イラクの戦場で学んだこと (岩波ジュニア新書)

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著者 : 岸谷美穂
  • 岩波書店 (2005年9月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005005185

作品紹介

イラク北部クルド人自治区で、たった一人の日本人現場責任者として3年間にわたって人道支援活動にたずさわった若きNGOスタッフの記録。紛争地で厳しい現実に直面し、怒り、悩み、戸惑いながら難民救援や医療援助活動に奔走する日々…。彼女が現場で感じたことは何だったのか。

イラクの戦場で学んだこと (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • 読んだ感想は「NGOの仕事をがむしゃらにやった3年間」の体験記でしょうか。面白かったです。
    興味を持ったのは、
     ・国連本部の汚職
     ・クルド人自治区へ入るには密入国
     ・現地でのコーディネーターとしての仕事の難しさ
     ・日本の外務省、クルド自治政府、アメリカ政府等との折衝
     ・CIA、アメリカ軍民生担当との調整
     ・紛争地域で働くのは現地の人と共に汗を流していく仕事だけではない
    でしょうか。
    NGOの仕事に対する見方が少し変わりました。
    意外に良書かも。

  • (2011.09.12読了)(2010.12.12購入)
    イラクのバグダッドあたりの話と思って手に取ったのですが、クルド人自治区の話でした。
    2000年11月から2003年7月までの約3年間、著者は、日本のNGO「ピースウィンズ・ジャパン」の国際スタッフとして、イラク北部クルド人自治区に駐在しました。
    この本は、その時の経験をつづったものです。
    クルド人がどうこうというよりは、NGOの活動というほうに重点がありますので、NGOの活動に興味のある方向けの本です。イラクやクルド人について知りたいという方にはあまり向いていないと思います。(クルド人について全く書いていないというわけではないのですが)

    NGOとは?(NGOについてネットで調べてみました)
    Non-Governmental Organizationの略
    もともとは、国連と政府以外の民間団体との協力関係について定めた国連憲章第71条の中で使われている用語です。国際協力に携わる「非政府組織」「民間団体」のことを意味します。開発、人権、環境、平和など地球規模の問題に国境を越えて取り組んでいる非営利の民間組織をNGOと呼んでいます。

    章立ては、以下の通りです。
    1、現場に行きたい!
    2、クルド人自治区へ
    3、紛争地帯で働くということ
    4、試行錯誤を繰り返しながら
    5、幅広い現地での人道支援活動
    6、悪化する治安の中で
    7、いざ、未知なる「イラク」の地へ!
    8、現地での体験から学んだこと

    著者は、人道支援の仕事をしたかったのですが、最初に就職したところは、現場に行く機会がなかったので、ピースウィンズ・ジャパンに移って赴任辞令の出たところがイラクのクルド人自治区だったということです。
    「私の場合、イラクに行きたかったから行ったわけではありません。クルド人を助けたかったのでもありません。ただ、紛争というものが他者の私利私欲のために起こり、そのために傷つきどうしようもないまま死んでいく人がいるという現実が許せなかったのです。」(184頁)
    (紛争が私利私欲のために起こるというふうに言い切ってしまえるところがすごいです。)
    赴任先についたら、前任者が2時間後に離任していってしまった、というのには唖然としてしまいました。現地スタッフは110名いるけど、NGOからきている日本人は自分だけ、という状態で、25歳の著者が、率いていかないといけないということです。
    試行錯誤をしながら、3年間過ごしたというのですから、感心してしまいました。

    ●不法入国(47頁)
    中央政府(イラク)が反政府分子であるクルド人を支援するNGOスタッフにビザを発給するはずもなく、かつ自治区は中央政府の支配外でしたから、私自身を含めNGOの国際スタッフは、隣国のシリアやイランの政府から通行許可を、自治政府から入国許可を得て、イラク中央政府の支配地域を通らずに入国していました。
    ●お尋ね者(53頁)
    (中央政府からNGOスタッフに1万ドルの懸賞金がかかっていたらしい。)
    身を守るため、自治区内での私のプライバシーや行動の自由はほぼゼロでした。すべての事務所とレジデンスには24時間の警護がつき、10メートル先の雑貨屋であろうとも、移動には武装した警護スタッフがついてきました。
    ●女医の必要性(83頁)
    イスラム教の風習が強いイラクでは、男性医師が女性患者を診察することはほぼ不可能です。とくに農村部ではその傾向が強く、女性医師ですら、患者の夫もしくは父親の同意がないと女性の体に触れることができないという状況でした。
    (2011年9月13日・記)

  • [ 内容 ]
    イラク北部クルド人自治区で、たった一人の日本人現場責任者として3年間にわたって人道支援活動にたずさわった若きNGOスタッフの記録。
    紛争地で厳しい現実に直面し、怒り、悩み、戸惑いながら難民救援や医療援助活動に奔走する日々…。
    彼女が現場で感じたことは何だったのか。

    [ 目次 ]
    1 現場に行きたい!
    2 クルド人自治区へ
    3 紛争地帯で働くということ
    4 試行錯誤を繰り返しながら
    5 幅広い現地での人道支援活動
    6 悪化する治安の中で
    7 いざ、未知なる「イラク」の地へ!
    8 現地での体験から学んだこと

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    [ おすすめ度 ]

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「ただ、重要なのは、そのことに興味を持つということではないでしょうか。イラク戦争の際、とある日本の歌手が言っていた言葉が忘れられません。「なにもしなくてもできなくてもいいけど、無関心でいることが一番の罪ではないだろうか」。」
    「NGOの仕事は他人の命に責任を持つことであり、最後には、その責任をその人自身で持ってもらうよう仕向けていく仕事です。これは、実は、普通に生きている日本の生活でも同じかもしれません。」

    愛すべき岩波ジュニア新書。
    インスパイアされた本をとにかく手に取ってみた。
    私よりも少し年上の女性が、25歳の時点でイラクで110人ものイラク人男性を部下にNGOの頭として指揮をしたり、
    まさに戦争が起こっているその状況で、絶対にイラクに残る、日本に帰らないと決意する様。
    それは必ずしも見てくれとか、世間体とか、そういうんじゃなく苦しくても辛くても泣いても、こうすると決めた強さ。
    目の前にあることを諦めず、全うする力。
    圧倒された。

    「くじけそうになる私を支えていたのはこの得体の知れない理不尽なものに対する「怒り」だったのではないかと思っています。」

    【7/28読了・初読・市立図書館】

  • 知らぬふりは罪 05年12月

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