- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005006670
感想・レビュー・書評
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身なりに気を使いたくなってきたけれど何をしたらいいかわからない!というシスジェンダーヘテロ男子のためのファッション事始。
具体的なアドバイスではなく心構えみたいなもの。
自分をプロデュースする、見せる・見られるコミュニケーションツールとしての服、という思想。
その基本的な考えはいいんだけど、子供向けのわかりやすさが単なる短絡に終わっている。
女子はこういうものです!と言い切ってしまう視野の狭さが嫌だ。
女の子はファッションに熱心で変化を恐れず自由です女の子は見られることに敏感だから見せ方が上手です思春期女子は体がどんどん変化しますだから変化に慣れています自分を変えることも恐れません。
いや女子がみんなおしゃれなのは著者(服飾関係の仕事)が出会う女の子が服飾に興味のある子だけだからじゃないでしょうか。
女子は体がこうだから精神もこうでみたいな思い込みが気色悪い。
なんだろうこの人は排泄するたびにハロー新しい俺!とか思ってるんだろうか。
「女の子は無限の花びら」あたりで本気で気持ち悪くなったのでその辺からは飛ばし読み。
おしゃれすることを認められなかった男子からすれば女子のファッションは「自由」に見えるのかもしれないけれど、みんなが同じようにおしゃれであることを求められる女子からすればファッションは必ずしも「自由」じゃない。
いつの時代も「やりすぎ」の「男受けしない」ファッションを好む女の子たちは、男が望む女の子像を拒みながら自分のおしゃれをしてる。
その精神は硬派の時代におしゃれする男の子たちときっと近い。
多分、男子のおしゃれが異端になりがちな時代の男性にとってのおしゃれと、今のきれいな男子たちのおしゃれも意味合いが違うんじゃないかな。
しなきゃいけないからするのは、たとえ上手でも「自由」じゃない。
(プレッシャーとは関係なく好きでやってる人はいるけれど、それは規範がたまたま自分の好みと合致しただけだ)
先日、ふだん読まない女性向けファッション誌を見たら、「してもらう」ことばかり考えるいじましさに気力を削り取られた。(たまたま私が見たのが変だっただけかもしれない)
「してもらえる私」を手に入れるための努力がものすごくて、その努力を「する」ことに振り向ければほしいものなんてすぐ手に入るんじゃないの?と思った。
受身なのに相手をコントロールする(支配する)方向性が嫌。
この本を読んで「選ばれるためのファッション」にも一理あるけれど、やりかたを履き違えればあの妙な受身の仕向け方になってしまうのも当然かと妙に納得した。
「○○することは生きること」ってのは、いろんなものに当てはまる。
○の部分は人によって、「食べること」「働くこと」だったりする。
「読むこと」「書くこと」「踊ること」「歌うこと」あてはまる言葉はいくらでもある。
選びたいくらいこだわる部分を持っている人は素敵だけど、そのジャンルはどこだっていい。
こだわりたいジャンルの選択もその人らしさの一部だ。
こだわりをもっている人の中には、自分のこだわりを共有しない人を愚か者とみなす人がいる。
この本はそういう、自分のジャンルだけがすべてだと思ってしまうタイプの視野の狭さだ。
好き好む類のファッションは自分を広げるものだけれど、これは(広げる手助けをしようとしているにもかかわらず)世界を狭めるファッション観だと思う。
身にまとうものによってどう見られるかが変わるっていうのは『海にはワニがいる』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4152092378にいい例がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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読了:2011/3/19
サイズ感の話とか、デザイナーらしい話もあるにはあるのだけど…。
作者の薄っぺらくて前時代的な思考があちこち顔を出しまくっているのが気持ち悪い。
p.103 「思春期を迎えた女の子は体が大きく変化し、ひと月単位で体調も変わるようになる。日々「変わる」ということを受け入れながら生きている。それが、女の子という存在です。」
だから、女の子はあんなにファッションに敏感で、ころころ服を変えるんだと。
こうやって女性の第2次性徴にのみ妙な意味を持たせるオッサンて多いんだけど、ただひたすら気持ちが悪い。生理にそんなに重い意味を感じてる女っているのか。
性交・妊娠可能な体になって初めて「女になった」とか思うんだろうなぁぁ、おっさんは。自分(=おっさん)にとって性的(=商品)価値があるかないかによって女か女でないか分別するとかホント気持ち悪い。
女に生まれた=生まれた時から女だった人間からしたら、女に「なる」もくそもねーわ、って感じだわ。最初から女だっつーの。
p.103 「女の子は自分の身体にとても敏感で意識的です。身体は、いつまでも若いままではない。肌は10代でピークを迎えた後は、だんだん衰えていく。老化はすべての生き物にとって避けられないことです。その事実をきちんと受け止め、自分の内面と外面とのキャッチボールを上手にこなして、いつまでも若い自分を保とうと努力する。女の子は、そういう術に長けています。」
うわあぁキモイキモイキモイ。
「若い女の子」に商品価値を見出してるオッサン思考そのもの。
男だって体は衰えていくだろうが。なぜ女だけが若さを維持したがるものだなんてことになるのか。この人は考えたこともないのだろうなぁ。
この人の女に対する視線は終始一貫、「商品」だ。
p.94 「いままでスッピンだった学生が急につけまつげをするようになると、「女子力に目覚めたんだね」とか、いつも以上にバッチリメイクして、かわいい格好をしてきたときは、「今日はこのあと楽しい予定が入っているんだろうね」とか……」
何このセクハラオヤジ。
最後に残ったのは、「女は男に与えられたアイテムである、とごく当たり前に考えている人間の書いた本である」、という感想。
こんな本で、ジュニア世代(なにそれ?)が気持ち悪い思考を当たり前にとらえるようになったらやだなぁ。 -
内容としてはファッションに関して網羅的に書いてあって参考になったが、中学生くらいに向けて書いてあるために、感覚的な記述かつ掘り下げが浅いので物足りなかった。
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- 毎年20%ずつ新しくする.5年でいれかわる
- お勧めアイテム
- ポロシャツ フレッドペリーの黒か紺
- テーラードジャケット(ボタンが1列,ウール素材の黒),ピーコート,チノパン(ベージュ)はSPAでよい
- ジーンズ,スニーカー,ブーツ:リーバイス,コンバースオールスター,ドクターマーチン -
今年100冊目にこんな本を読んでしまうとは皮肉。
著者は、「人は見た目で判断できる」と考えており、「着るものを選ぶということは、人生を選ぶということ」というシャネルの言葉を中心に、ファッションは自己表現なんだよってことが書かれている。
特に身になる話しはなかったが、さくっと読めて、視点を少し変えてくれる本だった。あとファッションの流行の変遷はもうちょっと詳しく知りたかった。
ファッションは自分を表現すること。四季のおかげで、僕らは着こなしが楽しめるし何を着てもよい。しかし、僕みたいにまぁ適当でいっかと思ってしまっている人間にとって、ファッションで自由な遊びというのはなかなか難しくて苦しいなぁと感じるのだ。1着何万の世界だし。だからそういうところにお金をかけられる人を心底尊敬する。でも、ファッションで自己表現ばかりして他のことに興味を持たないアホはきらい。それから、生き方として、あまりにも保守的なのは嫌だ。 -
「女の子は○○が得意なんです」的な言い回しにいちいち引っかかるんだが女の子の読者は想定していないんだろうか。ツッコミ所が多いが、ターゲットである「服を自分で買ったことのない男の子」が読めば実用的に役立つ本ではあると思う。イラストはさすがにきれいで表紙も岩波ジュニアらしからぬオシャレさ。