日系人の歴史を知ろう (岩波ジュニア新書 605)

  • 岩波書店 (2008年9月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784005006052

みんなの感想まとめ

異国での苦難を乗り越え、ブラジルに根付いた日系人の歴史が描かれています。彼らは移民として貧困や病気と戦いながらも、故郷を離れた理由や、ブラジル社会に溶け込む過程を克明に記録しています。特に、現地での厳...

感想・レビュー・書評

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  • この本は日本人が全員学校で読むべきだと思う。読みたかったと思う。
    Kindle Unlimitedになっている今、是非多くの人に読んでほしい。

    日本は歴史が長いから日本史はどうしても近代史が急ぎ足になりがち(?)だと思う。それも踏まえると近代史特に太平洋戦争では内地、特に原爆や降伏後、日本が国際社会に戻るまでに焦点を当てるのは致し方ないと思う。
    ただ、私も含めて日系人のことをある程度学んだ日本人はどれくらいいるだろう。
    日本が貧しくてハワイやアメリカ本土、カナダに渡り、そこでWWIIを経験した日本人。アメリカでの日本人キャンプは有名?だけど、それすら学校では習わない。大東亜共栄圏として東南アジアにいった日本人は?家族を養うために、ブラジルやペルーに向かった人たちのことは?
    ブラジルや南米に日系人が多いこと自体は知っている人が多いと思う。でもその日系人や一世・二世の人がどんな経験や苦労をしてきたかを知らない人は多いのではないかとおもう。
    私が知らなかっただけかもしれないけれど。

    むさぼるように読みました。たくさんマーキングもしました。
    私は海外にいて、あるいみ祖国を見捨てたように見られるかもしれません。
    今日の日本が直面している外国人(観光ではなく、住んでる人)の問題も、ネット情報しか知りません。
    正直、自分はアメリカの移民のくせに、日本が移民を受け入れるのは賛成とは言えない意見を持っていました。ダブスタですね。
    だってアメリカと日本じゃ国の歴史が違うし、国の創られ方が違う。アメリカにはそもそも壊される文化がないけど、日本には守らなければいけない文化がある。そう思って。
    でも、頭をハンマーで殴られたよう、とういうのはまさにこの本を読んだときのことで、日本が、日本政府も関与してブラジルや南米諸国、いろいろなところに移民を送っていたんですよね。それってまさに今日本が逆の立場になっただけ。日本は先進国でもなんでもない、貧しい国だった。
    この本を読むと、日本への移民積極受け入れ賛成!まで単純には変われないけど、自分の持っていた意見が果たして正しいのか、少し恥ずかしいような気持になりました。
    人種とか差別とかの感覚って、小さい子にはないんですよね。
    小学生くらいになって、あれ、違う?という意識ができるけど、結局その”違い”をどう受け止めるかって大人(家族)や社会にすごく影響される。
    日本人はほとんど単一民族で何千年もきたから、その対応が難しい。いや、日本だけじゃないけど。でも大人が知っている外国人って、自分が実際に知っている人以外だとニュースとかで取り上げられる問題な外国人になってしまう。
    日本はどうなっていくんだろう。
    世界も多くの国が移民問題をかかえ(でも、多くの"問題になっている"移民はなりたくて移民になったんじゃない)、ナショナリズムが強まってる。
    文化や言葉の不自由は、誤解をまねき、いざこざの原因になる。
    ただ、昔と違って私たちはいまAIというツールをもっている。言葉や文化的背景に対しては、昔よりも対処がしやすくなっているはず。うまくやってけるんだろうか。
    もっと日本をきちんと知りたい。30代半ばでそう思います。

  • 本当にたまたまXで見つけた本作。

    ブラジルを中心とした日系人がどのように異国の地で戦い、戦争の中で移民同士での争いも経験しながら、最終的にブラジルに溶け込むことを選択したか、という流れが、当時の資料に基づき克明に記されている。

    ジュニア新書であるため、割愛されている内容も多いと思うが、コーヒーやサトウキビなど、現地の農場で本当に奴隷のように扱われ、マラリアで全滅に近い辛酸を舐め、それでも戦い抜いた彼らの物語を我々は知っておくべきである。

