砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書 276)

  • 岩波書店 (1996年7月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784005002764

みんなの感想まとめ

歴史を新たな視点から捉えることで、深い理解を得られる魅力的な作品です。砂糖を通じて描かれる世界史は、単なる年代や事件の羅列ではなく、さまざまな要素が交錯し合う流れを明らかにします。特に、紅茶と砂糖の関...

感想・レビュー・書評

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  • 本屋さんにて。
    壁一面の岩波文庫。全部読んでみたい。いや〜でも難しそう。
    隣には、岩波新書。これは読めそう...かな。
    ...お?その隣に岩波「ジュニア」新書とな?!

    大人でも面白そうなタイトルが並ぶ。その中で真っ先に目に飛び込んできたこの本。

    以前、「風とともに去りぬ」「アンクルトムの小屋」などの本を読んだ時、文章としては入ってくるんだけど、深い理解が出来ない謎部分が所々あった。そこを明るくしてくれたような内容。ああ、そういう理由から、あんな行動してたのね〜と腑に落ちる。

    しかし「砂糖」を巡って、こんなに世界が動いていたとは。世界史の教科書に出てくる、どうしても昔苦手で覚えられなかった様々な出来事が、ここですーっと繋がる。そうだよ!歴史には流れがあるんだよ!こうやって覚えればよかったんだよσ^_^;

    『歴史を学ぶということは、年代や事件や人名をたくさん覚え込むことではありません』
    この言葉、学生の頃聞きたかった...。

    いや、今からでもいい!海外の小説を全力で楽しむために、最近はこのような本も極力読むようにしている。知ると知らないでは面白さが全然違う!
    それに、知らない知識を得られるというのが純粋に楽しい。様々な方向、分野からの本を何冊か読んで、それがいきなり全部繋がった時に、とても謎の充実感を覚えるのです...(//∇//)

    • 四季子さん
      もうこういう本を選ぶへぶたんさんのセンス?セレクトがとても好きです。
      繋がった時の充実感も分かる気がします。
      だから本ってやめられないんです...
      もうこういう本を選ぶへぶたんさんのセンス?セレクトがとても好きです。
      繋がった時の充実感も分かる気がします。
      だから本ってやめられないんですよね。
      2026/02/08
    • へぶたんさん
      わー!ひまししょーのお墨付き!(?)
      どーんどん読みますよー\(//∇//)\
      わー!ひまししょーのお墨付き!(?)
      どーんどん読みますよー\(//∇//)\
      2026/02/09
    • へぶたんさん
      わー!四季子さん、嬉しい♡\(/ω\*)テレテレ
      本ならではの充実感ってありますよね!
      尽きない好奇心と.........積読本σ^_^;
      わー!四季子さん、嬉しい♡\(/ω\*)テレテレ
      本ならではの充実感ってありますよね!
      尽きない好奇心と.........積読本σ^_^;
      2026/02/09
  • 今でこそ健康の敵のように扱われている砂糖だが、かつては世界中の誰からも好まれ、広く取引される代表的な「世界商品」だった。
    この「世界商品」を独り占めできれば大きな利益があげられる。
    世界の歴史は、そのときどきの「世界商品」をどの国が握るかという競争の歴史として展開してきた。

    さすがの岩波ジュニア。読みやすさと内容の深さが見事に共存している。
    屈指の名著といわれる本書を、なんと8か月も待った。
    コロナ禍のさなか、中高生の間で読み継がれたらしい。
    授業ではピンポイントで覚えるばかりの歴史用語が、この一冊で相互に繋がる快感を想像するとこちらも何やら嬉しくなる。
    大航海時代、コロンブスの交換、植民地、プランテーション、奴隷制度、三角貿易、産業革命、ボストン・ティーパーティー事件。。

    さとうきびの生産が植民地化に繋がったのは何故か。
    アフリカ大陸の国々が現在に至るまで開発途上であるのは何故か。
    産業革命で「イギリス風朝食」が成立したわけは。
    ロンドンに喫茶店がないわけは。
    砂糖というひとつのモノを通じて世界史を見ていくと、これまで漠然としていた疑問が霧が晴れるように解けていく。
    私たちの生きる世界がなぜ今日のような姿なのか、砂糖の歴史が教えてくれる。

