜ革命的だったのかよく分かった。
美術館に行きたくなる本。
著者プロフィール
高階秀爾の作品
