哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)

著者 : 竹田青嗣
  • 岩波書店 (2002年11月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005004157

哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • 困難に出会っている時に勇気を与えてくれる本。
    前半は、著者の生い立ちや経験を語り、哲学に興味を抱いたきっかけが描かれている。興味が文学→哲学へ移っていくところが面白かった。
    「一般的な説とは違うが」という前置きの通り、独特な解説である。前半はすらすら、後半から難易度があがる。
書きたいことがあって、書かれた本なのだなという印象だ。

  • 比較的若い読者に向けて書かれた哲学の入門書です。ただし、著者自身の哲学的立場が前面に押し出されており、「岩波ジュニア新書」が想定しているはずの中高生の読者に適切な入門書といえるのか、若干疑問もあります。同じ「岩波ジュニア新書」からはバークリの研究者である戸田剛史の『世界について』も刊行されていますが、一般的な哲学の問題に触れるためにはそちらの本を手にとったほうがいいかもしれません。

    著者はすでに『自分を知るための哲学入門』(ちくま学芸文庫)という入門書を刊行しており、近代哲学における認識論のアポリアをフッサールがどのように乗り越えたのかという点に焦点を当ててみずからの哲学的主張を開陳しています。それに対して本書では、近代哲学における「自由」の問題に焦点を当て、とくにヘーゲルにおいて各人の自由の追求が相互に支えあうことのできるような社会への展望が示されたことを高く評価しています。

    また本書では、フロイトの精神分析についても考察がおこなわれています。著者は、フロイトの説は人間の心についてのひとつの信憑の表明でしかないといいつつ、無意識と呼ばれる欲望のかたちによって、われわれが世界に向きあう仕方が規定されていることがフロイトによって明らかにされたことを評価します。そのうえで、みずからの身体性や欲望、あるいは著者自身のいう「エロス」がどのような対象へと向けられているかを深く了解することで、自分自身を知り、また自己の自由を世界のなかで実現していく可能性が開かれていくと論じています。

  • 「借」(大学の図書館)。

    哲学を勉強しようと思い、
    プラトンからはいったら挫折した時に、
    友人からすすめられた一冊。入門として読んだ。

    「哲学とは何か。」
    についてわかりやすく解説した本。
    自分がいかに哲学を誤解しているかにも気づけた。
    もう少し肩の力を抜いて哲学の勉強をしようと思った。

    哲学をもう一度勉強しようと思えた。
     

  • 哲学とは一体何なのか?という単純素朴な疑問がありこの本を読む。近代以前の絶対君主的な社会から相互に契約を結ぶという「自由」を主とした社会に変革する中で、宗教的な"物語"ではなく普遍的に了解される原理を導き出すこと。これこそが哲学の本質的役割だということだろうか。
    絶対的に正しい世界というものは存在せず、世界を自分がどう理解するのか、また自分と他人との関係性をどう理解するという「視点」の転換が面白い。絶対的な社会が存在することを前提に、それを見つけ出すことこそ(そしてそれには知識が不可欠であること)が哲学だと思っていたから。そうだとすれば、哲学は一部の学者の高尚な学問ではなく、誰もに関わりうる、というか精神的な困難に陥ったときに自分を支えてくれるものだと理解できる。

    哲学の本なんだけど、文学について書かれた次の箇所が心に響く。まさに。

    p11 表現を通して、同じような事態にぶつかって苦しんでいる人間に、それがじつは多くの人が共有している理由のある苦しみだ、ということを文学は示唆する。そこに文学の大きな力がある。そこに必ずしも解決策があるわけではない。でもそれが生き生きと表現されているということだけで、ふしぎなことに人間の苦境を救う。

  • 岩波ジュニア新書からの出版なので、この本は中高生向けの本ということになっている。

    しかし、哲学のテキストなどで参考文献として紹介されていたりして、内容的にはかなり質の高い入門書である。

    特に近代から現代にかけての哲学が紹介されており、生活感覚に則した説明でわかりやすい。

    「自由」というテーマで、近代以降の哲学者の紹介も、今日的な問題解決のための指針となり得るものであるし(第4章)、自己とは何かをヘーゲルとフロイトの思想から、展開する章(第5章)も哲学と生きていくことの関係を理解できる内容である。

    ところで、私は入門書が好きである。
    これまでに何冊もの入門書を読んだ。

    入門書には、事柄の説明の他に「語り口」が学べる。

    研究者の方々は、入門書を読んでわかったような顔をするのは、勘弁ならぬことかも知れないが、生活の中の必要性から考え、また他者に語らなければならない一般人には、やはり役に立つ。

    ただ、入口の知識だけで全てを理解したような錯覚だけは避けたい。

    謙虚な姿勢は忘れないようにしたい。

  • 私たちは、青年期に、自分の生がたった一度に限定されていること、
    自分こそこの生の取り換えがたい主人公であること、つまり、自分という
    存在の絶対的な交換不可能性に気づく
    哲学は、そんな私たちに、誰もが納得できる「普遍的」な世界理解の
    あり方を“作り出す”ための方法を示す。しかし、哲学は、あくまで
    “自分で考える”ための方法であり、自分が属している関係自身を
    支えるために考えよ、と教えるものだ。
    世界を知るということは、世界それ自体を知るということではなくて、
    世界についての自分の理解のありかた、また自分と他人の関係の
    あり方を了解するということなのである。

  • 高校3年の時に久我山図書館で出会った。
    哲学科へ入るきっかけのひとつ。

  • すごく分かりやすいけれども、少し偏ってるような気がしました。

    哲学とは、誰もが共通に納得できる「普遍的な」世界のあり方をつくりだす方法らしい!

  • 最初のきっかけという意味で重要な1冊。

  • 竹田青嗣氏の哲学に通ずる経験、哲学の定義、歴史。さらに実際の思考として「自己」について著者の考えを示した本。

    日頃、なんでいま、日本の生活はこうなってるんだろうと疑問に持つことがあるので、手に取ってみました。

    読みはじめはわかりやすくいい本だと思ったのですが、中盤あたりから次第に読みにくくなり、最後は目で字を追うばかりになってしまいました。
    文章の全体的な筋道を無視して話があっちこっち飛ぶので、読んでる途中、何について考えてたんだっけ? とわからなくなったりします。

    また、著者の考え方の傾向として、問題を既存の哲学の思考に当てはめることが多い気がするのですが、哲学的に考えるとはこのようなことなんだろうか。
    もう少し噛み砕いた、日常から手が届く範囲での議論を期待していた自分には、レベルが高すぎました。

    哲学の発展が、ヨーロッパ社会の変化と密接していることがわかったのがいちばんの収穫でした。
    どうでもいいけど、これを「ジュニア新書」といって哲学を知らない若い人に読ませようとするのは、あまりいい影響を与えない気がするぞ。

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