わかりあえないイギリス 反エリートの現代政治 (岩波新書 新赤版 2067)

  • 岩波書店 (2025年5月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (206ページ) / ISBN・EAN: 9784004320678

作品紹介・あらすじ

傲慢なエリートは私たち普通の人々の苦しみを分かっていない――中央政府の財政規律やマイノリティのアイデンティティなどをめぐって、既存の左右対立には収まりきらない様々な分断が世界中で生じている。この対立構図はどう生まれてきたのか。議院内閣制のモデルだったイギリスの混乱は、私たちにとって他人事ではない。

みんなの感想まとめ

現代の政治における分断とその背景を探る本書は、特に2010年代からのイギリス政治の変遷を中心に、保守党の崩壊や小規模政党の台頭を描いています。理性に基づく政治が揺らぎ、既存の左右対立では捉えきれない新...

感想・レビュー・書評

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  • 2010年台からの英国政治を保守党の崩壊?を中心に書いている。理性に基づく政治が崩れ、2大政党が乱れ、小規模政党が乱立する姿は日本と共通するところがあり参考になる。

  • 21世紀におけるイギリスの政治的分断が、コンパクトに論じられている。初めて知ることばかりだったが、コービン率いる労働党が2019年の総選挙で大敗した要因についての分析は、なかでも興味深かった。

    労働党のなかでも左派として知られたコービンであったが、本書によると、その支持基盤は大都市の政治的に活発な市民層に限定され、大都市の中高所得層はおろか、鉱工業地帯の「取り残された人びと」には浸透しなかった。一方で、これらの人びとの支持を得たのが、EU離脱派だったのである。

  • (新書・文庫)『わかりあえないイギリス』若松邦弘著 - 日本経済新聞 2025年6月21日 会員限定記事
    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO89501470Q5A620C2MY6000/

    英国はテロとどう向き合っているのか?/若松邦弘×荻上チキ - SYNODOS 2017.07.06
    https://synodos.jp/opinion/international/20055/

    <訪問>「わかりあえないイギリス」を書いた若松邦弘(わかまつ・くにひろ)さん:北海道新聞デジタル 2025年7月20日
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1188080/

    若松 邦弘 | 研究者 | 研究活動 | 東京外国語大学
    https://www.tufs.ac.jp/research/researcher/people/wakamatsu_kunihiro.html

    わかりあえないイギリス 反エリートの現代政治/若松 邦弘|岩波新書 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b10134175.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から


    ***
    今回の参院選で、差別主義者に賛同する人の話を聞いたり見たりして、分断が深まった気がしている、、、ᓚᘏᗢ

  • ここ30年間に起きたイギリス政治の変化、ブレクジットを頂点とする構造転換を概観した好著。

    一般向けに書かれており、複数の選挙結果や馴染みのうすい政治家の名前が出て来るのに読みやすい。

    イギリスと比べて日本の場合はどうなんだろうと考えさせられることが多かった。

    https://note.com/dilettare/n/n51772fa8b6ee

  • 2025.07.15
    岩波新書に求めるのが間違いなのは承知で書くと、記述が平板でオモシロイとは感じない。
    なんか大学のレポート用に読まされたような感じで深く自分に残る感じがしないのが残念

  • イギリス現代政治史から、イギリス社会の分断の要因を解き明かした一冊。

    ブレア労働党政権以降の30年で、政治の対立軸に従来の経済軸に加え、保守/リベラルの社会文化軸、ロンドン/地方の地域軸が加わった。新たに加わった軸は個人のアイデンティティに根ざすものであり、価値観による感情的な対立を引き起こす故、分断が深刻化しているという内容であった。

    また、「ロンドンのエリート」は大衆の為の政治をしないと見做され、支持を失っていく過程から、政治家自体への不信感が高まっているのだと感じた。政治家は高い学歴と家柄を持つ者が多いが、彼らに対する感情的な不信感は、政治そのものへの忌避感、嫌悪感を生み、ポピュリスト待望に繋がると考えられる。

    最後に、本書ではブレクシットの詳細な過程についても記されており、そちらの説明も分かりやすかった。

  •  2010年代の英国政治で、従来の経済軸に加え、社会的な保守とリベラルという社会文化軸が浮上。経済軸以上に優位となり、地方・農村対大都市・EUという対立が顕在化、というのが本書の論。併せて、主要政党が経済軸で編成され安定していた従来の構図が流動化。
     本書で指摘されているように、なぜ経済的に不利益を被る層が離脱に賛成するのか、という疑問はこの説明で腑に落ちる。
     社会文化軸の浮上というのは他の先進国でもあるが、英国では、極端な主張はリフォームUK等に吸収され、主要政党は分極化で固定していないようだ。

  • シンプルな構成で淡々と読める。ただ、ファラージやリフォームUKへの言及の低さには強い違和感。この本が出版された2025年5月の頭にあったイギリス地方選挙では、議席の4割をリフォームUKが取るという大勝利に終わっている。そこまでの躍進を予見するのは酷とはいえ、イギリス現代政治の新書がほとんど全くファラージに触れないというのは流石に問題があるのでは。

  • 本書は,最新のイギリス現代政治を手軽に学べるもの.主要政党の票獲得の軌跡・変遷を追う.

