日系人の歴史を知ろう (岩波ジュニア新書 605)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006052

作品紹介・あらすじ

いま日本で暮らす日系ブラジル人の数は31万人を超えるといわれています。私たちは彼らとどのような社会をつくっていけばよいのでしょうか。本書では、かつて日本から南米大陸に渡った移民たちの足跡をたどり、その歴史を学ぶと同時に、異なる文化をもつ人々と今後、共に生きていくための道を探ります。

感想・レビュー・書評

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  • 日系アメリカ人に関する本は数冊読みましたが,日系ブラジル人に関するものは本書が初めてでした。

    やたら難解なものが多い岩波「ジュニア」新書ですが,平易な文章で書かれている本書は本物の「ジュニア」にもオススメできます。

    差別に苦しんだアメリカ移民とはやや性質が異なり,ブラジル移民は貧しさと病気との厳しい闘いがありました。辛い日々を送る移民の方々がそれでも帰国しなかった,いやできなかったのは,当時の日本が移民先の国に負けず劣らず貧しい国だったからです。移民の歴史を学ぶと,明治・大正・そして昭和初期という激動の時期を生きた日本人の凄まじさを感じます。今の豊かさは,そういう人たちの努力の上に立っているということを,私達は感謝しなければなりません。

    ブラジル移民といえば,今の日本にいる日系ブラジル人の問題を避けて通ることはできません。本書の主題も,実はここにあります。
    日本人と日系ブラジル人との摩擦は,国内のあちらこちらで生じています。もちろん,紛争の当事者になれば私も穏やかなことは言っていられないと思いますが,本書が最後に記しているように,互いの信頼関係を構築するための努力だけは絶対に惜しんではならないと私は思います。だって彼らは,私達日本人にとって「家族」なのだから。

  • ブラジルに移民した日本人が、厳しい開拓時代や、戦争や政治に翻弄されながらも生き抜いて、ブラジル社会に大きな足跡を残す日系ブラジル人の歴史の話。
    ひとが生きるたくましさ、差別や軋轢や衝突を超えて、多文化社会を作るひとの力を、ブラジル移民たちの物語から感じられました。

  • [ 内容 ]
    いま日本で暮らす日系ブラジル人の数は31万人を超えるといわれています。
    私たちは彼らとどのような社会をつくっていけばよいのでしょうか。
    本書では、かつて日本から南米大陸に渡った移民たちの足跡をたどり、その歴史を学ぶと同時に、異なる文化をもつ人々と今後、共に生きていくための道を探ります。

    [ 目次 ]
    第1章 帰ってきた日系人
    第2章 日系人のルーツ
    第3章 欺かれた移民
    第4章 苦闘の大地
    第5章 日系社会の混乱と戦後移民
    第6章 自立と出稼ぎ

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    [ 参考となる書評 ]

  • 概要がさくっと紹介されている、という印象。
    「教科書にはあんまり書いてなかったけど・・・なんとなく興味はあるけど・・・」
    という時にまず手に取ってみる本としてはすごくいいと思う。

  • 日系人の歴史が暗い面ばかりですが、詳細に描かれています。

  • うるま病

    移民凄い。なんで、生命力、つよいの。

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著者プロフィール

1975 年、早稲田大学卒業後、ブラジルへ移住。日系邦字紙パウリスタ新聞(現ニッケイ新聞)勤務を経て、1978 年帰国。以後、フリーライター。高橋幸春名でノンフィクションを執筆。1991 年に『蒼氓の大地』(講談社)で第13 回講談社ノンフィクション賞受賞。
『悔恨の島ミンダナオ』(講談社)、『絶望の移民史』(毎日新聞社)、『日系人の歴史を知ろう』(岩波書店)、『日本の腎移植はどう変わったか』(えにし書房)など。2000 年に初の小説『天皇の船』(文藝春秋)を麻野涼のペンネームで上梓。以後、麻野涼名で『国籍不明(上・下)』(講談社)、『闇の墓碑銘』(徳間書店)、『満州「被差別部落」移民』(彩流社)などを上梓。
2013 年2 月刊の『死の臓器』(文芸社文庫)は高橋幸春名の『透析患者を救う! 修復腎移植』(彩流社)と同テーマの小説版。2018 年11 月には臓器売買をテーマにした小説『叫ぶ臓器』(文芸社文庫)を上梓。

「2023年 『〔ハーフ〕物語 偏見と排除を越えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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