創作力トレーニング (岩波ジュニア新書 494)

  • 岩波書店 (2005年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784005004942

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

創作力を高めるための実践的なアプローチが詰まった本で、特に文体研究ノートを活用する方法が紹介されています。面白い文章や表現を見つけ出し、それを自分のノートに記録することで、作家ごとのスタイルやメッセー...

感想・レビュー・書評

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  • この『創作力トレーニング』を読んで何に驚いたかというと、本の中で紹介されている高校生たちの作品と自説解説。戯曲を元に書いた詩であるとか、夏目漱石の『こころ』を視点を変えてマンガ化したものであるとか。でもせっかく創作力伸ばそうと思っても、ここで紹介されている見本がエグすぎて、やる気削がれるんじゃないかと、思わなくもないけれど……

    著者によるとアメリカでは文学作品を学校で教えるとき、その表現の技術を分析し、その技術が使えるかどうか、オリジナル作品を創作させるそうです。対して日本では創作より読解力を重視した国語教育が主流です。
    そこで著者は読解から一歩進み、そこで受けた感情や考えを表現することこそが、社会生活を送る上で大事として、この本を書いたと著述しています。

    まず第1章で「不思議」を「フシギ」と書き換えることであったり、三点リーダの効果や、人物によって言葉使いを変えたりといった、基本的な表現技法の話と、印象的な文章表現を記録し、さらにその文章の表現上の工夫や効果を記録する、文体研究ノートのすすめが書かれています。

    続く2章では創作力を伸ばすトレーニングとして、文学作品を土台にそこから脚本や詩などを創作するというものが紹介されています。そして大事なのが、創作物に対し自己分析や解説を加えることだそう。
    ここで先に書いた高校生の作品紹介に移るわけですが、まあその完成度といったら……。実際の作品もそうなのですが、自作解説がとにかくすごい。作品に対しての読み込み度がそこからうかがえるし、狙いがここまではっきりあるのか、とただただ感心してしまいます。素晴らしい作品とか文章って、単に経験や感覚だけのものでは無いのだな、とハッキリと分かります。

    詩やマンガといった文学方面だけでなく、3章では手紙や企画書といったフォーマルな文章表現のトレーニングの話がされているのも良かったです。ここで紹介されている企画書作成の手引きとか、研究論文の様式例は、大人や大学生でも参考になりそう。

    文体研究ノートについては、昔自分も同じようなものをやろうとした覚えがあります。なぜこの作家の文章は読みやすいのか、なぜこの作家の文章は心に残るのか。美しい描写はどうやったら書けるのか。共通する要素はどこかにきっとあるはず、と思ったからです。

    でも大抵は読むのをやめられず、あとでその文章を探してもなかなか見つからなくて、結局すぐに止めてしまいました(そもそもこういうのって、初読の本でやるべきではなく、既に読んだ本でやるべきなのでしょうけど……)

    現状、時間を取ることは難しいのですが、文体研究ノートみたいなものは、またやってみたいなあ、と思いました。

    余談ですが、海外作品を読んでいると作者の謝辞のところでたまに、ライティングスクール関係の人に言及する人がいます。
    この本を読むまでは、そうしたライティングスクールには懐疑派だったのですが、アメリカの教育の話を読んでいると、創作って感性や必要最低限の文章力じゃなく、教えられる技術があるんだなあ、と実感しました。そういえば創作に関する技術本もだいたい、日本よりアメリカのものの方が充実してるもんなあ。やっぱり国の教育や考え方の違いは大きいのでしょうね。

  • 文章を書くって難しい。そんな悩みに直面して手に取った本。ライターとして活動していますが、文章を書くことに関しては課題ばかり。他の人の視点を介してやっと最も伝わる表現にたどり着けるなど、長年願っても願っても、なかなか自分のものにならない技術でした。しかしこの本を一読し、ああ、文章ってこういうところを見るのかと、眼から鱗が。

    「文章表現とは、自分自身の内面をより深く見つめ、自分以外の人とより深くつながろうとする行為」

    「言語的な特徴や表現の工夫、その文章のもたらす効果や主題との関わりを自分なりに記録する文体研究ノート」

    「最終的には、個人の感情や考えを誰かに伝えるための、あなた自身の言葉を見つけて欲しい。「読解」という山の頂上に「自己表現」という旗を立てて欲しい」

    「知識として理解した文章の様式を、自分のものとして吸収し、自覚して文章を書く、という練習を積み重ねることが、結局は自分らしい「オンリーワン」の文章を書けるようになる近道なのです」

