みんなでつくろう学校図書館 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 191
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007035

作品紹介・あらすじ

学校図書館を楽しい場所にしよう。共感をよぶ取り組みで、開かれた図書館を実現してきた学校司書による一冊。これまでの図書館のイメージが変わるさまざまな活用法を案内。ずっと前からあったような、でも、どこにもなかった創造的な学校図書館づくり。

感想・レビュー・書評

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  • CA1933 - 主権者教育と高校図書館 / 成田康子 | カレントアウェアネス・ポータル
    https://current.ndl.go.jp/ca1933

    みんなでつくろう学校図書館 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b271289.html

  • 学校図書館関係者必読!の素敵な本。文字通り「みんなでつくった」学校図書館の、「みんなでつくった」一冊。

    ごく稀に「この本は今の自分のために書かれた本じゃないか?」と思う本に出会うことがある。自分にとってはまさにそんな本だった。今年度、勤務校の図書委員会の顧問となり、委員会活動や図書館の活性化について色々考える機会があった。自分なりに考えて行動もしてきた。これからも関わっていきたい。そんな立場でこの本を読むと、まさにいまの自分のために書かれたような本なのだ。

    この本には学校図書館を魅力的な場にするための様々な工夫が書かれている。しかも、「みんなでつくろう」というタイトルを裏切らない形で。司書に何ができるか、というだけでなく、まわりの生徒たちを巻き込んでどんな活動ができるのかを、生徒たちの言葉をふんだんに盛り込みながら紹介してくれる本である。具体的で、やってみたくなるアイデアがたくさん。その合間に「図書館の自由」をはじめ、必要なミニ知識も盛り込んでくれて、いうことなし。

    もしかすると、専門の学校司書さんにとってはこの本の知見は目新しいものではないかもしれない。むしろこの本のメインターゲットは、僕のような「図書館に関心がある(けど知識がない)一般教員や生徒たち」だと思う。この本を片手に、自分たちの学校図書館をどう変えていけるのか、あーだこーだと生徒たちと相談できたら、とても楽しそうだ。とりあえず何冊か買って図書委員の生徒に配ろうと思う。とにかく、学校図書館に関心のある大人と子どもに、強力にお薦めできる。

    あと、この本のイラストやパラパラ漫画も、(元)生徒さんたちの作品なのだそうだ。そういういい関係性を、図書館を軸にして結べているんだろう。図書館に関わる一教師として、うらやましくって、そしてとてもやる気になる本だった。

  • 高校の学校図書館。利用者である高校生ができること。利用者目線大事。学生の活動を支えるのも大切だなと思った。

  •  筆者が、29年間、学校司書として高校の図書館で行ってきた実践とその考え方をまとめている。岩波ジュニア新書の一冊。

     タイトルのとおり、学校図書館は生徒がみんなで自由に楽しく作っていく場であるというのが基本の考え方。その実現のために筆者と生徒たちが工夫してきた数々の活動は実に斬新で、読んでいて、学校図書館についての自分のイメージが変わるように思った。

     図書館に集う生徒たちの様々なエピソードも記され、実際に活動にかかわった元生徒や現生徒のエッセイも収録されている。生き生きとした熱気ある図書館の様子が伝わってくる。図書館にはこんなにいろんな可能性があるんだと驚く。

     そして、ここに記されていることは、図書館だけではなく、他のいろいろな公共施設、もっと言うなら、人と人とが集まって何かに取り組むことのすべてに通じていると思った。

     人と人とがつながってそこで何か素晴らしいもの・わくわくするものが生まれる、同時に、一人ひとりも成長していく、そういう営み。本書の内容には、それだけの深みと幅があると感じた。

  • 公共図書館に勤めていて、ヤングアダルトのコーナーで見つけ、借りて読んでみました。

    学校図書館の勉強をしているところなので、参考にある部分がたくさんありました。また、図書委員会の児童生徒のはなしや学校図書館に関するいろいろなことが、書かれていて、楽しく、読めました。私は、学生の頃に、学校図書館をそれほど利用した方ではなかったのですが、もったいないことをしたなぁ。と、読んで思ってしまいました。

