- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005006847
作品紹介・あらすじ
「20」を読むときには「にじゅう」なのに、「10」は「いちじゅう」とは読まないのはなぜ?1から10の読み方に隠された謎とは?毎日なにげなく使っている数字の発音に隠された「ことばの法則」をさぐってみよう。もっとも身近なことばである「数字」から、日本語の不思議で楽しい仕組みがみえてきます。
感想・レビュー・書評
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB05974174詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひとつ、ふたつ、みっつ。いち、に、さん。無意識のことばこそ秘密がたくさん!
こういう話好きだ。1から10を読むのと、10から1を読むのでは、発音が変わる「4」と「7」の秘密とか。1,2,たくさんの法則とか。言語によっての違いなんて、もうわくわくします。なんでone, two, threeから、eleven, twelve, thirteen, fourteen,っていう-teenの謎とか。無意識だから何も問題ないけど、絶対外国語として日本語を習ったら「本」をマスター出来ない気がする。いっぽん、にほん、さんぼん、……って難しいことしているんだな、わたし。
あまり数式とか出てこないし、むしろ言語系です。 -
知識が増えれば増えるほど疑問も増える
The more I learn,
the more I realize I don't know.
The more I realize I don't know,
the more I want to learn.
アインシュタインの言葉だそうだ。
世の中には情報が溢れているが、それでもまだなおわからないことの方が多い。
それをひとつひとつ解き明かしていっても、その先には更に謎が隠されている。
本書はそんな不思議のうち、数と言葉に着目したものである。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。
声に出して読んでみてほしい。
ではさらに、
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1。
何か違いがあることに気づいただろうか。
4と、7。
どう読んだだろうか。
小さい方から数えた時、大きい方から数えた時、読み方に違いがあったはずだ。
つぎに、「公務執行妨害」。
これを声に出してから、これを読んでほしい。
「公務執行」と「妨害」。
アクセントに違いがでてくるはずだ。
こういった言葉にまつわる変化をわかりやすく解説してくれる。
なぜ?といった疑問にもわかっている部分に関しては丁寧に解説している。
全てに興味がいだけなくても、ある部分で「あ、そうか」を感じられる。
気づかないうちに使っていた法則は面白い。
あえて難を言うとすれば、例示が10代にはぴんとこない部分があるのではないかということ、同じ内容が繰り返しでてくる部分があるということか。
数と言葉のラビリンスを体験できる本である。 -
1(ひい)と2(ふう)、3(み)と6(む)、4(よ)と8(や)は、いずれも子音が共通している(倍数の法則)とか、4と7は正順に読む時は音読みなのに、逆順の時は訓読みが出てくるとか、桁数の最初に1が立つ時、「1」を読むか読まないかとか、数に関することばの多様な問題が集められている。
著者は語構成を音声の側面から考察してきた研究者だそうだ。
それで数字をどのようなまとまりで捉えるかにより、アクセントが変わるといった話になっていくようだ。
桁数の多い数をどのようなまとまりでとらえるかに、個人的には関心があったので、第七章が最も興味深く読めた。 -
811.1 ク 登録番号8218
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この本でとりあげるものは「数字」を柱に、アクセント、発音、人称、語順、語彙、文法、言語習得と言語学のいろいろな分野にわたっていて、扱う言語も日本語を中心に、英語ばかりでなく他の言語の例も豊富に引き、まさに次から次へ疑問の扉を見つけていくつくり。
毎日なにげなくつかっている数字の発音や表現の仕方などをよく観察することから、言語学にとどまらず広く学問の世界の、個別の小さな疑問から大きな法則を解き明かしていくおもしろさ、興奮が味わえる好著。