論理的に考えること (岩波ジュニア新書)

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  • 岩波書店
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005000999

作品紹介・あらすじ

ものごとの本質をとらえるには、感性や想像力とともに、論理的に考える力が必要です。正しい結論を導く論の進め方、真理を探るための推理の方法、まぎらわしい表現から誤りをさける方法など、論理学の初歩を豊富な用例でやさしく説明します。論理的な考え方を身につけると、自分の考えをまとめたり、他人の意見を聞きとることが楽にでき、世界を見る目も開けます。

感想・レビュー・書評

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  • 論理学やロジカル・シンキングの入門書です。論理学の初歩の内容から、非演繹的推論や、犯しやすい論理的な誤りについて解説しています。

    「岩波ジュニア新書」なので、中高生向けに書かれた本だと思いますが、今では多くのロジカル・シンキングに関する分かりやすい入門書が刊行されているので、とくに大人の場合はそちらに当たった方が良いかもしれません。

  • 目次メモ(疑問化)・題から読みとったこと

    はじめに ではなにを言ってる?
    ┗論理的な考え方をするには論理学の知識が必要。
    Ⅰ 正しい証明 とは?

    1.「なぜならば」先生 とはどんなひと?
    ┗著者の中学時代の先生。なぜならば、を強調して話す。
     なぜならば(∵)とゆえに(∴)の文章構造。
     ∵ A∵BC
     ∴ BC∴A

    2.ユークリッドの証明法 ってなに?
    ┗A(証明されるべき定理)BC∴A
     ∵型と∴型を両方含んだものと言えるが、∴型が基礎になっている証明法。
     BC∴A全体を「推論」と名付ける。推論とは前提から結論をひきだすこと。

    3.論理学は推論の術 ってどういうこと?
    ┗論理学は証明のうち推論的側面を専門的に受け持つ学問。
     証明にはどうしても推論というテクニック(技術)が伴わねばならない。

    4.前件肯定式と後件否定式 ってどんなもの?
    ┗前件肯定式:AがBなら、AはCである。
           AはBである。
          ∴AはCである。
     後件否定式:AがBなら、AはCである。
           AはCでない。
          ∴AはBでない。
     後件肯定のあやまり:AがBなら、AはCである。
               AはCである。
               AはBである。
     前件否定のあやまり:AがBなら、AはCである。
               AはBでない。
               AはCでない。

    5.後件肯定のあやまりと前件否定のあやまりってどんなもの?
    ┗第一前提である条件文(AがBなら、AはCである。)の逆(AがCなら、AはBである。)が真でないときは、後件肯定、前件否定の推論はまちがいになる。しかし逆もまた真であるときにはそうした推論を行ってもいい。
    「逆は必ずしも真ならず」

    6.順・逆・裏・対偶 ってどんな関係?
    ┗順と対偶、裏と逆はそれぞれ常に同等だが、順と逆、逆と対偶、対偶と裏、裏と順はそれぞれ常に同等とは言えない
    順 :AがBなら、AはCである。
    逆 :AがCなら、AはBである。
    裏 :AがBでないなら、AはCでない。
    対偶:AがCでないなら、AはBでない。

    7.春風と桶屋 ってどういう関係?
    ┗浮世草子より。推論は眉唾物だが、形式面から言えば十分正しい。が、使われる材料がよくない。同様の形式で、下記のものは絶対に正しいと思える。
     歯車Aが時計の針の進む方向に一回転すれば、Bは時計の針の反対方向に三回転する。
     Bが時計の針の反対方向に三回転すれば、Cは時計の針の方向に一・五回転する。
    ∴Aが時計の針の方向に一回転すれば、Cは時計の針の方向に一・五回転する。

    8.アリバイの証明 ってどうやるの?
    ┗目的は、ある犯行の被疑者となった人物がほんとうは犯行者でないという結論を出してみせること。
     彼が犯行時間に犯行現場以外の場所にいたら、彼は犯行現場にいなかっただろう。
     彼が犯行現場にいなかったなら、彼は犯人ではない。
    ∴彼が犯行時刻に犯行現場以外の場所にいたら、彼は犯人ではない。
    ちなみにアリバイ「alibi(ラテン語)」は「ほかの場所に」という意味の副詞。「He was alibi.(彼は犯行現場以外の場所にいた)」と使われる。

    9.「そうなんだからそうなんだ」 ってどういうこと?
    ┗「女の理由」という名前の付いた証明。シェイクスピア『ヴェロナの二紳士』より。
     AはBである。∴AはBである。

    10.個別化の原理 って?
    ┗一般的な言葉(「何人も」「いかなる自然数」「誰であれ」)で述べられた文章(定義)を、個別の言葉(「佐藤君」「666」、「朝虹」)に置き換えても成り立つという意味で大事なもの。

