戦争の時代の子どもたち――瀬田国民学校五年智組の学級日誌より (岩波ジュニア新書)

著者 : 吉村文成
  • 岩波書店 (2010年7月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006601

戦争の時代の子どもたち――瀬田国民学校五年智組の学級日誌より (岩波ジュニア新書)の感想・レビュー・書評

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  • 滋賀県大津市瀬田国民学校五年智組の女生徒7人が、昭和19年の4月から同20年3月まで書きつづけた絵日誌を紹介し、そこから当時の軍国主義日本、そして当時の国民学校教育を読み解き、さらに、この絵日誌のもつ不思議な明るさに迫っていこうとする本です。戦争による抑圧の中、臣民を作る教育、つまり自分で考えてはいけないという、枠にはめた人間作りが叫ばれた時代がこの太平洋戦争の日本です。本書で紹介される絵日誌にも、そんな空気のなかで、なんとか落ちこぼれずに空気と同化しようとする、ある意味健気な感じは読み取れます。しかし、どこか明るく、絵も文章も自由なところがある。その不思議さには担任の西川綾子先生の放任主義があり、矢嶋校長の「ほめる教育」が影響しているようです。それだけではなく、土に触れる教育なども好い影響を与えているようです。

  • すべてが楽しかったわけではないだろう。なんせ戦争中だ、辛いこと、苦しいこと、そんなこと、今私が改めて言うまでもなく、たくさんあっただろう。

    でも、あの学級日誌を見る限り、すごく楽しそうに見えるのだ。

    もちろん、楽しいだけではない。
    書いてあることは、時代を反映している。
    米英を敵と憎み、お国のために死ぬことも厭わない、そんな内容もたくさんある。

    でも、とても楽しそうなのだ。

    特に、試食会の日誌は、これ以上にないというほど、楽しそうで、幸せそうで、羨ましくなってしまうぐらい。

    戦争の本というと、暗い、辛いと身構えがちだ。
    この本にもそれがないとは言わない、でも、この本は、それ以上に楽しそうである。
    その点では、すごく貴重な本だと言えるだろう。


    でも、楽しそうなのは日誌であって、この本自体ではないから…。
    「ジュニア新書」としては、少し難しいかもしれませんね。
    教育論的な要素まで含みますから。

    大人が読んで面白い本、なのかもしれない。

  • 借り物。

  • 驚くほど伸びやかな文章と挿し絵。学級通信からみる、素晴らしい教育実践記録。
    後半の著者の教育観、問題意識も共感できる。
    なにより、戦時下であっても子どもをほめて育てる教育者の存在がうれしく頼もしい。暗い苦しい時代背景の重苦しさの中にも、教育の本質を垣間見たようなさわやかさ。

  • 登録日:8/27

  • 色彩も鮮やかな戦時中の学級日誌は貴重な史料。前半はもう少し料理の仕方があってもよかったような気がするが、後半の矢嶋校長・西川教諭の総合教育についての話は興味深かった。日誌の文章は時代を感じる定型文の部分と、日々の出来事に対する素直な反応とが両方あって面白い。絵のタッチも味がある。こういものが書かれたこと自体が教育の成果。
    ところで、先月出たばかりの新刊なのに4月29日は「みどりの日」でいいんだろうか?

  • 国民学校の学級日誌を読む本。日誌に書かれるのが本音とは限らないが、戦時下の子供の日常や願望が興味深く、カラーの挿絵も含めて史料的価値を感じる。指導した西川教諭や矢嶋校長の「総合教育」の教育論としての側面もあり、その観点で読んでもいいのでは。

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