- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005005093
感想・レビュー・書評
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理系と文系、男性と女性の研究者、のバランスが取れていて、考えられた編集であることが感じられる。
書かれた内容はだいたい興味深かったんだけど、「わかりやすく伝えるということには、ほんと得手不得手があるんだなあ」ということも、本筋とは関係なく興味深かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
14の研究紹介。
研究者と一口に言ってもその内容は千差万別。同じ題材でも目標が異なれば行きつく先も手法も異なってくる。
ジュニア新書という事で分かりやすさに重きを置いたのか、少し物足りない印象があった。けれど、難しい事を平易な言葉で表すのは本当に分かっている人にしか出来ないのだろうなぁ。
このような訳で印象的だったのは少し深く踏み込んでいる、3点。
医療工学:医学か工学かの選択を迫られ、福祉工学という両方を兼ね備えた道を選んだ著者。
障害者のサポートとなる器具を作っているが、大切なのは障害者自身のことを知る事。そして、彼らの持つ能力の邪魔をせずにサポートする事。
何か能力が失われると、体は代償して別の能力を特化させることがあるなど。
超臨海流体:気体と液体の間のような存在。
分子の分布は不均一だが、拡散定数が気体と液体の中間のため利用目的は広い。抽出溶媒や反応場として利用が進められている。
イラク地域研究:
西欧諸国が中東の国々にしていることは、西欧の作った既製服にアラブの国々をはめ込もうしているようだ。
けれど、各国にはそれぞれの”体型”があり、それに合うように既製服をモデルチェンジした方がいい。その「既製服のモデルチェンジ」をするためには、中東の体型(文化)を理解し、かつ西洋で作られた理論(政治経済)を使えるようにならなければいけない。
・・・などなど。
取り上げた3つ以外にも、生理学、社会学、地学、医学、服飾学などの学問が取り上げられている。
入り口から研究を覗き見しているよう。 -
大学や研究所で行っている研究者は一体どんな仕事をしているのか。
政治学、経済学、物理・化学・医学やはじめて聞くような文化財保存学など幅広く14人の人を取り上げている。
またそれを本人が書いているので内容がわかりやすく、読みやすい。
ただし、たまに専門的過ぎるところもあるので時間がかかるところも・・・。
オススメは国際教育開発学です。
わかりやすく、面白く興味が沸いて来ます。
たくさんの魅力がガンガン伝わってきます。