    17世紀に広まった英国上流階級のティー・パーティは、文化サロンのように理解してきたがそれでは一面的過ぎた。
    「砂糖のあるところに奴隷あり」で、カリブ海のイギリス領植民地は白人6万人足らず、かたや黒人奴隷は46万人もひしめいていた。
    過酷な労働で短命だった奴隷たちは、年間3万4千人もアフリカから輸入されていたのだ。
    「世界商品」として拡大すればするほど、上流階級のティー・パーティーが華やかであればあるほど、(文化が次々に生まれれば生まれるほど)彼らは休む間もなく働き続けていた。

    飽食の時代と言われて久しく、カロリーを抑える方法ばかりに関心がいく。
    その一方で、飢餓に苦しむひとたちも確実に存在する。
    この世界はどこかバランスがおかしい。
    砂糖が高級品だった頃は、もてなしの一端として料理に大量に使用されていた。
    歴史をたどればそもそもは薬用として珍重されていたのだ。
    しかし、良い面があれば悪い面も必ずある。
    「世界商品」の争奪戦によって残された爪痕までは消えていない。

    ハイチの「ティザン」という昔話を、素話にして語ることがある。
    語る前に地図でハイチの場所を指して、1834年に南北アメリカ史上初の独立国であることを説明する。独立の際フランスから多額の賠償金を要求された話をすると、殆どの場合「酷いな!」という声があがる。
    支配する側はいつも、現地から搾取することしか考えなかった。
    日本人のように学校や教会を建て、水道や道路をつくり、商店街や病院や警察や消防署を設けて、みんなが豊かに暮らせるようにしたわけではない。
    独立を認めてやるからお金を払えというのが世界の常識で、今の価値観で歴史を見たらダメだよと念を押す。賠償金を払い終えた後も、ハイチは貧しい。
    すべての歴史は現代史だなと、そんな時考える。

    • nejidonさん
      猫丸さん。
      そうなんですよ!
      きっと友だちどおしの口コミで広まったのかも。いいですよね、
      ところが、残念なことが。。
      中身が鉛筆の傍...
      猫丸さん。
      そうなんですよ!
      きっと友だちどおしの口コミで広まったのかも。いいですよね、
      ところが、残念なことが。。
      中身が鉛筆の傍線だらけで、非常に読みにくかったのです。
      図書館員さんにはそおっと伝えました。まだまだですね。。
      2021/01/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん
      ありゃ〜課題図書か何かになったのかな?
      nejidonさん
      ありゃ〜課題図書か何かになったのかな?
      2021/01/06
    • nejidonさん
      猫丸さん。
      友人に訊いたら調べ学習の一端だったらしいです。
      きっと一生懸命だったんでしょうね(*'▽')
      傍線の件はさておき、教科書以...
      猫丸さん。
      友人に訊いたら調べ学習の一端だったらしいです。
      きっと一生懸命だったんでしょうね(*'▽')
      傍線の件はさておき、教科書以外にも勉強になる本がたくさんあるということが広まって良かったなぁと思います。
      教科書より断然楽しいし(笑)
      2021/01/06
  • とても平易で読みやすいながらもしっかり学びもあって良書でした。特に砂糖入りの紅茶から読み解く歴史の変遷はとても興味深かったです。まだ輸送技術がいまほど発展していなかった時代に、中国の茶とカリブ海の砂糖を混ぜるという行為が比較的容易く実現できていたのは、植民地支配によって広大な領地を手に入れていた当時のイギリスだからこそだったんですね。とある1つの事柄を紐解いていくと、大きな歴史の渦が見えてくるこの感覚がとても好きです。いま当たり前に享受している恩恵は良いことも悪いことも積み重なった先にあるものであることを忘れないようにしたいですね。