    ブレア政権がサッチャー政権に端を発するネオリベの流れに与したことで労働党と保守党が経済政策面で接近したことから筆は始まる.

    本書の主張としては,政治の競争軸が,それまでの経済軸から社会文化的な要素(社会リベラルvs社会的保守)が加わり多元的なものになったというもので,その際エリート批判と大都市vs地方の対立に注目している.

    直近の労働党の勝利についても,政策プログラムはブレア期に枠組み内に収まっており新鮮味を欠くもので,うまく世論に対応したから勝てたわけではない(むしろ保守党がコケた=自党の伝統的票田を棄損したことが大きい)点,今後も混迷が続くことを予想している.

    翻って,日本政治に関するこのような票田というか支持者の分布を知らないことに気づいた.大抵の教科書には載っているのだろうか.

  • ふむ

  • その上の日,イギリスは議会政治のモデルのように習った。現実はそうではないことが,ブレア期から2010年代までの政治史としてレポートされている。小選挙区制のシステムが民意を反映しない現実(政党別の議員の数と得票率の乖離)と,選ばれた政治家は票のもととなる人口が高い都市部の有権者に目が行くために,二大政党のどちらが政権を担っても地方の有権者にとっては意志が置き去りにされた感を持ってしまう。おおまかに言えばこのような不満が,客観的にみれば得策でなさそうなブレグジットの背景にあったのだ。本では2020年頃までを扱っているが,その後もイギリスの政治は混迷を続けているように見える。選挙システムの問題が係わっているので,相当な見識をもった政治家たちが現れない限り,“わかりあうこと”は難しいのではなかろうか。

  • 以前、イギリスのEU離脱のニュースに衝撃を受けたことがありましたが、本書を読んでその背景に納得感を持つことができました。もともとイギリスにはEUに対する批判的な見方が根強くあり、それが国民投票という形で顕著に表れたのだと感じます。

    また、イギリス社会が想像していた以上に階級意識の強い構造を持っていることや、政治的な混乱を抱えている現実についても理解が深まりました。単なる出来事としてではなく、その背景にある社会の在り方まで考えさせられる内容だったと思います。

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00133518

    ※学外から利用する場合は、以下のアドレスからご覧ください。
    SSO-ID(教職員)又はELMS-ID(学生)でログインできます。
    https://login.ezoris.lib.hokudai.ac.jp/login?url=https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00133518/

  • 312.33||Wa

  • イギリスの政党間の争いについて描いたものである。イギリスの現在の政治についての卒論を書く予定以外の学生にとっては読んでもぴんとこないであろう。

  • 20250929-1015 本書は、近年のイギリス政治に表面化しつつある新たな対立図式に注目し、その表出に至る2010年代末(一つの帰結としてはEU離脱)までの過程を、ブレア労働党政権(1997〜2007)の成立前後の状況から分析している。本書冒頭にはイギリスの地図と主要都市が表になっている。正直に言うとイギリスについては、どうしてもロンドンを中心に考えてしまうし、あとはスコットランドとアイルランド・・というようなざっくりしたイメージしかなかった。本書ではイギリスの地域性についても、マンチェスター、リバプールなどの北東部地域の鉱工業地帯と、南東側の農牧業地域、というように丁寧に説明している。漠然としたイメージがはっきりしてきた。おそらく著者はEU離脱に批判的なのかと思われるが、そこは淡々とした筆致で、分析に徹している。今後のイギリス政治の行方が大いに気になる。もう二大政党制は時代に合わなくなってきているのかもしれない。。2025年現在、保守党は今や野党第一党ですらないし。

  • サッチャー以降のイギリスの政治を概観した書籍で、淡々と分析しているため一般向きではないかもしれないが、一時期住んでいたことがある身としては興味深く読んでいた。

  • 啓光図書室の貸出状況が確認できます
    図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50394302
    他校地の本の取り寄せも可能です

  • イギリスの最近の政党政治の変遷から、地域や社会階層、エスニシティによる分断を論じだ本。
    ブレクジットのごたごたの変遷や、アラブ系の投票行動などは知らなかったので良かったが、その他は私の興味の中心とはずれていた。

  • 民主主義の政治とは本来多種多様な意見を調整し、熟議の末全会一致を目指すものであったはずだ。利益のために一方に偏った主張をし多数決で勝つことをよしとしている限り政治の意味は無い

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著者プロフィール

若松 邦弘(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)

「2019年 『21世紀、大転換期の国際社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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