ニュートリノの夢 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 48
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006465

作品紹介・あらすじ

2002年にノーベル物理学賞を受賞した著者が、研究のみちのりとニュートリノ物理学を語る。神岡と出会い、カミオカンデを構想、性能のすぐれた観測装置につくりあげていき、そして世界初のニュートリノ観測へ。朝永振一郎先生や弟子の戸塚氏らへの思い、若い世代への期待もあわせて、楽しく心打たれる物語になっている。

感想・レビュー・書評

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  •  今日は、北里柴三郎のお孫さん・北里一郎さんを取材。白金の北里研究所にて。

     「ひ孫弟子」にあたる大村智さんのノーベル賞受賞により、いままた脚光を浴びている柴三郎の偉大な足跡について、お話をうかがった。一郎さんご自身も、明治製菓(医薬品メーカーでもある)の社長・会長を務めたすごい方なのだ。

     北里研究所に向かう途中の商店街にも、大村さんのノーベル賞受賞を祝すポスターがたくさん貼ってあった。
     柴三郎は、第1回ノーベル生理学・医学賞の候補に挙げられながら、惜しくも受賞を逸した。それから110余年を経て、北里研究所所長などを務めた大村さんが、創立者の雪辱を果たしたことになる。

     行き帰りの電車で、小柴昌俊著『ニュートリノの夢』(岩波ジュニア新書)を読了。仕事の資料として。
     これもノーベル賞関連書籍。2002年のノーベル物理学賞受賞者である小柴氏が、そこに至る軌跡を明かした自伝である。

     ジュニア新書ゆえ、語り口は平明で、ニュートリノ関連の難しい出来事も非常にわかりやすく書かれている。

     印象に残った一節を引く。

    《(物理学の)理論屋は一流と二流がはっきり分かれていて、一流の理論屋は自分が研究している理論には適用の限界があることをいつも意識していますが、二流の理論屋はその限界がわからず、自分の理論でなんでも説明できると思い込んでいます。それが、一流と二流のちがいです。》

    《(ノーベル賞受賞決定後の記者会見で)「夢は何か」と聞かれて、「これからの夢は、教え子がノーベル賞をもらうことだ」と答えました。しかし、有力候補だった戸塚洋二が二◯◯八年七月に亡くなってしまい、大変残念に思っています。》

     本書の発刊は2010年。それから5年を経て、弟子の一人である梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞し、小柴氏の夢はかなったのである。

  • ニュースでこの人を見た時に、失礼ながら悪代官っぽい風貌だなあ、と思った。本書は科学の話というより小柴先生の軽い自伝だが、読んでなんとなくあの時の印象が納得できた。もちろん小柴先生が本当に悪党だったわけではない。あの年になってもにじみ出る、この人の馬力と迫力が「悪代官」というキャラを連想させたのだ。
    科学者というより仕事人、先生というより親方。優秀な部下を率い、迫力と腕力で道を切り開いていく闘う科学者。カミオカンデの立役者となり、ノーベル賞の受賞に至った理由がよくわかった。
    子供向けの本らしいが、楽しかった。子供にも読んでもらいたいな。
    ・・・しかしこの表紙w

  • ノーベル賞受賞者の小柴教授の自伝。ニュートリノ観測は陽子崩壊観測の副産物かと思ってたけどそうじゃなく狙ってたのか。

  • 小柴先生の生い立ちから、ノーベル物理学賞を取るまで、そして最近の日常の過ごし方までやさしく語られています。80歳を過ぎた現在も、毎日しっかり後進を育てるための仕事をされているようです。好きな酒やタバコはやめて、今は健康的な生活を送られているようですが。カミオカンデは中学生ころから私のあこがれでした。大統一理論とか陽子崩壊とか名前を読むだけでワクワクしたものです。本書の中ではなんと言っても朝永先生との1章がおもしろい。朝永著作集は学生時代に読み通しました。量子力学の教科書にはお世話になったというか、勉強不足でよく分からずじまいでした。朝永先生の小柴先生に対する心遣いを知るにつけ、ますます朝永ファンになってしまいました。中高生向けの本です。読むのが遅い私も、3時間ほどで読みきりました。

  • ノーベル物理学賞受賞者、小柴昌俊さんは、こんな人です。

    ニュートリノについては、わかったような、わからないような。でも、小柴さんのことは少しわかりました。基礎科学への想いも。

  • ニュートリノが光速より速い、という観測結果が出た記事、、の連想?で読みやすそうなので選んだ1冊。ノーベル賞をとった時は全く興味 ニュートリノにも小柴さんにも なかったのだが。人生と信念にさわやかな感銘を受けた。

  • 2010.5.16読了。
    やはり未だにニュートリノのことはよくわからないが、小柴先生のスーパーカミオカンデを作るために行った研究だけではない実務の部分も、評価されなくてはいけない。お金を国や企業から得ることや、他国の研究者に協力を要請する交渉は、なかなかできないことだと思う。

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著者プロフィール

物理学者、ノーベル物理学賞受賞者

「2014年 『ニュートリノと私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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