  • 砂糖という世界商品(モノ)の生産・動きによって世界史を捉えようというもの。著者は世界システム論と歴史人類学の考え方で書いたという。プランテーション、奴隷貿易、イギリスのコーヒーハウス、イギリスでの奴隷制廃止と関税引き下げをめぐる攻防、ビートの開発など目まぐるしく歴史は動いていくが、その中で見えてくるのは世界システムの強烈さと無慈悲さだ。ヨーロッパ人たちの欲望が歴史を作り、今の後進国の悲惨さを生みだした。産業革命当時の労働者たちの生活も悲惨だったことだろう。それでも、奴隷制は廃止され、人々の生活は改善された。歴史はいい方向に向かっているのか。この世界システムというものが変換しないと同じことの繰り返しかもしれない。この世界システムというものが独り歩きし、我々の生活がそれに隷属してしまっているのではないだろうか。今の世界商品は何?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      ゴジラとか思い出します。
      あ!ウルトラセブンでお蔵入りになっている作品も、darkavengersさんに今度訊いてよ、、...
      goya626さん
      ゴジラとか思い出します。
      あ!ウルトラセブンでお蔵入りになっている作品も、darkavengersさんに今度訊いてよ、、、
      2021/01/09
    • goya626さん
      ウルトラセブンはなんかシュールでしたよね。darkavengersさんて、ブクログの人?
      ウルトラセブンはなんかシュールでしたよね。darkavengersさんて、ブクログの人?
      2021/01/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      はい。darkavengersさんはブクログの方で、興味深い本を色々と、、、
      goya626さん
      はい。darkavengersさんはブクログの方で、興味深い本を色々と、、、
      2021/01/11
  • 砂糖が世界でどのように作られ、使われたか。
    モノカルチャーを強いられたカリブの国、中国の茶もアステカのチョコもアラビアのコーヒーも、アフリカの黒人さえもイギリス人の嗜好品のために砂糖は世界を席巻した。
    まさに「砂糖のあるところに奴隷あり」ということを突きつけられる一冊です。

  • 私は砂糖が嫌いです。
    歴史学は好きになれそうです。

  • 砂糖という「世界商品」にスポットをあて、その生産から消費拡大までの歴史をグローバル視点で理解できる。

    生産にはプランテーションにおける過酷な奴隷労働が欠かせず、しかしその一方ではイギリスの上流階級では砂糖がステータスとして消費されていた。
    そして徐々に生産が拡大するにつれ大衆にも広まっていき、それらと同時に拡大したお茶と合わせて紅茶が嗜まれるようになった。

    そんな砂糖の歴史が分かりやすく丁寧に説明されていて非常に勉強になったし、多くの黒人奴隷の犠牲のもとにいまの状況があると思うと感慨深い。

  • 仕事の読書会で読む機会を得た。国を越えて流通する"世界商品"。砂糖の他にもワインや塩があるが、コーラやナイキもきっとその類。
    この本では初期の世界商品となる砂糖を中心に扱っている。その流通過程でどうマネジメントが確立されていったという視点で読むと非常に面白い。
    (その海運のために保険が生まれたなど)
    勿論、生産や流通において奴隷貿易など残酷な歴史の上に成り立っている観点でも教科書では感じられない気付きが多々あった。

  • ちょっと重ためを覚悟して手に取ったのだけど、さすがはジュニア向け新書。とても読みやすい。されど内容はしっかり。

    砂糖、プランテーション、奴隷貿易、カリブ海、南北アメリカ、茶、など。社会科の授業で聞いたはずのキーワードが頭の中で散らばってしまったままの人には、本著にてパズルがパチパチと嵌まるようになめらかにクリアになるかと。

    『歴史学というのは、たんに昔のことを調べる学問ではありません。いまある世界がなぜこのようになっているのか。ここにくるまでにはどのような歴史的変遷があって、いまこうなっているのか。そういうことを研究するのが歴史学なのです。昔から「すべての歴史は現代史である」などといわれるのは、このためです。』(p.204)

    少しずつ、着眼点を変えて世界を見つめ直す。分からないままではいられない。

  • 先月読了した
    「生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊」の中で複数人のおすすめだった本書。

    1996年初版の「砂糖」を通じて世界の歴史を学べる一冊です。
    約30年前の本であるため、現状との比較ができない点は、現在の小中学生におすすめするのに少し物足りなさは感じます。

    砂糖は、お茶やコーヒー、チョコレートなどと同じく「世界商品」としての価値があり、
    それらを嗜好できるのは上流階級の人間。
    では、それらを商品として作り上げるのは?
    やはり身分の低い貧しい奴隷の人々でした。
    この本では、「砂糖」についてでしたが、
    悲しいことに今でも全く消えていない貧富の差による人種差別がある国のことを考えると、
    学ぶにふさわしい時期、年頃の学生が、
    このような本を手にして、歴史と現代を考える時間は必要なのだろうと感じました。