    11.~の限り って?
    ┗「もし~の場合、そしてその場合にのみ」という言葉で置き換わる。
     「もし~の場合」とは異なる。後者は裏が必ずしも真ではないが、前者は必ず真となる。裏が必ず真なら逆もまた真。
     つまり、「もし~ならば……、そしてもし……ならば~
    」を意味する。こうした文章を双条件文という。

    12.「何人も」と「すべて国民は」の違いは?
    ┗明確な区別あり。「何人も」はすべて人間(外人含む)、「すべて国民は」は日本国民のみ。

    13.必要条件と十分条件 ってどういう関係性?
    ┗①「あるものがひとであれば、そのものは信教の自由を保障される」
     前件「あるものがひとであれば」
     後件「そのものは信教の自由を保障される」
     前件は後件の十分条件。
     ②「あるものが日本国民であれば、そのものは公務員を選定し、及びこれを罷免する権利を持つ」
     前件「あるものが日本国民であれば」
     後件「そのものは公務員を選定し、及びこれを罷免する権利を持つ」
     前件

    14.ディレンマ

    15.なまけものの理屈

    16.レントゲン的透視術

    17.「真から真」、「偽から真」、「偽から偽」

    18.正しい推論形式では「真から偽」は起こらない

    19.正しくない推論形式

    20.豚が空を飛ぶだろう

    21.物理学での思考実験

    22.アリスの出かけた二つの国

    23.鏡の国のアリス

    24.星占いはインチキである

    25.ゆかいな迷信

    26.ひきょうな占星術師

    27.Ⅰ部のまとめ

    Ⅱ 大胆な推理
    28.推論と推理の違い
    29.コナン・ドイルの推理小説
    30.推理には危険がつきものである
    31.名探偵ホームズも間違う
    32.痕跡からの推理
    33.ピタゴラスの定理の発見
    34.帰納法
    35.完全枚挙の帰納法の限界
    36.ピタゴラスの定理の証明
    37.フェルマーの問題
    38.ホームズの消去法
    39.探偵の術と診断の術
    40.日常生活での帰納法と科学での帰納法
    41.類推法
    42.仮説・演えきの方法
    43.ケプラーの法則とニュートンの法則
    44.学説間の争い
    45.全体的な枠組
    46.想像力の果す大きな役割
    47.Ⅱ部のまとめ

    Ⅲ 明確な表現
    48.まぎらわしい論理的表現
    49.矛盾・反対・小反対の区別の利用
    50.「以上」と「以下」
    51.チェスターフィールドの名言
    52.対角線上の矛盾
    53.三種類の対立関係
    54.ふたたび反対と小反対
    55.二重否定の法則
    56.矛と盾
    57.ことわざのもつ危険性
    58.可能と必然
    59.進路決定に際してとるべき態度
    60.現実性とは
    61.不可能と決まったことを望むことはやめよう
    62.「してもよろしい」と「すべきである」
    63.権利と義務
    64.ド・モルガンの定理
    65.皆と常
    66.「可」の多義性
    67.Ⅲ部のまとめ

    さくいん

  • なかなかしっかりした本である。三段論法のくわしい。後件肯定と前件否定のあやまりなどわかりやすい。正しくない演繹的推論については、もうすこし網羅的に書いてもらえたらと思う。第二部は帰納だが、ホームズの例などが面白い。第三部は日本語の問題をあつかっているが、漢文にも目をくばっていてためになる。

  • 逆・裏・待遇。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:116//Y44

  • 考えることは、すぐにはできない。

    途中で頭が飛び散りそうになりました。逆とか結構苦手です。推理小説は推理できないタイプです。

  • 論理をつくる方法の話。
    三部構成。推論と推理に重きをおいてる。
    学問的なつくりで少々読みにくいかな。

  • ここに書かれた内容の理解は、確かに文章を書く際など、必要になるものだと思える。ただ、この文章を理解できるんなら、書かれている内容についても、あらかじめ分かっているんじゃないか。用いられている語群がいまひとつ平易でなく、論理的思考のとっかかり、としての役割を果たせるかどうかは微妙かも、と思いました。

  • [ 内容 ]
    ものごとの本質をとらえるには、感性や想像力とともに、論理的に考える力が必要です。
    正しい結論を導く論の進め方、真理を探るための推理の方法、まぎらわしい表現から誤りをさける方法など、論理学の初歩を豊富な用例でやさしく説明します。
    論理的な考え方を身につけると、自分の考えをまとめたり、他人の意見を聞きとることが楽にでき、世界を見る目も開けます。

    [ 目次 ]
    1 正しい証明(「なぜならば」先生;ユークリッドの証明法;論理学は推論の術 ほか)
    2 大胆な推理(推論と推理のちがい;コナン・ドイルの推理小説;推理には危険がつきものである ほか)
    3 明確な表現(まぎらわしい論理的表現;矛盾・反対・小反対の区別の利用;「以上」と「以下」 ほか)

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