- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005006267
作品紹介・あらすじ
ビッグバンから銀河系や地球の誕生、生命の発生、人類の進化と続く一連の過程の中で起きた「偶然」に迫り、宇宙と命の不思議について考える科学読本です。宇宙はどのようにして生まれ、地球はなぜ生命を育むことができたのか。生物とヒトはどんなプロセスを経て進化してきたのか…。宇宙と生命の秘密をわかりやすく解説します。
感想・レビュー・書評
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現在、自分がここに存在することが、いかにすごい偶然の結晶を知る。全てのことに対して知的好奇心が生まれた。
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宇宙や地球、人類の起源。そんなジャンルに興味がある自分のバイブル的な本。
タイトル通り人類が生まれるための奇跡的な偶然が難しすぎる表現を用いずに読みやすい形で書かれている。
ちょっと古い知識のものもあるかもしれないが何度も読んで宇宙観に浸って癒されてます。 -
読了
第5章 不思議な液体「水」
第7章 文明誕生を後押しした気候 -
更科功の『宇宙からいかにヒトは生まれたか』と並行して読んだ。というのは、更科さんの本は面白いのだが、難しいところもあり、きちんと理解するためにもっとシンプルにまとまっている本で概略を頭に入れてからのほうがよくわかるだろうと思ったからである。どちらも宇宙の誕生から人類が繁栄するまでを解説している。
初学者には読みやすく、親切で、最初に読むならこれかな、と思う。まず宇宙の誕生のところで「想像するのがとても難しいところですが、それまでは文字通り何もありませんでした。」(P2)って、科学者には書けない文章だと思う。当然だと思っているから。でも素人は「何もない」って、空間もないの?本当に何もないの?って思う。で、この文章を読んで、「想像するのが難しいのは私だけじゃないんだな」とほっとする。(ちなみに更科さんは、私たちが3次元しか想像できないことから説明していて、たいへん面白い。)
更科さんの本を読んで比較すると、まずかなり大雑把に解説されているな、ということ。これは貶めて言うのではなく、大雑把にまとめるのが難しいことを、よくここまでまとめたな、と感心して言うのである。なぜなら、よくわかっていないと大雑把にまとめることはできないからである。
ただ、知的好奇心をそそるという点ではやはり更科さんの本に軍配が上がる。
しかし、著者は専門は経済学なので、監修者がいるとはいえ、参考文献を読み込んでよくここまで書けたなと思う。更科さんは学者であり、自分の専門と重なっているから、詳しいのは当然と言える。ちなみに巻末の参考文献も更科さんの本とかぶっている本が数冊あるのが興味深い。
細かいことを言えば、更科さんの説と違うところもある。比重も違う。眞さんは「〇〇という説はこうです」「△△という説はこうです」と説明し、「現在は〇〇が有力です」とか「まだわかっていません」という書き方。更科さんはもっと踏み込んで事例を挙げて具体的に紹介し、自説も加えているのが立場の違いを表していて面白い。
構成もとても親切である。各章の最後にタイトルにある12の偶然のいくつかが、章のトピックをまとめる形で書かれている。
中高生だけでなく、大人も読んでおくと現代科学の一般常識がわかる。 -
宇宙誕生から人類の登場まで、分かりやすくまとめられている。「なぜ?」には答えていないが、そもそも答えがないので当たり前。分からないことは分からないと堂々と書いている。
あとがきには少し説教もあるが、思想や哲学抜きで語られるので胡散臭くない。
この手の本としては、コンパクトで分かりやすく読みやすく飽きない。 -
岩波ジュニア新書ですが、結構高度な内容です。人類が生まれるための偶然というのは宇宙の誕生の仕方であったり、太陽の大きさであったり、月の存在や水の存在など、過去に起きた事象をとらえ、その可能性の多さから何かが選ばれたと見るなら 偶然、今があると思えますね。しかし、今ある時点から言えば、それはなるべきしてなったとも言えます。
しかし、その過去の可能性を学ぶと言う事は本当に驚きの連続で、それがこの本を面白くしています。筆者も言っているように、「地球にやさしく」というのは人類が特別の存在のように思っている証拠かもしれません。地球はそんなに弱い存在でもないですし、地球にとって人類の代わりとなる生命はいくらでもいると言う事です(なんか怖いですね、、人類はおごっているのかもしれない、それを今は地球が優しく見守っていてくれるだけ)。私たちは、自分たちの生態系が維持できるように考えて生きていくのみなんですね。 -
宇宙の創成の初めから人類の文明化まで、分かりやすく丁寧に教えてくれました。まだ、確定しない学説も、丁寧に紹介してくれており、今現在の科学の位置を俯瞰させてるれる。一人ひとりのアイデンティティは、ここから探し出すのが、最も平和で創造的なことに思えます。再読、必死。
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978-4-00-500626-7 226p 2014・5・15 10刷
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宇宙の誕生から地球の気候まで、現在の人類が生まれ、存在するための12の偶然とも言える条件を分かり易く解説している。
12の偶然とは、1.宇宙を決定する「自然定数」が現在の値になったこと、2.太陽が大きすぎなかったこと、3.太陽と地球の距離が適切だったこと、4.二つの巨大惑星(木星、土星)があったこと、5.月という衛星があったこと、6.地球が適度な大きさであったこと、7.二酸化炭素を減らす仕組みがあったこと、8.地磁気があったこと、9.オゾン層があったこと、10.地球に豊富な液体の水があったこと、11.生物の大絶滅が起きたこと、12.人類が進化をしたときに温暖な気候となったこと、である。
1.については宇宙論の中でマルチバースの概念が今や主流となりつつあるが、そのほかにもこれだけの条件が重なることが必要だったと考えると、この偶然(を生み出した何らかの力)に畏敬の念を感じないではいられない。そして、人類の存続のために、この条件を守っていかなければいけないと思う一方、その条件が自然に変化していくことを人類がコントロールしようとする(人為的要因によらない温暖化など)意味の有無も考えてしまう。
(2009年10月了) -
まあ偶然というよりは宇宙誕生から人類誕生までの歴史の振り返りって感じだわな。
宇宙の歴史も生物の歴史も好きなんで、さらさらっと楽しく読める。こういう横断的な知識を要することが書ける著者はすごいなあと思いつつ。
眞淳平の作品






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