    学校図書館の勉強をされて方にはとても参考なる(ヤングアダルトではあるが)本ではないでしょうか。

  • 017-N
    閲覧新書

  • 高校時代図書室に入り浸ってはいましたが、実は図書委員になったことはないのです。本を借りるだけの場所であり、特定の棚しか利用していなかったのかも。今思えば勿体ない使い方。
    そんなことを思わせる学校図書館の魅力や可能性を描いた一冊。

  • 2020.6
    やり方次第でたぶんすごくおもしろいことになる。学校図書館は。子どもたちを刺激できるかどうか。あと図書館スタッフの存在は大きい。生かすも殺すも最初はスタッフ次第なのかもしれない。

  • 【みんなでつくろう学校図書館】
    成田康子著、岩波書店、2012年

    ちょうど1ヶ月前、生徒たちが夏休みに入った頃に、札幌南高を訪ねた。

    その時に読んでいた札幌南高校の高校図書館を中心とした本「高校図書館デイズ 生徒と司書の本をめぐる語らい」(成田康子著、筑摩書房、2017年)があまりに面白くて、著者であり図書司書の成田康子先生にお会いしに行ったのだ。

    川口校長先生にご紹介をいただいた後、成田先生に図書館をゆっくりとご紹介いただいたのは、ちょっと幸せな時間だった。いい本といい空間だった。椅子や本棚、サインとあらゆるところに精一杯の気を使われていて、愛情を感じた。

    学校とは異なる空間なのだが、でも、学校とは何のためにあるのか、と考えたら、図書館こそが学校そのものなのではないか、そんなことも思われるくらい温かな場所だった。

    先生からお話を伺っている間、図書局員の高校生たちがなにやら話し合っていた。

    夏休みの初日に、とても楽しそうだったな。

    本書は、成田先生が長年勤務した月寒高校や大麻高校、南高などの学校図書館での取り組みからどのように「図書館を自分たちの居場所にするか」ということの手引書のよう。

    若い人、それは生徒にも子どもの親にも同僚にも、いやもっと言えば、先輩にだって、「この時代だからこそ本を読むこと」を薦めている。

    手を変え品を変えて説明しているが、でも言いたいことはまさに成田先生がこの本で書かれていることそのものだ。

    ーー
    「でも、わたしのやりたいことと本は直接関係ないから」と思ったあなた、司書が相談にのります。司書はあなたの新鮮な発想を期待しています。どうしてかというと、図書館はあなた達が使う場所だからです。あなたたちが「いいところだな」と思わなければ図書館は本の置き場にしかなりません。用がなくても行ってみたくなるところに図書館を変身させてみましょう。

    頭のなかで思い描く、こんなことあんなことも、すべてのどこかの本にその一端が書かれていると行っても言い過ぎではないでしょう。不思議だと思うかもしれませんが、本はあらゆる事柄に関わっているのです。

    なぜかというと、人類はその次代に起こったすべてのことを記録しようとし、保存してきたからにほかなりません。あなたが好きだと思っていることに関しても、誰かが次の時代の人たちに伝えたいと考え、書物の形をとって残してくれているのです。「本はちょっとー・・・」とおもっていても、考えていることを形にするには自己流では限界があります。もっとふさわしい表現はないか、もう少し違った面からアプローチしてみたいと思った時に頼りになるのは本なのです。インターネットも最新の情報や意見交換には役立つでしょうか「それって、本当?」と疑ってみる必要もときにはあります。

    本の世界には、人間の試行錯誤の長い歴史が詰まっています。失敗、成功、悩み、傷つき、幸せを求める姿。それが小説の形になっていたり、ノンフィクションになっていたり、写真集・画集など、みるべきものは数知れません。あなたが日々の生活でこまったり悩んだりしていることは、人類共通とも言えます。
    ーー

    本を読むことで、言葉が磨かれていく。

    いろんな人に出会ってきて、ふとしたことで学校現場にいるが、結局はテストの成績ではなく、どれだけ磨かれて鍛えられた言葉を使えるかどうかが大切だ。

    #優読書

  • いちど成田先生の講演を聞いたことがあります。本の通り、パワフルな方でした。
    町の図書館とはまたちょっと違う、学校図書館の先生の仕事がよくわかります。

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