幸せのための経済学 〈知の航海〉シリーズ 効率と衡平の考え方 (岩波ジュニア新書 688〈知の航海〉シリーズ)

  • 岩波書店 (2011年6月21日発売)
3.38
  • (13)
  • (15)
  • (28)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 461
感想 : 40
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784005006885

みんなの感想まとめ

効率と衡平を両立させるための経済学の視点を深く掘り下げる内容が魅力です。福祉の向上を目指し、消費や労働情報を基にした経済システムや公共政策の評価方法を学ぶことができます。ゲーム理論を用いた分配の効率や...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 効率と衡平のバランスをいかに取るのか。
    福祉指標としての、消費・労働情報、機能の情報に基づく比較と、比較の順序としての選好順序、評価順序があること、パレート効率性、マキシミン原理などの考え方を知り、経済学、社会的選択理論やメカニズムデザイン等を紹介し、福祉の向上という観点から経済システムや公共政策を評価し立案する力を磨いていくことを示唆する。

  • 机上のことばかりの気がしてハマれなかった

  • 【感想】
     社会的選択理論のテーマを、事前知識なしに読めるように書かれた本。
     しかしそれでも、岩波新書としても内容は高度。学部生が背伸びして読む本。

     若い読者に「経済学でも、規範や〈幸福〉に向き合える」ということを知ってもらえたら十分だと思う。

    【書誌情報】
    著者:蓼沼宏一(社会的選択理論,厚生経済学,ゲーム理論)
    シリーズ:ジュニア新書
    サブシリーズ:〈知の航海〉 
    通し番号 688
    ジャンル 社会・倫理
    刊行日 2011/06/21
    ISBN 9784005006885
    Cコード 0233
    体裁 新書・並製・カバー・196頁

     地球上の資源は無限にあるわけではありません.今を生きる私たちは,限りある資源を偏りなくいかに分配するかということが問われています.「効率」「衡平」「公平」という考え方をカギに,人の福祉にとって望ましい社会のルール,経済システムのあり方について論じます.
    http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jr/toku/1106/500688.html


    【目次】
    まえがき [iii]
    目次 [v-vi]

    1 「経済」とは? 001
    1-1 チリの落盤事故から 
    1-2 「経済」とは? 
    1-3 限りある資源の配分 
    1-4 人間の多様性
    1-5 効率・衡平・公正 
    1-6 資源配分の評価 
    1-7 最善と改善

    2 ひとの「福祉」とは? 019
    2-1 「福祉」の意味と基準 
    2-2 モノ・サービスの量 
    2-3 国内総生産(GDP) 
    2-4 幸福・欲望充足――効用 
    2-5 選択論アプローチ 
    2-6 選択論アプローチと福祉の個人間比較 
    2-7 機能 
    2-8 モノ・サービス、機能、効用の関係 
    2-9 幸福度と機能 
    2-10 機能ベクトルと等福祉曲線 
    2-11 潜在能力――選択の機会の豊かさ 
    2-12 情報の制約と福祉評価 
    2-13 想像上の立場の置換 
    2-14 基準値との比較 

    3 無駄のない経済システムとは? 057
    3-1 「無駄」があるのはどんなときか? 
    3-2 パレート効率的な資源配分は社会的に最善か? 
    3-3 パレート効率性は相対的な評価基準として有効か? 
    3-4 利害対立があるときには? 

    4 市場システムの効率性 071
    4-1 パレート効率的な資源配分のための条件
    4-2 パレート効率的配分を実現するメカニズム 
    4-3 貨幣との交換 
    4-4 労働供給 
    4-5 生産費用 
    4-6 市場メカニズムが機能するための条件 
    4-7 市場メカニズムに欠けていること
    4-8 市場メカニズムでは解決しないこと

    5 格差のない社会とは?――衡平性の考え方 093
    5-1 何に関する格差・衡平か? 
    5-2 個人間の状態比較の基準 
    5-3 個人間比較の主体 
    5-4 羨望の無い状態としての衡平性 

    6 消費・労働に関する衡平性――無羨望配分の考え方 105
    6-1 消費に関する無羨望配分 
    6-2 選択の機会の均等 
    6-3 消費と労働に関する衡平性 
    6-4 衡平性基準による相対的な評価 
    6-5 パレート改善第一・衡平性第二の評価基準 
    6-6 羨望の無い状態としての衡平性基準の難点 

    7 消費・労働に関する衡平性――平等の考え方 125
    7-1 平等等価の考え方 
    7-2 平等等価配分と効率性 
    7-3 PS福祉指標と功利主義の違い 
    7-4 パレート改善第一・衡平性第二の基準とマキシミン原理 
    7-5 消費・労働に関する評価基準に基づく平等等価配分  