    そうして、日系人の子孫が今度は労働力が不足した日本に集まり、群馬県大泉町などにブラジル人コミュニティを形成している。

    彼らを待ち受けるのは日本側の差別で、コミュニティに馴染めない中、犯罪に走る若者も増えている。

    国籍や直近育った場所は違えど、同じ日本の先祖をルーツに持つ関係にありながら、互いに差別をするというのは悲しい現状である。

    今後日系人が増えるか、という点は未知な部分も多いが、少なくとも他の国の移民よりは近いルーツを持つ間柄であることから、関係が改善することを切に願う。

  • 日系アメリカ人に関する本は数冊読みましたが,日系ブラジル人に関するものは本書が初めてでした。

    やたら難解なものが多い岩波「ジュニア」新書ですが,平易な文章で書かれている本書は本物の「ジュニア」にもオススメできます。

    差別に苦しんだアメリカ移民とはやや性質が異なり,ブラジル移民は貧しさと病気との厳しい闘いがありました。辛い日々を送る移民の方々がそれでも帰国しなかった,いやできなかったのは,当時の日本が移民先の国に負けず劣らず貧しい国だったからです。移民の歴史を学ぶと,明治・大正・そして昭和初期という激動の時期を生きた日本人の凄まじさを感じます。今の豊かさは,そういう人たちの努力の上に立っているということを,私達は感謝しなければなりません。

    ブラジル移民といえば,今の日本にいる日系ブラジル人の問題を避けて通ることはできません。本書の主題も,実はここにあります。
    日本人と日系ブラジル人との摩擦は,国内のあちらこちらで生じています。もちろん,紛争の当事者になれば私も穏やかなことは言っていられないと思いますが,本書が最後に記しているように,互いの信頼関係を構築するための努力だけは絶対に惜しんではならないと私は思います。だって彼らは,私達日本人にとって「家族」なのだから。

  • 第一章があまりにも今日の日本社会が直面している問題を先取りしており驚いた。

  • ブラジルに移民した日本人が、厳しい開拓時代や、戦争や政治に翻弄されながらも生き抜いて、ブラジル社会に大きな足跡を残す日系ブラジル人の歴史の話。
    ひとが生きるたくましさ、差別や軋轢や衝突を超えて、多文化社会を作るひとの力を、ブラジル移民たちの物語から感じられました。

  • [ 内容 ]
    いま日本で暮らす日系ブラジル人の数は31万人を超えるといわれています。
    私たちは彼らとどのような社会をつくっていけばよいのでしょうか。
    本書では、かつて日本から南米大陸に渡った移民たちの足跡をたどり、その歴史を学ぶと同時に、異なる文化をもつ人々と今後、共に生きていくための道を探ります。

    [ 目次 ]
    第1章 帰ってきた日系人
    第2章 日系人のルーツ
    第3章 欺かれた移民
    第4章 苦闘の大地
    第5章 日系社会の混乱と戦後移民
    第6章 自立と出稼ぎ

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 概要がさくっと紹介されている、という印象。
    「教科書にはあんまり書いてなかったけど・・・なんとなく興味はあるけど・・・」
    という時にまず手に取ってみる本としてはすごくいいと思う。

  • 日系人の歴史が暗い面ばかりですが、詳細に描かれています。

  • うるま病

    移民凄い。なんで、生命力、つよいの。

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著者プロフィール

1975 年、早稲田大学卒業後、ブラジルへ移住。日系邦字紙パウリスタ新聞(現ニッケイ新聞)勤務を経て、1978 年帰国。以後、フリーライター。高橋幸春名でノンフィクションを執筆。1991 年に『蒼氓の大地』(講談社)で第13 回講談社ノンフィクション賞受賞。
『悔恨の島ミンダナオ』(講談社)、『絶望の移民史』(毎日新聞社)、『日系人の歴史を知ろう』(岩波書店)、『日本の腎移植はどう変わったか』(えにし書房)など。2000 年に初の小説『天皇の船』(文藝春秋)を麻野涼のペンネームで上梓。以後、麻野涼名で『国籍不明(上・下)』(講談社)、『闇の墓碑銘』(徳間書店)、『満州「被差別部落」移民』(彩流社)などを上梓。
2013 年2 月刊の『死の臓器』(文芸社文庫)は高橋幸春名の『透析患者を救う! 修復腎移植』(彩流社)と同テーマの小説版。2018 年11 月には臓器売買をテーマにした小説『叫ぶ臓器』(文芸社文庫)を上梓。

「2023年 『〔ハーフ〕物語 偏見と排除を越えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋幸春の作品

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