    もう遅い、なんてことはなく、上記の言葉を胸に、自分の言葉を見つけ、まだまだ続く言葉と共にある人生を歩んでいきたいと思います。

  • 38377

  • 子供向けの本ではあるんでしょうが、なかなか使えそうなアイデアがありました。

    ☆文体研究ノートを作ろう
    気になった文体をコピーしてノートの左ページにはる。
    右ページにはどうして面白いと感じたのか?書いていく。
    書き溜めていくことで作家ごとの比較ができる。
    ①工夫されている表現
    ②その効果
    ③主題や作者のメッセージとの関わり。

    これ、文章力の向上とか、思考力を高めるために
    すごく役立ちそうだなぁと。
    で、ここではコピーと書いていますけど、
    私的には、思い切って紙の本をビリっと破いて
    ノートに貼りけていってもいいかなぁと思います。
    今は古本でよければ安いですからね。
    Amazonマケプレでもブックオフでも
    よほど稀覯本でなければいつでも入手できますしね。
    試してみたいと思います。

  • 紹介されている生徒の作品が異様にレベル高いのだが、ほんまかいな。大学生の、しかも超上澄みを取ってきてるんちゃうかと思うほどの出来で、うろたえるほど。

  •  ちくまプリマー新書もそうだが、この岩波ジュニア新書のような少年少女向けに書かれたものは、あらゆる分野への一冊目として最適である。本書もそういったコンセプトで書かれており、分かりやすく実践もしやすい。また自分では専門あるいは中堅クラスと自負している分野においても新たな発見をしたり、基本に立ち返るきっかけを掴んだりすることが多い。「創作力」といってもいわゆる文芸に分類されるものだけではなく、企画書や新聞雑誌などの記事についても触れており、文章全般について関わっている方々にも非常に参考になると思われる。それにしても取り上げている生徒の作品がすごく高度に感じるのはあたしのレベルが低すぎるからなのだろうか・・・。

  • 「情報を伝える文章表現」のところはすっぽかしました。
    自分の作品を相手に伝える大切さを教えてくれました。
    文章や詩や音楽や漫画など、様々な伝え方があるとしみじみ思いました、それが全て生徒作品というのがまたすごいと思います。

  • 文章・表現を創作するといっても、まず書かないといけない。しかし、何をどう書いてスキルを高めるかはまた別の相談となる。
    文芸作品の続編を書いたり、パロディを書いたりなど、そのための方法はこの中にある。

  • 購入日:20110527

  • [ 内容 ]
    詩や脚本、小説などの文学作品をはじめ、漫画、手紙、新聞コラム、企画書、宣伝文など、さまざまなジャンルの文章表現を理解して、自分で作品を創り、さらに分析・解説してみよう。
    言葉と表現をみがいて“創造力”をきたえ、社会につながる文章を書くための楽しい手引き。

    [ 目次 ]
    第1章 言葉のスタイルと出会う(言葉の「かたち」から伝わるもの;ファッションとしての言葉―言葉の特徴をとらえる;違いのわかる人になるために―言葉の観察眼を磨く;表現のエッセンスを記録する)
    第2章 創作力を伸ばす文章表現トレーニング(戯曲を書いてみよう―文体を模倣する;詩を書いてみよう―自由な発想で;ポップスの歌詞を書いてみよう―リズムを大切に;漫画を描こう―独自の着眼点で;小説を書き継ぐ―原作を批評する;パロディをつくろう―想像力に遊ぶ)
    第3章 情報を伝える文章表現トレーニング(フォーマルな手紙を書こう―気持ちを伝える;企画書を作成しよう―相手を説得する;新聞のコラムを書いてみよう―不特定多数の読者を意識する ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 岩波ジュニア新書は高校生くらい向けに書かれた本だろうか、でも初歩には丁度いいかなと思ったので読んでみた。

    一番最初が戯曲なのは著者の学んだ方面がそうだったかなんがろうか?
    舞台表現も同時進行でやるのは難しいような気がする・・・

    小説の続きを書く章ではその時代の政治で一番精鋭的な話を引っ張り出して作品に持ってくる当たりは何か短絡的かな、と思えてしまった。(かといって自分が書けるわけでないのは言うまでもない。何でツッコミを入れたくなったんだろうか?)しかしその理由も文章で一通り書いてあるのは確かに本来の意図をくみ取るのに適しているのかもしれない。自分も実践してみたくなった。

    創作力トレーニングというだけあって文章系だけじゃなかった。広告とかそのへんも含めてだったので少し予想外だったが書かれていた通りいろんなものがあることを見つめ直せるいい機会だったんじゃないだろうか。

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