    8 機能に関する衡平性 143
    8-1 消費・労働に関する衡平性の限界 
    8-2 機能に関する衡平性 
    8-3 機能に関する無羨望配分 
    8-4 社会的評価の循環の問題 
    8-5 潜在能力に関する衡平性 
    8-6 平等等価に基づく衡平性 
    8-7 パレート改善第一・衡平性第二の基準とマキシミン評価法 
    8-8 マキシミン原理の正当性

    9 経済学の役割 163
    9-1 規範的評価と合意形成 
    9-2 ひとの福祉評価の情報ベース 
    9-3 福祉の個人間比較の方法 
    9-4 資源配分の社会的順序付けの方法 
    9-5 社会的選択の問題 
    9-6 経済学の役割 

    10 さらに学びたい人のために 173

    あとがき(二〇一一年五月 蓼沼宏一) [187-189]

  • ふむ

  • 331-T
    進路・小論文コーナー

  • ゲーム理論による分配の効率と衡平をいろいろと解説されている。交換可能でないものを持っていると自由経済であっても衡平、すなわち全員が満足な状態は作れない。能力とか公共財とか。
    こういうのは何がベストなのかを考える規範的な経済学というらしい。個の充足の良し悪しだけでない、共の充足みたいな話はあるのだろうか。

  • センのcapabilityの理論、パレート効率など幅広く網羅されているのがとても良かった。
    巻末の参考書籍が豊富でポイントが書かれていてとても良かった。センの理論については、巻末にも記載されていた原著の福祉の経済学が、簡潔でわかりやすかったが、この本は周辺の理論についても述べてくださっているのが、位置付けがわかって良いと思った。

  • 幸せの数式があるのは興味深い。

  • 400円購入2020-03-08

  • 宮崎哲弥氏が、その著書とか雑誌とかで、折に触れて本書を進めているのを見て、そんな凄いものなら、と思って入手。あと、タイミング的に経済学への興味が高じている昨今なんで尚更。個人の性格やら生い立ち、生活環境まで考慮に入れると、皆が同じように幸福になる平等性は、なかなかに得難いって話。それを理論的に可視化して見せた内容、っていうところか。それによって、腑に落ちるようにはなっているけど、でもまあ当たり前っちゃ当たり前と思ってしまった。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・日経アソシエ7月(いつだっけ?)
    ・「多数決を疑う」の読書案内で(2015/9)。

  • 絵図がないのでわかりづらいのと、XXXとは?という説明のみでどう社会に対し使うのか、という点が記載がないので、学問のための学問といった感じがする一冊。

  • レビュー省略

  • ていねいに書かれているのだが、難しかった。

    各個人が、なし得ること、なり得るものを機能という。機能の水準は、入手できるモノやサービス、個人の属性、社会的環境によって決まる。機能は客観的評価が可能だが、評価する機能は多様なため、そのリストに合意することは容易ではない。

    センは、各個人が実現できる機能の水準の組み合わせとして、生き方の選択機会の豊かさ(潜在能力)の概念を示した。

  • 「ー」

    これが中高生向けなのに驚く。内容は極めて高度だが、書き方は読みやすい。中高生の学習意欲を刺激するだろう。

    PS福祉指標は初めて聞いた概念だった。が、日本とブータンの幸福の違いを表すのに使えそうだ。とても面白い考え方。

    ”効率”はパレート効率で無くてはならず、誰かが損をするのでは意味がない。それこそまさに最大多数の最大幸福だ。著者はそれを否定する。

  • 中高生向けの本にありがちな難しさ。2章までは一般常識で理解できることをあえて教科書的に書き、眠くさせておいて、3章目以降はちゃんと理解したいのに、学生の丸暗記向けというのか、ふつうの大人に分かるような書き方になっていない。。まあ私の予備知識がなさすぎるのだけど。途中で図書館に返してしまった。

  • 経済学の入門的な本で、「効率」と「衡平」をキーワードに、ひとの福祉とは何か、人々の福祉を高めるために望ましい社会経済システムとはどのようなものなのか、興味深く読めた。

  • 非常に大事なことを論じているのはわかるし、洞察も深いと思う。良書と言える。
    でも、本書が本来伝えたい相手、つまり中高生に、この内容が届くのかな?
    もうちょっとわかりやすくならんかったんか、という気が。

  • 厚生経済学の入門書ということだが、経済学というもの自体に疎い私には相当難しかった。
    効率と衡平という視点と経済システムは人々の福祉を高めるためにあるというのは新鮮でおもしろかった

  • 「ジュニア文庫」なんですが、内容は結構難しい。「経済とは人々の福祉を高めるためにある」という定義のもとで、最善の状態を想定しながらそこに向けて現状を改善していくのが経済の本質であると述べ、具体的な事例について掘り下げています。

    全体を通じて、きちんと内容を理解しようと思ったらじっくり腰を据えて向き合わないと理解しにくい本だと思います。万人向けではないですが、頭をしっかり回転させて経済に関する本を読みたいと思っている方なら「ジュニア」という括りに捉われずにチャレンジしてみても好いかと思います。

全32件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

蓼沼宏一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×