    文中に
    〜どんな世界商品なんかより、あっけなく変化するのは、人間の嗜好、食生活の変化〜
    という文章がありました。
    「飽食の時代」「毎年変わる流行りの食べ物」などからも感じるは、人間の欲望とは歴史をも左右するものであるということ。
    よくも悪くも、食べ物の歴史に潜む問題を知ることは、未来に繋がるのだなと痛感しました。

    岩波ジュニア新書さんらしい学びの一冊です。

  • 岩波ジュニア新書の中でも有名な本なので以前から読んでみたいと思っていた。
    砂糖に焦点を当てた、主にイギリスを中心とする歴史。大航海時代より世界規模になった経済活動やそれを巡る政治の動きが分かりやすい。高校生の世界史の理解を深めるのにいいと思う。

  • 砂糖は世界を動かした。
    しかし、その裏で多くの犠牲が生まれた。

    砂糖が高級品になったからだ。
    ヨーロッパで需要が急増した。
    その結果、大規模なプランテーションが広がった。

    労働力として多くの奴隷が連れてこられた。
    いわゆる三角貿易が始まった。
    砂糖は「世界商品」になった。

    甘さは人々に喜びを与えた。
    お菓子や飲み物が広まり、生活は豊かになった。

    しかし同時に、
    過酷な労働が生まれた。
    多くの命が奪われた。
    さらに、砂糖のとりすぎは病気も増やした。

    甘さは幸せの象徴に見える。
    だがその裏側には、
    苦しみと悪夢があった。

    砂糖の歴史は、
    光と影の両方を持っている。

  • 砂糖という世界商品を中心に世界史を紐解こうという本でした。
    三角貿易、奴隷制度、プランテーション、ティーパーティ、産業革命といった、かつて列強と呼ばれたヨーロッパ諸国やアフリカ、南アメリカとの関係性を理解するためには非常に良い内容でした。

    奴隷など少しげんなりする内容もありますが、砂糖を使った紅茶やコーヒー、チョコといった商品を提供する喫茶店が、人のネットワークを繋ぐ根底になっていたのは驚きでした。

    産業革命以降は少しずつ下火に思えますが、砂糖というテーマでここまで面白く深掘りできるのか、と驚きでした。

  • コンパクトながら興味深い内容で読み応えがある。バルバトスやタヒチを代表とするカリブ海の奴隷の歴史は恥かしながらあまり知らなかった。このような本を読むと、現在を理解するにはいかに歴史を知っておく事が必要か思い知らされる。イギリスを中心とした西洋人の欲による奴隷貿易が歴史上存在しなければ、モノカルチャー経済国が人口的に作らなければ、インド、アジア南米諸国は発展途上国にならずに済んでいたかも。現在のイギリス、フランスが抱えている移民問題や、西洋先進諸国の肥満問題などもこれらの行為のツケのようなものでしょうか。西洋の先進国が未だにモノを作らず、楽をして富を得ようとしている限り解決策は難しいのでは。日本は豊かな国であると同時に、自国で勤勉にモノづくりを昔からしてきた、日本の文化であり食生活であるお茶も自国で作ってきた、故に今の日本がある。自国でお茶も砂糖も生産せずに砂糖入りミルクティーはイギリスが産んだ文化であるというのはおかしな話である。イギリスの紅茶文化は、紅茶が好きだからではなく、奴隷に作らせたモノを、高級なティーカップで仕事もせずに午後にゆっくり頂くというハイソサエティなステータス文化が好きなだけという事。イギリスが占領していた奴隷地域ではコーヒー豆の栽培が出来なかったが紅茶は栽培出来たというだけ。砂糖の歴史だけに限らず、紅茶、コーヒー、チョコレートの歴史と現在のグローバル問題を色々考えてさせられる良い本でした。おすすめしてくださった方に感謝。

  • 砂糖って、こんな歴史があったんだ、と感心した。貴重なものは薬になることが多いって、他にも同じようなものがあった気がする。プランテーション、非人間的な代物だが、だからこそ広まったという矛盾点が面白かった

  • ちょっと話題になっている気がしたので読みました。砂糖が文化と溶け込みながら、そして植民地支配、プランテーション、奴隷貿易とも結びつきながら広がってきた歴史を通して、世界情勢を俯瞰的に知ることができます。

    こう言うのは本当に良書だな〜と思いつつ、やっぱり歴史の裏側的な要素もあるので、表を知っている人にとってはめちゃくちゃ面白いと思います。

    僕の場合は、歴史は好きだけども、中学知識で止まっていて、歴史強者と言えるほどの知識量ではないので、なんとなく歴史の裏側を知った面白さの一方で、その頃世界はどんなふうに動いていたんだろうか・・・みたいなところがふわっとしていたので、多少は歴史の勉強をしながら読んだ方が良かったかもな〜と思います。

