親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993)

  • 岩波書店 (2023年10月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (196ページ) / ISBN・EAN: 9784004319931

作品紹介・あらすじ

「窮境を自分に乗り超えさせてくれる「親密な手紙」を、確かに書物にこそ見出して来たのだった」。渡辺一夫、サイード、武満徹、オーデン、井上ひさしなどを思い出とともに語る魅力的な読書案内。自身の作品とともに日常の様々なできごとを描き、初めて大江作品に出会う人への誘いにもなっている。『図書』好評連載。

みんなの感想まとめ

テーマは、著者の大江健三郎が持つ独特の存在感と、その作品を通じて感じる人とのつながりです。読者は、彼の作品が自らの人生の中でどのように影響を与えてきたのかを語り、特に若い頃の親しみやすさから、年齢を重...

感想・レビュー・書評

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  • 大江健三郎は、芽むしり仔撃ち の頃のような若い時は、10代の自分には友達のささやきのようであった。それから、自分が20代のなって以降は大江健三郎は、遠くにいて会うことのないお父さんのようであった。わかる時もあればわからない時もあった。亡くなられたときは大きな光が静かに失われたようだったし、脱原発のことを考えている友人はとても落胆していた。
    この新書のなかでは、毎日毎日うつむいて という文章が何気なく良かった。私はほとんど希望を失い毎日毎日うつむいているが、政府の対応がこれだけ反・市民的なのでは、次の大集会にもでかけるほかはない。と。この感じが私の好きな大江健三郎。
    ミランクンデラが文学表現の最終到達点としたla morale de l’essentiel 次の世代がこの世界にいきうることを妨害しない、という本質的なもののモラルこそがいま大切だということ、そのことに共感し原発全廃の運動に身を投じること。

    本質的なもののモラルは軽々しくサステナビリティとかSDGsとかの言葉になって発するもので力あるものは舌をベーっと出して企みが増すばかりに思える今。

    三・一一後、と鍵カッコつきで、大きな反原発集会では10数万の参加者がいたということが、今もなお希望であるのか絶望になっていくのか

    と思いあぐねていたら、魯迅が引用されていて
    希望は、もともとあるものとも、ないものとも言えない。それはまさに地上の路のようなものだ。本来、地上に路はなく、歩く人が増えれば、そこが路になるのである。
    やはり会うことはないがそこにいて示唆するお父さんのような存在と久しぶりに感じた。

    ヒカリさんの話もたくさんあり、伊丹十三やそのほか、小澤征爾。エドワードサイード大岡昇平。渡辺一夫、海老坂武、武満徹、佐多稲子、中野重治、巨星のような、同じ星の人とは思えないような賢人との交流、出会い、すれ違い、交わした会話や手紙のことが淡々と記されて、この本の紹介に、初めて大江作品に出会う人への誘いにもなっている、とあるが、ここから出会うのは相当に手強いのではとも思うが、一言でも出会うことで光がさすかもしれないからこの小文集からの出会いも羨ましいとも思う。

  • ふむ

  •  いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。
     大江さんの作品とはいえ、小冊子に連絡されたエッセイ、コラムを採録したものとのことで少々気楽に構えていたのですが、読み進めていくにつれ私の手には全く負えなくなってきました。
     私の素養では、かなりの消化不良で終わったという情けない結果でした。

  • 著者のこれまでの読書歴や交友歴。特に息子、光氏の事や、義兄の伊丹十三氏との交流については興味深く拝読。丁度、東日本大震災、フクシマを前後に書かれたエッセイで、反原発集会についての記述も多々あり、時代の変化を感じてしまった。

  • 2010年から2013年にかけての連載だから、『水死』を出して、最後の長編『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』を書いていたころか…

    一度読んだだけではなかなか意味が取れない独特の文体が懐かしい。
    あー、もう小説の新刊は読めないんだなあ、という感慨を改めて抱く。

  • 大江健三郎さんが伊丹十三さんや交流のあった人、息子さんのことなど書いたエッセイみたいな作品。大江さんについてあまり知らないと少しついていけない話も多かった。つい先日に読んだ本の引用がまた出てきて縁を感じた。

  • 大江健三郎氏が書いたエッセイ集。
    おそらく背景知識があれば面白いのであろうが、
    著作も読んだことが無く、交友関係もわからない状態で
    読んだので、全くついていけなかった。

    小説家に対してやはりいきなり自伝を読むのはお勧めしないという事だ

  • *星4つ相当です
    憲法九条とか反原発とかではないけれど、ギリギリ同時代人でガチのインテリだから読んで損はない。とにかく言葉が美しくて素晴らしい。

  • 大江健三郎のエッセイ集。出会いと別れの中にちりばめられた数々の本。年齢のせいか哀しい話が多いが、読後感は温かい。

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1993/K

  • 【請求記号:914.6 オ】

  • 登録番号:0142460、請求記号:914.6/O18

  • 2010〜2013年に連載された随筆集。家族、友人、仕事、海外など身近な題材をもとに書かれている。文体も小説ほど複雑ではなく読みやすい。

  • f.2024/2/28
    p.2023/10/23

  • 出版社(岩波書店)・目次、試し読み
    https://www.iwanami.co.jp/book/b633365.html

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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