いま、きみを励ますことば: 感情のレッスン (岩波ジュニア新書 577)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005005772

感想・レビュー・書評

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    言語化されて腑に落ちる事もあるのでは。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/470823

  • 908-N
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  • 【いちぶん】
    それが美
    であると意識するまえの
    かすかな驚きが好きだ。
    風景だろうと
    音楽だろうと
    はたまた人間の素顔だろうと

    清岡卓行「ある眩暈」

  • 失恋した時に読むと励まされる。中で一番印象に残った言葉は「さよなら」と言って分かれるのだが、人はそこに「はかないのぞみ」を託している。作者は言う『はかないのぞみを託さない「さよなら」はない』。
    たとえわずかでも、”ひょっとしたら”の思いにすがり、自分を支える。経験的に逆転劇は無い事も知っている。しかし、”ひょっとしたら”という思いが苦悩を和らげてくれる。そのうちに新たな出会いなどがあって、「さよなら」の未練から解放される。
    だから、ぼくは別れる時に「さよなら」を言わない事にする。

  • 新書 S159.7-ジユ-577 300047982

  • ジュニア向けの美しい珠玉の言葉の数々が優しく語られ、紹介されています。
    安房直子の「きつねの窓」など、小学生の国語の授業以来で胸揺さぶられたものもあり、懐かしい気持ちになりました。

    10代向けに書かれたものであるせいか、作品を深く読み解いているわけではなく、表面的な解説に終始しているように思えますが、もう忘れてしまっていたかつての読書体験を思い起こすだけでも有意義な気持ちになれます。
    ただ、仏文学を学んだ者からすると、「赤と黒」の解説のくだりは、さすがに軽すぎてどうも物足りませんでした。

    武者小路実篤の「友情」は、夏目漱石の「それから」に影響を受けたものだということを初めて知りました。
    小学生のころに読んで、大宮が杉子への手紙に書いた「子供のころからの写真を全部送れ」というフレーズがなんだかピンと来ずに心に残ったままでしたが、その箇所の解説があり、大人になったからこそ理解できる感情なのだと気付きました。

    全編を通じてあたたかい言葉が選ばれており、理知的というよりは情緒的な文章でまとめられているため、作家というよりも、詩人としての視線を感じる一冊でした。
    良書紹介の役目も果たしている内容になっています。

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著者プロフィール

1946年、東京都に生れる。立教大学大学院博士課程修了。現在、大東文化大学教授。訳書等に『喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝 冨山房百科文庫 7』(クライヴ・ステープルズ・ルイス著、早乙女 忠・中村 邦生訳、冨山房、1977年・新装版・1994年、ちくま文庫(筑摩書房)・2005年)、『逃げるが勝ち 文学のおくりもの 26』(ロレンス・ダレル著、山崎 勉・中村 邦生訳、晶文社、1980年)、『さようならの事典』(窪田 般彌・中村 邦生 編著、大修館書店、1989年)、『つまずきの事典 人生の危機から生れた名言・名句』(中村 邦生編著、大修館書店、1993年)、『たのしく読めるイギリス文学 作品ガイド150 シリーズ文学ガイド 1』(中村 邦生他編著、ミネルヴァ書房、1994年)、『罪深き愉しみ 現代アメリカ文学叢書 8』(ドナルド・バーセルミ著、山崎 勉・中村 邦生訳、彩流社、1995年)、『たのしく読める英米青春小説 作品ガイド120 シリーズ文学ガイド 9』(高田 賢一・中村 邦生編著、ミネルヴァ書房、2002年)、『ぼくのうちに波がきた 大型絵本』(キャサリン・コーワン著、マーク・ブエナー画、中村 邦生訳、岩波書店、2003年)、『月の川を渡る』(中村 邦生著、作品社、2004年)、『〈虚言〉の領域 反人生処方としての文学  ミネルヴァ評論叢書〈文学の在り処〉(中村 邦生著、ミネルヴァ書房、2004年)、『風の消息、それぞれの  森への招待-軽井沢浅間山麓-,泣き塾-練馬大泉ジャンクション- 他』(中村 邦生著、作品社、2006年)、『いま、きみを励ますことば 感情のレッスン 岩波ジュニア新書 577』(中村 邦生著、岩波書店、2007年)、『名作はこのように始まる 2 ミネルヴァ評論叢書〈文学の在り処〉 別巻 2』(中村 邦生・千石 英世編著、ミネルヴァ書房、2008年)などがある。

「1995年 『罪深き愉しみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村邦生の作品

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