    でも、こう言う感じの本は、色々と読み漁りたいなと思いました。

  • 途中からイギリス在住友人のお土産紅茶に砂糖をたっぷり入れて読んだ。でも良く考えたら我が家の砂糖はきびではなく、ビートだった。。奴隷貿易、産業革命、アフリカ、カリブの島々、世界も歴史も全て繋がっている。

  • 砂糖がこんなに世界史に関わっているとは驚き。
    英国の砂糖入り紅茶が、いかに工場で働く人たちのカロリーを補給していたかも驚き。
    そして、「砂糖の歴史的使命は、もはや終わろうとしているのかもしれません。」(P197)という指摘には、少し前までは、今のようにカロリー過多に悩む飽食の時代がやってくるなんて、きっと想像もできなかったよね、と思う。

  • 人名とか、用語とか覚えられん……

    歴史自体は嫌いでないものの、学校で習う歴史の授業はそのために好きになれなかった記憶があり、今ちょくちょくと読むようになった歴史系の本も、たまにそこで挫折する。

    『砂糖の世界史』はそういう点において、とてもとっつきやすかった。用語だとか人名だとかはゼロというわけではないけれど、
    砂糖の通史を追うことによって、大航海時代から、植民地や奴隷制度から産業革命に至るまで、とても整理され分かりやすく書かれています。

    またそうした教科書に出てくる大きな歴史だけでなく、砂糖がいかに市民に定着していくかを描いていく中で、イギリスを中心とした市民の文化が描かれていくのも面白かった。

    そして砂糖が安価になるという現象を通して、国と国の相互の結びつきについて実感させられ、個別の国だけでなく、世界全体をみる必要性、またそうした研究や学説もあることも分かりやすく、理解できる。
    言ってみれば世界目線からも、市民目線からも砂糖を通して歴史が語られていきます。

    そしてこの本は過去のことだけを語るだけにとどまらない。砂糖の生産によって生まれたプランテーションや奴隷制度。それが生んだ格差や様々なひずみは現在も続いています。
    南北問題のような先進国と途上国の格差、人種差別……、現代を生きるための問題は、過去からずっと続いているということにも、改めて気づかされる。

    学校で歴史を習っているときは、とにかくその時代のことを詰め込むだけ詰め込むのが正解のように思っていたけど、歴史を学ぶ意義というのは、本来こういうところにあるべきだったのだな、と感じます。

    岩波ジュニア新書の名著とも呼ばれる一冊。それは読みやすさ、面白さだけでなく、改めて世界は一つでつながっているということ、そして現代は過去と地続きであること、そして歴史を学ぶ意義を気づかされてくれるからだと思いました。

  • ようやく読了。
    多くの人が感想を書いているので、改めて書く必要もないだろうが、砂糖が動かした世界の歴史を紐解いていくという内容。モノや人を移動させ、一部の人たちは豊かになったと信じている。地産地消の真逆によって商売が成り立ち、奴隷制による労働と搾取が当たり前になってしまった黒歴史。これは日本の琉球諸島、特に奄美群島と薩摩藩の関係にも当てはまる。私達はこの歴史から何を学ぶのか。

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著者プロフィール

1974年、神奈川県生まれ。愛知教育大学教育学部准教授。著書に『8050問題の深層――「限界家族」をどう救うか』(NHK出版)、共編著に『「ひきこもり」への社会学的アプローチ――メディア・当事者・支援活動』(ミネルヴァ書房)、共著に『セルフ・ネグレクトのアセスメントとケア――ツールを活用したゴミ屋敷・支援拒否・8050問題への対応』(中央法規出版)、『大人になる・社会をつくる――若者の貧困と学校・労働・家族』(明石書店)、論文に「長期化するひきこもり事例の親のメンタルヘルスと支援」(「精神科治療学」第35巻第4号)、「ひきこもり経験者による空間の獲得――支援活動における空間の複数性・対比性の活用」(「社会学評論」第65巻第3号)、「ストーリーとしての引きこもり経験」(「愛知教育大学教育実践総合センター紀要」第8号)など。

「2025年 『社会的孤立の支援と制度』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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