教育で平和をつくる: 国際教育協力のしごと (岩波ジュニア新書 550)
- 岩波書店 (2006年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005005505
作品紹介・あらすじ
世界各地の民族の相互理解を深め平和を築くために、教育の分野でできることとは?紛争後の地で新しい教育プログラムを作る国連暫定政府教育行政官、ユネスコ教育担当官、JICA教育政策アドバイザーなど、すべての子どもたちが教育を受けるための仕事について、実体験として語ります。
感想・レビュー・書評
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紛争後の地で新しい教育プログラムを作る国連暫定政府教育行政官、ユネスコ教育担当官、JICA教育政策アドバイザーなどを歴任してきた筆者が、これまでの経験を綴っている。
第一章と第二章では、コソボでの教育行政官の仕事について、第三章ではボスニア・ヘルツェゴビナとアフガニスタンでの教育アドバイザーとしての仕事について、第四章では教育と平和構築にかかわる調査研究の仕事についてかかれている。
最も印象に残ったのは第四章だ。フィールド調査の方法や得られる結果について、簡単にではあるが分かりやすく記述されていた。先の敗戦から、教育に重きを置きながら復興してきた日本が、世界に教育分野で支援できる可能だね性を知ることができた。
国際教育協力の世界には、教育政策のようなマクロな事柄ばかりではなく、現在私が大学で学んでいるような教室レベルのミクロな事柄まで、多岐にわたっている。その上、フィールドも多様な国際教育協力の分野は、まだまだ発展途上といえるだろう。その中でもさらに障害児に関わる分野を学びたいとなると、日本では不可能に近いだろうなと少し凹んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国際機関に疑問が残った。
現状報告、課題が書かれている。 -
請求番号:B-J/550
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請求記号:372.3コ
資料番号:010958148 -
現地のイメージが浮かぶような具体的なエピソードや写真がふんだんに描かれていて、分かりやすい。まったく違う分野にいる人にも読みやすい本。
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小松太郎:1968年生まれ。上智大学比較文化学部(政治・国際関係学専攻)卒、ロンドン大学政治経済大学院・教育大学院修士(途上国社会政策)。専門は発展途上国の教育政策・教育行政・平和教育・紛争後の教育復興。現在、九州大学大学院助教授。
世界各地の民族の相互理解を深め平和を築くために、教育の分野でできることとは?紛争後の地で新しい教育プログラムを作る国連暫定政府教育行政官、ユネスコ教育担当官、JICA教育政策アドバイザーなど、すべての子どもたちが教育を受けるための仕事について、実体験として語ります。 -
100316 by著者&国際教育開発学
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1 教育行政官のしごと―教育を始める(いざ、コソボミッション・インポッシブル ほか)
2 教育行政官のしごと―教育と民族問題に取り組む(異なる民族・異なる学校・異なるカリキュラム対立民族の接点を見つける ほか)
3 教育アドバイザーのしごと―教育をサポートする(ユネスコ・サラエボ事務所への転職ボスニアという国 ほか)
4 教育研究者のしごと―教育を「しらべる」(調査研究の仕事とは宗教学校とテロ ほか)
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世界各地の民族の相互理解を深め平和を築くために、教育の分野でできることとは?紛争後の地で新しい教育プログラムを作る国連暫定政府教育行政官、ユネスコ教育担当官、JICA教育政策アドバイザーなど、すべての子どもたちが教育を受けるための仕事について、実体験として語ります。 -
小松太郎 国際教育開発学 平和を脅かす要因をなくしていく。イコール積極的平和 戦争がただない消極的平和 戦争は人の心から生まれる。よって人の心に平和の砦を築かなければならない。教育は、この砦を築くために必要な態度、知識、技能を身に付けることを可能にする重要な役割を持っている。構造的暴力イコール自らが望まない不利益を得てしまう社会構造を指す。たとえば、アルバニアでアルバニア人がセルビア人の言語を学ぶ
人は平和で豊かに過ごすために学ぶ。ここに教育の可能性がある。
そういう意味では、日本の構造にも当てはまる部分がある。適切な形で提供されなければ暴力 不公平 違うへの恐れ、不信、憎悪、貧困を伴う。紛争国家の中には、ユーゴスラビアのような教育レベルが高い国があった。発展途上国の教育及びそれに対する国際協力イコール国際教育開発 学校で開発問題について学ぶ教育のこと。政治学イコールアル事柄に関して異なった利益を持つ人たちステークホルダーがいかにお互いの利益を調整しあって最も効率的かつ効果的な選択を行うかという過程を研究 教育問題 政策立案 行政への参画、民族文化、環境、その他の団体との調整
現場で自分がやってきたことの体系化そして様々な資料から参考になる部分を取り出して、対比しながら書いている。